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第28話 悩みを聞いて
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「あああああ」
わたしは寝起きで頭が働かないまま、川の字の真ん中で見悶えている。毛布を両脇に寝ている二人から奪って包まって、その中で頭を抱え込む。そして唸る。
こんなに寝覚めの悪い朝は初めてだ。世界が灰色に見えるというのはこういうことだ。
明らかに失恋確定じゃないか。お兄さんはわたしのことを中身を大人だと判断してくれたけど、それだけだ。偶然、あの草原の中で出会っただけの他人のまま。少しは仲良くなれたんじゃないかって思ったけど、きっとそう遠くないうちにお別れなんだ。
何だよこれ、何なの!?
何か方法はないの?
わたしが住んでるこの世界に、お兄さんを呼び寄せる方法は!?
「シルフィア様ー? どうしたんですかー?」
毛布の外側で、マルガリータが怪訝そうにそう言いながら起き上がった気配がする。ヴェロニカも同じように身体を起こしたみたいだけれど、何も言ってこない。それでも、心配そうな気配だけは伝わってくる。
「……ちょっとだけ夢見が悪かっただけ……」
掠れた声でそう返しつつ、わたしは深いため息をついた。
マルガリータに訊いたら、お兄さんをこの世界に呼ぶ方法を知っていたりするんだろうか。ちょっとだけ探りを入れてみようか、と悩み、言葉を選んだ。
「ねー、マルちゃん」
「はいー」
「人間って、どうやって転生するのかなあ? 生まれ変わる先を選べたりするもの?」
「何ですかいきなり」
「ちょっと不思議に思って。わたし、何でこの世界に転生したんだろう。どうやってここに来たの?」
「運です」
「ちょ」
思わずわたしは毛布を跳ね上げて、マルガリータの顔を見つめた。不満げに目を細めながら、唇を尖らせる。
でも、マルガリータはそんなわたしの様子を気にすることもなく、ベッドに座り直して両腕をわざとらしく開く。
「全ての世界にどれだけの人間がいると思うんですか? 死んで生まれ変わるとき、行き先が選べるはずがないじゃないですか。いちいち、死者の魂の話を聞いて、あなたはこっち、あなたはそっち、なんて振り分ける暇なんてあると思います? そんな、道を示してやるほど神様ってのは暇じゃないですよ」
「いや……それでも、わたしが神でしょ? ほら、わたしの力で……」
「ああ、この世界ではシルフィア様は神様ですけど、他の世界には他の神様がいますし。さらにその上には、もっと偉い神様がいるんですよ」
「マジで?」
「……多分?」
マルガリータがぎこちなく首を傾げた。くそう、いい加減なことを言ってるな、こいつう。
わたしがさらに目を細めると、彼女は「まあいいじゃないですか」と頭を掻いた。
とりあえず、彼女は頼りにならない。わたしの知りたい答えを持っていない。
またため息をつきながらベッドから降りると、そのまま寝室を出てピアノのある場所へと向かう。
わたしが『静香』である時もそうだった。何かつらいことがあったら楽しいことをやって頭の中を停止させる。厭なことを忘れるためだ。
例えば、今日みたいにいつか来るお別れの予感とかを振り払うため。
何か、悔しいと思う。
わたしは音楽教室のスタッフで、いつだって生徒さんの悩みを聞く側だった。練習のことだったり学校のことだったり、些細なことを聞いてあげるだけで相手の表情が少しだけ和らぐ。それが好きだった。
でも考えてみれば、自分の悩みを話すってのはなかなかなかった。
せいぜい、松木先生に「ここが上手く弾けないんですけど」と泣きつくだけ。
誰か、今のわたしの悩みを聞いてよ。色々吐き出したいよ。王様の耳はロバの耳と叫びたいくらい。
そんな理不尽な想いをピアノに叩きつけると、やっぱり精神的に落ち着いていないのか雑な音色になった。これじゃ駄目だ。平常心だ。ピアノは何も悪くないし、それに――憧れのグランドピアノなんだ、大切に扱わなきゃ。
