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第十五章 異界の夏に向けて
447.また違った味
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場所は変わりまして、僕の部屋に。
「……ふむふむ。時間操作をするのであれば、そのような」
「そうなんです。一晩置くとしっとりするので」
「ふーむ。奥深い!!」
途中までは、ラディンさんバージョンのレストラーゼさんだったけど……僕の部屋にフィーさんと入ると元に戻ったのだ。
で、フィーさんがちゃっかり持ってきたティラミスケーキをお茶菓子にしながら……僕に、改めて作り方を聞いているわけです。
「ほーんと、美味しー! あのなめらかなティラミスも好きだけど……こう言うのも良いね!」
「ふゅぅ!(美味しー!)」
そして、食いしん坊ズが食べまくるので……僕もレストラーゼさんもすぐに自分のを確保したのだ。せっかくの! コーヒーのお供がないのは僕も辛い!!
「抹茶もいいですけど……季節ごとに変えていくのも面白いんですよね?」
「ほぉ? 季節ごと?」
「たとえば、春季に手に入るイチゴを乾燥させて粉末状にしたものとかを……コパトの代わりにしたり」
「……そのような発想は初めてじゃな?」
「甘酸っぱくて美味しいと思います」
春にイチゴフェアぽいことしたけど……フリーズドライみたいなのは、貯蔵庫にもなかったんだよね? もしくは、そう言う食材がないのかも。
ちょっと残念に思っていると、レストラーゼさんがいきなりテーブルを叩いて立ち上がった。
「カティアちゃんや!」
「は、はい?」
「プチカは今も手に入る! その方法……試してみないか!?」
「い、今からですか??」
「何。上層に行くのには『ラディン』となる! 是非とも……そのプチカを使ったティラミスケーキを食べてみたいのじゃ!!」
レストラーゼさんが闘志を燃やしに燃やしまくっている!?
フィーさんに振り返っても、『無理無理』と肩を落とされてしまった。
「こーんな、レストになっちゃ。僕でも止められないよー」
「……ですよね」
「ふゅ?(お菓子ー?)」
「……うん。また作るよ」
「ふゅぅ!(お菓子!)」
クラウはいつでも腹ペコさんだから、美味しいものには大喜びになっちゃう。
けど……フリーズドライの加工ってどうするつもりなんだろう?
と思っていたら、すぐにラディンさんに変身していたレストラーゼさんが……いつの間にかフィーさんの首根っこ掴んで引きずっていた。
「フィーも手伝うのじゃ!」
「えー? 僕ー?」
「さらに美味いものとなるのじゃぞ!?」
「レスト、口調ー」
とりあえず……上層に結局お邪魔することになっちゃった?
そうこうしているうちに、クラウからも行こうと引っ張られたので僕も二人の後を追いかけた。
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