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第十一章 異界の年の瀬
353.親が先に知る
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なんで、フォックスさんがここに??
普段は……たしか、セリカさんを護衛されていたはず??
それに、僕の護衛は……一応娘さんのシェイルさんことシェイリティーヌさんが務めているんじゃ??
僕の頭の中で、はてなマークが飛び交っている間に……フィーさんは『ふふん』と笑いながら、フォックスさんにハリセンで軽く叩いていらっしゃった。
「……聞いてた?」
「…………はい。とりあえず、は」
「……僕が言おうとしてた子は?」
「……ここに呼ばれたことで、なんとなく」
とんとん拍子で話が進んでいくけど……僕にはまださっぱりだった。
「相手……誰だと思う?」
「……そこは……まだ」
「んふふ~!! カティアは誰だと思う?」
いきなり僕に話題を振られても、僕は全然誰のことだかわからないので首を強く横に振る。
「そもそも、どなたのことを言っているんですか?」
「鈍いなあ? フォックス呼んだ時点で、片方は気づかない??」
「…………え、シェイル……さん?」
「そうそう」
なるほど、それは納得が出来た。
しかし……お父さんの前で、娘さんのプライバシーに関係することを言っていいのだろうか?
今更感はめちゃくちゃあるけども。
「……お相手?」
それもだが、フィーさんの謎かけのような質問の意味が全然わからない。
シェイルさんは、ちょっとドジなところはあるけど……基本的にいい人だ。関西弁丸出しな時はお茶目さんな部分もあるし……可愛い人だとも思う。
ただ……御名手のお相手については全然思い当たらない。
「あのぉ……フィルザス様?」
フォックスさんは思い当たるようで、フィーさんに声をかけていた。
「んー?」
「もしかして……ベルナーレ閣下?」
「ぴんぽーん!!」
「……ベルナーレ??」
「カティア忘れちゃった? ここの収穫祭で君を見つけてくれた、ジェイルだよ?」
「ジェイルさん!?」
あんまりにも会わないから、苗字をすっかり忘れていた……。
けど……シェイルさんのお相手が、ジェイルさん??
凄い組み合わせだ……主に、性格についてだけど。
「いやぁ……まさか、うちの子が副将軍閣下と? いっつもあいつ閣下にど叱られてんのに」
「普段の態度と御名手は関係ないでしょ?」
「……そうですねぇ。持ち場急に変えさせて良かったですわ」
「シェイル本人には、まだ自覚あるようでないもんね?」
「え……。じゃあ、ジェイルさんの方は?」
「不器用なりに、頑張っているらしいよ?」
ほとんど会っていないのは、フィーさんも同じのはずなのに……。そこは、神様のお仕事らしくきちんとされているのだろう。
とりあえず……イシャールさん達が無事にお付き合いを始められるようで、僕は少しホッと出来た。
普段は……たしか、セリカさんを護衛されていたはず??
それに、僕の護衛は……一応娘さんのシェイルさんことシェイリティーヌさんが務めているんじゃ??
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「んふふ~!! カティアは誰だと思う?」
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「ぴんぽーん!!」
「……ベルナーレ??」
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「ジェイルさん!?」
あんまりにも会わないから、苗字をすっかり忘れていた……。
けど……シェイルさんのお相手が、ジェイルさん??
凄い組み合わせだ……主に、性格についてだけど。
「いやぁ……まさか、うちの子が副将軍閣下と? いっつもあいつ閣下にど叱られてんのに」
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「え……。じゃあ、ジェイルさんの方は?」
「不器用なりに、頑張っているらしいよ?」
ほとんど会っていないのは、フィーさんも同じのはずなのに……。そこは、神様のお仕事らしくきちんとされているのだろう。
とりあえず……イシャールさん達が無事にお付き合いを始められるようで、僕は少しホッと出来た。
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