やっとそう思えるようになって、もう一度ピアノの椅子にきちんと座り直す。
足は相変わらずペダルに届かないから、魔法でペダル補助台を作り出した。やればできる子なんだ、わたし。
わたしの小さな手では、指が届かないから弾けない曲もある。でもまあ、そんなの気にしたって仕方ない。
わたしは改めて、ピアノの楽譜立てに置いてあった楽譜を開く。
ちゃんと弾こう。
落ち着いて、まずは適当にブルグミュラーの二十五の練習曲の中から選んで指慣らし。何だか自分でもよく解らないけれど、前世の自分より上手く弾けているような気がしたのはグランドピアノのお蔭だろうか。それとも、神としての力が働いているのか。
元々、グランドピアノってのは演奏するための究極の形なんだと思ってる。
何しろ、鍵盤の戻りが早い。ピアノ線を叩くハンマーは下からやってくる。そして指を離せば重力で落ちる。この反応速度があってこそ、演奏者の力を充分に引き出してくれるわけだ。
アップライトピアノではこうはいかない。
電子ピアノなんてもっての他だ。まあ最近では、電子ピアノでも木製鍵盤を使ったりして本物のタッチに近づけているものもあるけれど、楽器の内部にピアノ線は張られていない。サンプリングされた機械の音が再生されるだけだから、音色は綺麗だけれど呼吸はしていない感じがする。
わたしが勤務先でピアノレッスンを受けるにあたって、自宅で練習できるように電子ピアノを買ったけれど。あの時の『コレジャナイ』感は凄かった。
うん、やっぱり。
ピアノ線があって。そのピアノが置いてある場所だったり、壁だったり、色々なものに音が反響したり共鳴して。
温度や湿度でも音色が変わってしまう生のピアノっていうのは、凄く……素敵だ。アナログだからこそ美しい音色があるってこと。どこまでもこだわれるってこと。
弾きなれた『エリーゼのために』を暗譜で奏でる。
何だろう、泣きたくなってきた。
そこに意味はない。弾くことに集中しているから、わたしの頭の中にはさっきまでの悩みなんてのは消えてしまっている。
満足いく音色で弾けるように……と考えていると、指先が温かくなった。多分、魔力の流れだ。わたしの体内にある魔力が巡回を始めていて、体内を巡ってから指先に向かう。
それから。
それから?
あれ、と思った。
気が付いたら、髪の毛が少し伸びているような気がした。それと、さっきよりオクターブに簡単に指が届く。弾きやすくなったからだろうか、『エリーゼのために』もスムーズに、流れるように音がピアノから飛び出していく。それは今のわたしにはよく覚えのあるもので、魔力のようにこの神殿という名の洞窟を、そしてさらに広い空間まで飛び出して広がった気がした。
「凄い、シルフィア様!」
そんな声で我に返ると、ピアノから少し離れたソファに座っていたマルガリータが、勢いよく手を叩いていた。台所に立って朝食の用意をしていたヴェロニカも、その手をとめて拍手してくれる。
そういや、朝ごはんのことを忘れていたな、と頭のどこかで考えていたら。
「魔力の扱い方が一気に上手くなりましたね! 育ちましたよ、シルフィア様!」
そうマルガリータが言って、改めてわたしは自分の姿を見下ろした。
ネグリジェみたいな白いレースの裾から、前よりも長い足が覗いていた。両手も一回り大きくなって、明らかに小学生以上の少女の身体になっているのを確認する。
「……え?」
「これでフェルディナント様もにっこりです!」
「いや、それはどうでもいいんだけど」
「ええっ!?」
マルガリータがソファから立ち上がって何事か叫んでいたけれど、わたしは両耳を手で塞いで聞かないことにした。
多分、今のわたしの身体は前より女の子らしい姿だろう。小学生レベルだけど。
でも……もしかしたら。
お兄さんにこの姿で会ったら、少しは女の子として意識してもらえるだろうか。そして……扉の先でわたしに会いたいと考えてくれるだろうか。夢の世界じゃなくて、現実の世界で会いたいと思ってくれる?
