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第十六章 異界のバカンスのために
477.駄々っ子大変
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いやあ、大変でした。
「あうあう!! あううう!!」
僕には、赤ちゃん言葉にしか聞こえないディシャスの言葉だけど。
どうやら……この個室厨房で大人しく待っていることが出来ない、とフィーさん翻訳でわかったのです。
「……ここで待っててよ、ディシャス?」
「あーうー!」
「……嫌なの?」
「あう!」
強く言うので、フィーさんがまたぐりぐり攻撃をしようとしたのだけれど。
「ああああああああああああああ!!!!!」
って、部屋中に響き渡るくらいの爆音でギャン泣きしちゃった!!?
すぐに僕が抱っこしたら泣き止んでくれたけど……これはもうどうしようもない。
イシャールさんも、フィーさんもぐったりしてしまい……厨房に戻ったわけなんだけど。
「……あらあら」
ファルミアには、事情を小声で伝えたら苦笑いされちゃったけど。
「……と言うわけで、この子もちょっとだけここで預かることに」
「……そうなの? けど、綺麗な子ね?」
シャルロッタさんには、ディシャスだとは言えないけど……とりあえず、エディオスさんからつけられている『ディー』の方で呼ぶことにした。
「あ?」
「ディー? いい子にしないとご飯食べれないよ?」
「う!」
クラウじゃないけど……まだディシャスにはピッツァも他の料理も食べさせたことがない。
いい子にすると約束してくれたからか、端っこの小さい椅子でちょこんと座っています。料理人さん達が入れ替わりで頭を撫でても嫌がったりしない。……食欲恐るべし。
(さあて)
なんでも食べるだろうが……赤ちゃんちょっと上くらいの体だから、胃袋の許容量が違うだろう。
ファルミアと協力して……クアトロタイプのピッツァに仕上げ。
出来上がってからは……今度は休憩室に、僕とフィーさんとクラウと、ディシャスを連れて移動したのです。
「お待たせ、ディー」
「うぅ!!」
出来上がったピッツァがテーブルに乗っているのを見ると。
いい匂いがするから……お腹がぐーぐーなっていた。
ただし、素手で食べるのは難しいだろうから……僕が切り分けて、お口あーんとさせました。
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