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番外編②
第42話 いつから?
しおりを挟む「タルトの種類はたくさんありますからね」
「そうね? この世界のケーキって、イツキがウェディングケーキを伝えなきゃバタークリームケーキかカップケーキみたいのだもの」
「そうなんですよね」
私がショートケーキやガトーショコラを伝えなければ、こちらの世界のケーキはアメリカで多いケーキが主流。日持ちが多少するのとこってりで甘くて美味しいが、たくさんは食べられない。
ホットケーキですら、この世界には存在していなかった。あれは今お義母さんの得意料理になっているそうなので、お気に入りになってよかった。
さておき、今はタルトの種類だ。私は転移者、リュシアーノ様は転生者だから日本のスイーツは当然知っている。
知っているが、リュシアーノ様の前世は普通のOLさんだったのと自炊は普通レベルだからと、私よりは料理が出来ない。
しかし、私が教えるたびに料理の腕前は上がっているから、今回も大丈夫だと思う。
せっかくの金色のフルーツを使うなら、豪華なタルトになること間違いなし!
金色のいちごの断面も金色だから、金箔ケーキに見えてしまうかもだけど。
「イツキはいつから料理してるの?」
構想を練ろうとしていると、リュシアーノ様が不思議そうに聞いてきました。純粋な疑問のようだ。
「んー? 子どもの頃からですが、いつだったかあんまり覚えてないんですよね」
おばあちゃんとかお母さんと。
いっしょに作るようになったのは、本当にいつだったか覚えていない。保育園に上がった時にはもうクッキーから作り始めていたし、包丁を扱うようになったら自分でお弁当も作るようになっていた。
高校生以上になったら、凝った料理も普通に作っていたし……バレンタインには、誰かに告白することはなく友チョコとかで女友達が取り合いになった思い出はあるが。
そのことをリュシアーノ様に伝えると、なぜか納得された。
「イツキが作るお菓子の取り合いはあっておかしくないわ。男だけでなく、女もファンが居て当然ね」
「そうでしょうか?」
「そうよ。今ほとんど独占しているのはアーネストだけど」
「ふふ。アルベルトもですけど」
「そうね。今日また抱っこさせてもらえる?」
「ええ、もちろん」
さてさて、タルトの種類は無難にカスタードを使ったものにすることになり。
カスタード作りは、リュシアーノ様が。私は土台のタルト生地を作ることに決まって。
さあ、始めようとなったら先にアルベルトがおしめを変えて欲しいと泣き叫んだので、リュシアーノ様と対応することで少し遅れた。
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