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第十四章 異界の春へ

432.嫌……(クラウ視点)

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 ☆      ☆      ☆      ☆      ☆      ☆(クラウ視点)









 いいな……いいな。

 カティアの……記憶が戻ったのは良いことだけど。

 僕と……まだちゃんとはお話、出来ない。

 アナとセリカに抱っこされるのも良かったけど。

 カティアにも、もっと抱っこされたい!

 セヴィルもずるい!

 皆、皆カティアを取り合いっこするんだもん!!

 カティアは僕の主なのに!!

 もちろん……御名手みなてのセヴィルはだいぶ特別だけど。

 カティアが……嬉しそうだから、良いかな?

 記憶が戻っても……カティアは笑顔だもん。

 もっともっと、美味しいものをたくさん作るって言ったのも……嬉しい。

 僕も、もっといっぱい食べたい!!

 もっと……大きくなりたい!!

 でも……大きくなり過ぎたら、カティアに抱っこしてもらえないかな?

 他の皆の守護獣のように……あんなにも大きくなっちゃうのかな?

 そうすると……朝晩、カティアと一緒に寝られなくなっちゃう!?

 それはヤダ!!

 イシャールとセヴィルの間にいるカティアに向かって、僕は飛んですぐに頭にしがみついた!!


「ふゅぅう!!(嫌だ!!)」


 カティアとずっとが良いのに、離れ離れは嫌だよぉ!!

 ぎゅーぎゅーにしがみつくと、カティアに抱っこされて……僕の顔を見てくれた。


「……クラウ?」
「ふゅ(……カティア)」
「今……なんかしゃべった?」
「ふゅ?(え?)」


 カティアに……僕の声が聞こえた?

 もう一度言うと、カティアは綺麗な虹の瞳を丸くしたんだ!!


「え? え? 可愛い、声だね?」
「ふゅぅ!(本当!?)」
「うん、本当」


 僕がまたぎゅーっと抱きつきに行くと……後ろから誰かにぽんぽんされた。


「やーっと、絆が完了したってとこかな?」


 創世神様だった。

 振り返れば、少し困ったような笑顔になっていたけど。


「ふゅぅ!!(カティアとお話出来た!!)」
「うんうん、そうだね」
「……フィーさんには、前から聞こえていたんですか?」
「そりゃ、僕は神だし」


 やっと……お話出来た!!

 すっごく嬉しい!!
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