ほんの少しでもいい、わたしのことを好きになってくれたら。
もしかしたら奇跡とかが起きて、わたしの世界につながる扉が見えるようになったりしてくれないだろうか。
でも。
奇跡なんてものは、滅多に起きないから奇跡なんだ。
やっぱりそこで泣きたくなってくるものだから、これじゃいけないと思って両手で自分の頬を思い切り叩いた。凄く派手な音がしたせいで、マルガリータとヴェロニカが口を大きく開けて慌てたようにこちらに駆け寄るのが見えた。
わたしは寝起きで頭が働かないまま、川の字の真ん中で見悶えている。毛布を両脇に寝ている二人から奪って包まって、その中で頭を抱え込む。そして唸る。
こんなに寝覚めの悪い朝は初めてだ。世界が灰色に見えるというのはこういうことだ。
明らかに失恋確定じゃないか。お兄さんはわたしのことを中身を大人だと判断してくれたけど、それだけだ。偶然、あの草原の中で出会っただけの他人のまま。少しは仲良くなれたんじゃないかって思ったけど、きっとそう遠くないうちにお別れなんだ。
何だよこれ、何なの!?
何か方法はないの?
わたしが住んでるこの世界に、お兄さんを呼び寄せる方法は!?
「シルフィア様ー? どうしたんですかー?」
毛布の外側で、マルガリータが怪訝そうにそう言いながら起き上がった気配がする。ヴェロニカも同じように身体を起こしたみたいだけれど、何も言ってこない。それでも、心配そうな気配だけは伝わってくる。
「……ちょっとだけ夢見が悪かっただけ……」
掠れた声でそう返しつつ、わたしは深いため息をついた。
マルガリータに訊いたら、お兄さんをこの世界に呼ぶ方法を知っていたりするんだろうか。ちょっとだけ探りを入れてみようか、と悩み、言葉を選んだ。
「ねー、マルちゃん」
「はいー」
「人間って、どうやって転生するのかなあ? 生まれ変わる先を選べたりするもの?」
「何ですかいきなり」
「ちょっと不思議に思って。わたし、何でこの世界に転生したんだろう。どうやってここに来たの?」
「運です」
「ちょ」
思わずわたしは毛布を跳ね上げて、マルガリータの顔を見つめた。不満げに目を細めながら、唇を尖らせる。
でも、マルガリータはそんなわたしの様子を気にすることもなく、ベッドに座り直して両腕をわざとらしく開く。
「全ての世界にどれだけの人間がいると思うんですか? 死んで生まれ変わるとき、行き先が選べるはずがないじゃないですか。いちいち、死者の魂の話を聞いて、あなたはこっち、あなたはそっち、なんて振り分ける暇なんてあると思います? そんな、道を示してやるほど神様ってのは暇じゃないですよ」
「いや……それでも、わたしが神でしょ? ほら、わたしの力で……」
「ああ、この世界ではシルフィア様は神様ですけど、他の世界には他の神様がいますし。さらにその上には、もっと偉い神様がいるんですよ」
「マジで?」
「……多分?」
マルガリータがぎこちなく首を傾げた。くそう、いい加減なことを言ってるな、こいつう。
わたしがさらに目を細めると、彼女は「まあいいじゃないですか」と頭を掻いた。
とりあえず、彼女は頼りにならない。わたしの知りたい答えを持っていない。
またため息をつきながらベッドから降りると、そのまま寝室を出てピアノのある場所へと向かう。
わたしが『静香』である時もそうだった。何かつらいことがあったら楽しいことをやって頭の中を停止させる。厭なことを忘れるためだ。
例えば、今日みたいにいつか来るお別れの予感とかを振り払うため。
何か、悔しいと思う。
わたしは音楽教室のスタッフで、いつだって生徒さんの悩みを聞く側だった。練習のことだったり学校のことだったり、些細なことを聞いてあげるだけで相手の表情が少しだけ和らぐ。それが好きだった。
でも考えてみれば、自分の悩みを話すってのはなかなかなかった。
せいぜい、松木先生に「ここが上手く弾けないんですけど」と泣きつくだけ。
誰か、今のわたしの悩みを聞いてよ。色々吐き出したいよ。王様の耳はロバの耳と叫びたいくらい。
そんな理不尽な想いをピアノに叩きつけると、やっぱり精神的に落ち着いていないのか雑な音色になった。これじゃ駄目だ。平常心だ。ピアノは何も悪くないし、それに――憧れのグランドピアノなんだ、大切に扱わなきゃ。
やっとそう思えるようになって、もう一度ピアノの椅子にきちんと座り直す。
足は相変わらずペダルに届かないから、魔法でペダル補助台を作り出した。やればできる子なんだ、わたし。
