【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版

櫛田こころ

文字の大きさ
上 下
607 / 616
第十八章 バカンスも終わって

607.アルターイオ‐①

しおりを挟む







 ◆◇◆







 色々とんとん拍子に決まると、あれやこれやと時間は過ぎていくもの。

 とうとう、エディオスさんとセリカさんの結婚式が決まったのでありまする!

 お式は神王国を挙げての盛大なものだけど、僕はセヴィルさんの御名手みなてだということで参加は出来たよ? 手順は日本とは全然違うから、色々マナーを覚えるのは大変だったけど。


「カティ! 素晴らしい式だったわね?」


 身重だけど、まだ妊娠初期ということもあり。ヴァスシード御一行も参加している。僕はせっかくということもあってファルミアの隣の席で参列していた。


「うん。日本とは違うけど、すごかったね?」


 実の兄たちの結婚式に参加しなかったわけじゃないけど、規模が違い過ぎた。西洋風ウェディングに近いけど、神王っていう特別な国王様の結婚式だから……まあ、すごいすごい。儀式の司祭さん役は創世神のフィーさんだったし、デモンストレーションのようなイベントも派手だけど綺麗だった。

 僕とセヴィルさんのお式もこういう感じなのかな?ってちょっと考えたけど、まだ先だからね? 次は順番も考えてアナさんとサイノスさんだから。

 アナさんは王位継承権が一応あることになっているし、現在の王女様ということで。


「ふふ。披露宴は特にないから、私たちだけの二次会風披露宴よ!」
「うん! ピッツァの仕込みもたくさんしたからね!」


 ファルミアも手伝ってくれるってことになったから、前世の修行時代を思い出しながらの特別なピッツァを仕込んでいたんだ。

 エディオスさんもだけど、セリカさんも僕らのピッツァが大好きだって言ってくれてるからね? 気合を入れて作りますとも!

 お式が終わって、着替えてから調理の仕込みへと上層の調理場に急ぐ。

 メンバーも、僕とファルミア以外に中層のイシャールさんたちも参加してくださってるよ!

 異世界事情を話しているからこそ、遠慮なく知識を披露できるからです!


「火の魔術を結構使うって言ってたが、どうすんだ?」
「サイズ的に、窯じゃ焼けないからよ」
「そんなばかでけぇのか?」
「横長で四角だからです!」


 イタリアでは多い四角いピッツァなんだけど、今回挑戦するのはそれを集合させた巨大ピッツァだ! 普通なら何回かに分けて焼いたりするんだけど、今は魔法の世界にいるから色々手間が省けるし美味しく出来るとも思って!

 巨大ピッツァ『アルターイオ』に挑戦しようと思っておりまする!

 具材とソースは生地と同時進行で仕込んでいたから、まずはピッツァ回しじゃない方法で生地を四角く長ーく伸ばしていくとこからスタート!!


「カティ? 長さはどこまでにする?」
「食堂のテーブルサイズ?」
「……どんなけ、でかくすんだよ」
「イシャールさんたちも参加確定なので、めちゃくちゃ大きく。多分すぐなくなりますし」
「おうよ!」


 移動はフィーさんが合流してくれるから、収納の魔術で出来立て熱々を維持しつつ、型崩れなしで運べるからね。出来るだけ大きく仕込みますとも!!
しおりを挟む
感想 28

あなたにおすすめの小説

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

異世界でのんびり暮らしてみることにしました

松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

転生したら神だった。どうすんの?

埼玉ポテチ
ファンタジー
転生した先は何と神様、しかも他の神にお前は神じゃ無いと天界から追放されてしまった。僕はこれからどうすれば良いの? 人間界に落とされた神が天界に戻るのかはたまた、地上でスローライフを送るのか?ちょっと変わった異世界ファンタジーです。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅

あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり? 異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました! 完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました

akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」 帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。 謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。 しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。 勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!? 転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。 ※9月16日  タイトル変更致しました。 前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。 仲間を強くして無双していく話です。 『小説家になろう』様でも公開しています。

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します

怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。 本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。 彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。 世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。 喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

処理中です...