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第十七章 異界のバカンス旅行

509.神らの祖父

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 ◆◇◆










 とは言っても、初対面の相手には変わりないので挨拶することにした。


「……はじめ、まして」


 お辞儀もすると、おじいさんは満足そうに頷いてくれた。


「うむうむ。このような場でも臨機応変に馴染む態度。さすがは、レイの世界の子じゃの」


 誰のことなのか、一瞬わからなかったけど……ふいに、フィーさんが『レイ兄様』ってよく言っていることを思い出した。


「レイ……って、レイアークさんのことですか?」
「そうじゃそうじゃ。フィーと同じく、儂の孫じゃよ」
「……フィーさん達のおじいさん?」
「うむうむ」


 正解だったようだ。なら、ここに連れて来られたのは、このおじいさん神様の仕業?

 わざわざなんでまた? と思っていると、おじいさん神様はこっちにおいでと手招きしてきた。


「?」
「こちらに座りなさい。順に説明してあげようぞ」
「……お邪魔します」


 今頃、セヴィルさん達は大慌てで僕を探しているだろうけど……変に焦ってここでジタバタしても意味がないから、おじいさん神様の言うことを聞くことにした。全然悪意とか感じられないもん。

 体が濡れているので、ちょっと座るのはためらったけど。座ったら、体にまとわりついてた水気が全部なくなった。


「風邪を引いてはいかんからのお?」
「……ありがとうございます」


 神様だから、なんでもありだと受け入れるしかない。お茶も勧められたのでひと口飲むと、あったかいほうじ茶だった。


「いくつか疑問に思っておるが、まずひとつ」
「はい」
「お主の身体への負担が……レイとクロノのサポートのおかげで順調に取り払うことが出来たわい。黑のに順応し、少し成長したじゃろう?」
「今の大きさですよね?」


 ファルミアが記憶を取り戻す前。

 フィーさんが一度倒れた前。

 僕の周りで、いろんな事が起きた。その順番がまわりにまわって……僕の番にきたってことなのだろうか?

 けれど、このおじいさん神様のご登場は一体?


「うむ。それでもいくつか不思議に思うじゃろう。まあ、儂ら神でも万能ではない」


 そして、指ぱっちんすると……レストラーゼさんのように若い姿に大変身した!? 金髪黒眼、クロノさんやフィーさん以上の超絶イケメンさんに!? かっこいい寄りの美形……神様って皆さんこうなの?

 びっくりしてると、おじいさん神様……だったイケメン神様が僕の頭を撫でてくれた。


「あ、う」
「あっちの姿じゃ、ちと神力があふれるのでのお。こっちが楽じゃわい」
「あの……話し方は、そのまま?」
「まあのお?」


 物凄く違和感は感じるけれど、そこをつっこんでも仕方がない。本題がまだ途中のままだから。


「あの。それで本題は?」
「うむうむ。簡単に言えば、お主の身体……そろそろ成人体に成長させられるようになったのじゃ。記憶、魔力の循環が整ったからの?」
「え!」


 僕の体……元の、と言うより前世の二十歳くらいに成長することが出来る!? それはすっごく嬉しいことだ!!
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