わたしの小さな手では、指が届かないから弾けない曲もある。でもまあ、そんなの気にしたって仕方ない。
わたしは改めて、ピアノの楽譜立てに置いてあった楽譜を開く。
ちゃんと弾こう。
落ち着いて、まずは適当にブルグミュラーの二十五の練習曲の中から選んで指慣らし。何だか自分でもよく解らないけれど、前世の自分より上手く弾けているような気がしたのはグランドピアノのお蔭だろうか。それとも、神としての力が働いているのか。
元々、グランドピアノってのは演奏するための究極の形なんだと思ってる。
何しろ、鍵盤の戻りが早い。ピアノ線を叩くハンマーは下からやってくる。そして指を離せば重力で落ちる。この反応速度があってこそ、演奏者の力を充分に引き出してくれるわけだ。
アップライトピアノではこうはいかない。
電子ピアノなんてもっての他だ。まあ最近では、電子ピアノでも木製鍵盤を使ったりして本物のタッチに近づけているものもあるけれど、楽器の内部にピアノ線は張られていない。サンプリングされた機械の音が再生されるだけだから、音色は綺麗だけれど呼吸はしていない感じがする。
わたしが勤務先でピアノレッスンを受けるにあたって、自宅で練習できるように電子ピアノを買ったけれど。あの時の『コレジャナイ』感は凄かった。
うん、やっぱり。
ピアノ線があって。そのピアノが置いてある場所だったり、壁だったり、色々なものに音が反響したり共鳴して。
温度や湿度でも音色が変わってしまう生のピアノっていうのは、凄く……素敵だ。アナログだからこそ美しい音色があるってこと。どこまでもこだわれるってこと。
弾きなれた『エリーゼのために』を暗譜で奏でる。
何だろう、泣きたくなってきた。
そこに意味はない。弾くことに集中しているから、わたしの頭の中にはさっきまでの悩みなんてのは消えてしまっている。
満足いく音色で弾けるように……と考えていると、指先が温かくなった。多分、魔力の流れだ。わたしの体内にある魔力が巡回を始めていて、体内を巡ってから指先に向かう。
それから。
それから?
あれ、と思った。
気が付いたら、髪の毛が少し伸びているような気がした。それと、さっきよりオクターブに簡単に指が届く。弾きやすくなったからだろうか、『エリーゼのために』もスムーズに、流れるように音がピアノから飛び出していく。それは今のわたしにはよく覚えのあるもので、魔力のようにこの神殿という名の洞窟を、そしてさらに広い空間まで飛び出して広がった気がした。
「凄い、シルフィア様!」
そんな声で我に返ると、ピアノから少し離れたソファに座っていたマルガリータが、勢いよく手を叩いていた。台所に立って朝食の用意をしていたヴェロニカも、その手をとめて拍手してくれる。
そういや、朝ごはんのことを忘れていたな、と頭のどこかで考えていたら。
「魔力の扱い方が一気に上手くなりましたね! 育ちましたよ、シルフィア様!」
そうマルガリータが言って、改めてわたしは自分の姿を見下ろした。
ネグリジェみたいな白いレースの裾から、前よりも長い足が覗いていた。両手も一回り大きくなって、明らかに小学生以上の少女の身体になっているのを確認する。
「……え?」
「これでフェルディナント様もにっこりです!」
「いや、それはどうでもいいんだけど」
「ええっ!?」
マルガリータがソファから立ち上がって何事か叫んでいたけれど、わたしは両耳を手で塞いで聞かないことにした。
多分、今のわたしの身体は前より女の子らしい姿だろう。小学生レベルだけど。
でも……もしかしたら。
お兄さんにこの姿で会ったら、少しは女の子として意識してもらえるだろうか。そして……扉の先でわたしに会いたいと考えてくれるだろうか。夢の世界じゃなくて、現実の世界で会いたいと思ってくれる?
ほんの少しでもいい、わたしのことを好きになってくれたら。
もしかしたら奇跡とかが起きて、わたしの世界につながる扉が見えるようになったりしてくれないだろうか。
でも。
奇跡なんてものは、滅多に起きないから奇跡なんだ。
やっぱりそこで泣きたくなってくるものだから、これじゃいけないと思って両手で自分の頬を思い切り叩いた。凄く派手な音がしたせいで、マルガリータとヴェロニカが口を大きく開けて慌てたようにこちらに駆け寄るのが見えた。
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