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第十八章 バカンスも終わって
592.ウェディングケーキ作り(イシャール視点)
しおりを挟む☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆(イシャール視点)
とんでもねぇバカでかいケーキ。
ウェディングケーキっつーらしいが、どんな仕上がりにするか。
エディにフィーと構想は練ってくれって言われたから、まずは図案としてケーキの形を興すことになったんだが。
図にしただけでも、バカでかいし豪華なもんだと理解出来たぜ。
「こんなデカいのか?」
「兄様に見せてもらった絵を参考にしてるけど、お祝い事だからいいんじゃないかな?」
「だな。分け合う前提なら、作り甲斐がある」
「生クリームたっぷりにして、中は生地以外にプチカとかの果物も入れるのが普通らしいよ? リルシェとかの甘煮とか」
「甘味を強めか……カティアの好きな果物がいいな。ゼルはあいつが好きなもんならいいだろ」
「んー? 特にフェイとプチカが好きだったかな?」
「んじゃ、それたっぷり使おうぜ」
生の果物でもいいが、ジャムにしてソースに使うのもいい。そうすりゃ、生クリームの甘さだけで舌が疲れるのを抑えられるはずだ。
形は、円形を積み上げていくタイプにして、表面には果物とクリームで祝い事らしいデコレーションにしよう。
構想が決まれば、あとは早い。
フィーと共に上層の貯蔵庫に行き、マリウス料理長とも出くわしたんで材料を借り受ける説明をした。
「カティアちゃんと閣下への特別なケーキですか」
「エディたちのは君たちにお願いするけどね? 今回は身内だけでやるから」
「承知致しました。遠慮なくお使いください」
許可も貰えたあとは、材料をフィーの亜空間収納に入れて行き……集まって、中層の管理厨房に行けば参加メンバーが着替えて集まっていた。
「表の方は私にお任せください」
シャルも本当は参加したかったようだが、主軸が二人ともいないと厨房が回らんからな。
あとで見せることは約束して、俺らはウェディングケーキ作りに取り掛かることにした。
焼く以外、混ぜる工程が多いが。泡立て器で混ぜたら時間かかるんで、クリームの方はカティアがよく使う風の魔術を皆に教えれば画期的だと喜んだわ。
「素晴らしいですわ!」
「こんな使い方があるのね!?」
「楽しい~~」
ただし、生地は魔術を使うと焼いたらペシャンコになると思ったんで、そっちは手作業だ。
俺とフィーがメインで作り、焼いた後の魔術調整はセリカとサイノスが。
粗熱が取れたら、エディがひたすらカットした果物と一緒にクリームで飾り付けしていく。
積み上げは慎重に、男メインで取り掛かったが。
出来上がりは、俺一人じゃ到底出来ねぇような、図案以上の仕上がりになったぜ!
「綺麗……」
「美しいですわ~……」
「成功成功! 眺めたら、僕の亜空間収納に入れておくね?」
「頼んだ」
今食べるわけじゃねぇから、こう言う時にフィーがいるのは助かるよなあ?
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