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番外編②

第86話 アドバイスは素人知識でも

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 そこから、スイードへの食事について色々アドバイスをもらったが。どれもこれもが高度な教育過ぎる。

 嬢ちゃんは全然普通と言うが、どこがだと最後に突っ込みを入れさせてもらった!! これをワルシュが、養女にまでしたい理由がわかったくらいだ。

 手元に置いておかないと、何かあったら遅い。その時点で、護衛なりなんなりつければ良かっただろうが……ここまで行き着くとはあいつも予想してなかったはずだ。

 だからこその、『今』だ。


「……と言う感じですね」

「それが『普通』か?」

「そこそこ指導を受ければ、身につけられることです」

「そんな人間がわんさかいるのか?」

「特に私がいた国は、ですが」


 専門の知識を身につけるいる人間が凄いのは、俺だってわかるが。

 それをひけらかさずに、相手に惜しみなく伝えられるのは逸材だ。この世界じゃ、金を必要とする場合がある。しかもそこそこの。

 それを、イツキの嬢ちゃんはタダで教えてくれた。無償って言うのも限度がある知識だ。払うと言ったら、護衛してもらってるからと拒否されたが。


「……嬢ちゃん、産婆もだが医師くすしの仕事とか出来そうだな?」

「にわかですね。専門の知識は、ほとんどないです」

「嘘だろ?」

「ほんとですよ?」


 これだけ、俺に伝えてくれた内容があんのに……アレルギーも含めて専門知識じゃない!? バクスの爺さんが頼るくらいなのに、嬢ちゃんのは全然ダメだと言うのか!!?


「……こっちの知識を取り入れたとしてもか?」

「分析方法が違うので、ダメですね」

「……マジかよ」


 異世界への興味が出てくるが、この嬢ちゃんより上の存在がどんなもんか。もし、そんな奴らがこの世界に来たとしたら……常識が今まで以上に変わるだろう。

 この嬢ちゃんのように、出来た人間という保証はないがな。


「異世界の人間が飛び抜けて、知識が凄いというのは……時代次第ですね。たとえば、私のいた時代より数百年昔だったら、こちらでは通用しなかったでしょう」

「……そうなのか?」

「魔法もですが、それ以上の技術も二百年くらいで発展していったので。その基盤があったから、医術なども数十年で対処方は変わってきました」

「……凄まじいじゃねぇか」


 アレルギーの知識が多少ある嬢ちゃんのおかげで、ここ数年でイージアスを含む世界が変化したってのに。

 魔法の存在しない世界で……自力で出来ただと?

 規格外過ぎるじゃねぇか!


「アレルギー以外の、不治の病などの対策も思ったより知識はありませんから。私はよくて、栄養関連のを学園のような学舎で勉強していただけです」

「ほう?」

「料理人じゃなかったんですが、必要な知識だったので。おかげで、仕事には役立ちました」

「は? 料理人じゃない?」

「えっと、商人のようなことしてたんです」

「嬢ちゃんが?」

「こちらの商人さんの、仕事内容とは全然違うんですけど」


 だから、口回しとかが上手いのか?

 そこは納得出来たが、本職じゃねぇのに……ワルシュより技術が上だと? 学舎と家庭の技術程度で、異世界じゃそれをあっさり可能にしてたのかよ!?
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