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番外編②
第91話 渡航者の事実を受け入れ
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ただ、緊急ということもあり……妃殿下はお呼びしませんでしたが、リュシアーノ様とイツキは城に緊急招集されました。
「……事情が事情だが、俺も知ったぞ。二人とも」
おふたり以外にも、陛下に打ち明けた時の面々は揃っています。ゲイリッシュ殿は同席していませんが、どこかで聞いていらっしゃるでしょう。リュシアーノ様のことはお伝えしていないので、驚かれるでしょうが。
「……私もだけど、イツキが異世界から来た人間だってことを?」
「……そうだ。まだ信じられない部分はあるが、二人ともそれは真実か?」
「ええ」
「……今まで秘密にしていました」
リュシアーノ様はあっさりと、イツキは申し訳なさそうに言うのはいつも通り。
その様子に、陛下は大きくため息を吐かれました。
「……本当かよぉおお!?」
そして、驚き方が国王ではなく……素の義兄上となり。
ワルシュ殿が大笑いするくらい、反応が面白すぎました!! 椅子から転げ落ち、ゴロゴロと服が汚れるのも気にせずにのたうち回りました!
イツキやレクサスたちはぽかーんとされていましたが、リュシアーノ様は呆れられたようにため息を吐かれました。
「どこの三流リアクション芸人? お父様、そんな一面あったの?」
「……リュシアーノ様。そこまで言わなくても」
「だって、イツキ? テレビ越しのリアクションが下手なボケ芸人みたいじゃない。ワルシュとかに受けてはいるけど」
「ま、まあ……」
言葉の並べ方などは初めて聞くものが多いですが……おふたりがきちんとやり取り出来ているあたり、普通の会話なのでしょう……異世界では。
なので、義兄上もばっと顔を上げられました。
「な、なんだ?? なんだその言葉は?? 異世界の技術なのか??」
「ええ、そうよ。娯楽の一種。魔導具だったり、人間が芸を駆使して観客とかを喜ばせる方法」
「……間違ってはいませんが」
「ほぉ? マジで、イツキと同等の知識と言い回し。嬢ちゃん、ほんとに転生者か?」
「ええ、そうよ。記憶は生まれた時からあったわけじゃないから、まだ荒いけれど。前世は日本人、『蒼葉若菜』。イツキは、たしか」
「三ツ矢斎姫です」
「そう、それ!」
イツキの、以前の名を聞くのは久しぶりですが。
リュシアーノ様の方も久方ぶりに聞きましたね。鈴の音のように愛らしい響きです。
義兄上は目が飛び出さんばかりに驚いていらっしゃいますが。
「……聞いたことのない、家名の使い方だ。それが……異世界だと普通なのか?」
「いいえ、陛下。私たちの出身国を含めると数カ国程度。他は、むしろこちらと同じです」
「字の書き方も全然違うもの」
「こちらでは存在していないはずですから」
と言う事実を知ると、義兄上は大きく息を吐かれました。
「……わかった。単純に職業が増えただけで狙われるよりも厄介だ。だが、下手に護衛を増やし過ぎてもいかんな。イツキにはゲイリッシュでいいが……」
ここで、義兄上は僕ではなくレクサスに目線を送りました?
「へ?」
「元冒険者で、リュシアーノの側仕えの夫。さらには、近衛騎士。スイードが懐妊しているなら、レクサスの方が適任だろう」
「へ、陛下!?」
「まあ、レクサスだったら私も安心出来るわ。万が一、サフィアに何かあった時に駆けつけてもらえれば嬉しいし」
「……リュシアーノ。お前のためだが?」
「それももちろんだけど、サフィアの夫なんだから? お父様、被害云々もだけどそこも重要よ?」
「殿下ぁ!」
幼い身体なのに、立派な淑女の思考の持ち主。
ワカナを取り込んでいらしても、今のリュシアーノ様は素晴らしい御方です!!
「……事情が事情だが、俺も知ったぞ。二人とも」
おふたり以外にも、陛下に打ち明けた時の面々は揃っています。ゲイリッシュ殿は同席していませんが、どこかで聞いていらっしゃるでしょう。リュシアーノ様のことはお伝えしていないので、驚かれるでしょうが。
「……私もだけど、イツキが異世界から来た人間だってことを?」
「……そうだ。まだ信じられない部分はあるが、二人ともそれは真実か?」
「ええ」
「……今まで秘密にしていました」
リュシアーノ様はあっさりと、イツキは申し訳なさそうに言うのはいつも通り。
その様子に、陛下は大きくため息を吐かれました。
「……本当かよぉおお!?」
そして、驚き方が国王ではなく……素の義兄上となり。
ワルシュ殿が大笑いするくらい、反応が面白すぎました!! 椅子から転げ落ち、ゴロゴロと服が汚れるのも気にせずにのたうち回りました!
イツキやレクサスたちはぽかーんとされていましたが、リュシアーノ様は呆れられたようにため息を吐かれました。
「どこの三流リアクション芸人? お父様、そんな一面あったの?」
「……リュシアーノ様。そこまで言わなくても」
「だって、イツキ? テレビ越しのリアクションが下手なボケ芸人みたいじゃない。ワルシュとかに受けてはいるけど」
「ま、まあ……」
言葉の並べ方などは初めて聞くものが多いですが……おふたりがきちんとやり取り出来ているあたり、普通の会話なのでしょう……異世界では。
なので、義兄上もばっと顔を上げられました。
「な、なんだ?? なんだその言葉は?? 異世界の技術なのか??」
「ええ、そうよ。娯楽の一種。魔導具だったり、人間が芸を駆使して観客とかを喜ばせる方法」
「……間違ってはいませんが」
「ほぉ? マジで、イツキと同等の知識と言い回し。嬢ちゃん、ほんとに転生者か?」
「ええ、そうよ。記憶は生まれた時からあったわけじゃないから、まだ荒いけれど。前世は日本人、『蒼葉若菜』。イツキは、たしか」
「三ツ矢斎姫です」
「そう、それ!」
イツキの、以前の名を聞くのは久しぶりですが。
リュシアーノ様の方も久方ぶりに聞きましたね。鈴の音のように愛らしい響きです。
義兄上は目が飛び出さんばかりに驚いていらっしゃいますが。
「……聞いたことのない、家名の使い方だ。それが……異世界だと普通なのか?」
「いいえ、陛下。私たちの出身国を含めると数カ国程度。他は、むしろこちらと同じです」
「字の書き方も全然違うもの」
「こちらでは存在していないはずですから」
と言う事実を知ると、義兄上は大きく息を吐かれました。
「……わかった。単純に職業が増えただけで狙われるよりも厄介だ。だが、下手に護衛を増やし過ぎてもいかんな。イツキにはゲイリッシュでいいが……」
ここで、義兄上は僕ではなくレクサスに目線を送りました?
「へ?」
「元冒険者で、リュシアーノの側仕えの夫。さらには、近衛騎士。スイードが懐妊しているなら、レクサスの方が適任だろう」
「へ、陛下!?」
「まあ、レクサスだったら私も安心出来るわ。万が一、サフィアに何かあった時に駆けつけてもらえれば嬉しいし」
「……リュシアーノ。お前のためだが?」
「それももちろんだけど、サフィアの夫なんだから? お父様、被害云々もだけどそこも重要よ?」
「殿下ぁ!」
幼い身体なのに、立派な淑女の思考の持ち主。
ワカナを取り込んでいらしても、今のリュシアーノ様は素晴らしい御方です!!
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