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番外編②

第27話『蛇肉料理を』②

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 からあげの方は、ショーユ以外に酒や生姜とにんにくで下味のソースを作り。それを食べやすい大きさにカットした肉にまぶすように漬け込み。

 揚げる時にはかたくり粉をまとわせたら、カラッと揚げていく。油の香りの中に、わずかにソースの香ばしい匂いが加わって、なんとも言えない幸福感に包まれる。

 イツキ得意の揚げ物は、俺もだがイージアスじゃ今では定番だからな? 城でも城下町でもレシピが広まって作るのは料理人から庶民まで様々。流石に貴族はどうだか知らんが、リュカルドも揚げ物は好きだから広めたりしていそうだ。


「さあ、ワルシュさん? 揚げたてを是非」

「おう」


 城を出たから、俺の呼び方も出会った当初のと戻してはいるが……俺は本当の父親じゃないからな。それでも、父親のように接してくれてるから悪い気はしない。俺とサーシャの子どもが出来たとしたら、義理でも兄弟になるからな? こいつは喜んでくれるだろうか。

 とりあえず、出来立て熱々を火傷に注意しながら一口かじれば……食ったことのあるバイパーの肉なのに、味付けが加わったことでいつもと違う味わいとなっていた!


「いかがでしょう?」

「……うめぇ!」


 鳥肉のような食感はいつも通りだが、パンチのあるソースの味わいに表面のサクサクしたコロモがめちゃくちゃ合う!! 普通の鳥肉でも美味いからあげだが、毛色の違うバイパーの肉が化けたくらいに美味い! 最初は弾力の強さに苦戦するが、慣れたら病みつきだ。噛むのが楽しくなっていくらでも食えてしまう。


「うんうん。ジビエ肉のからあげも美味しいですね」


 イツキも気に入ったのか、もきゅもきゅ言いながらひとつを頬張っていた。


「からあげに使える肉の幅が出来たな? 他にも出来るのか?」

「そうですね。魚もですが、爬虫類系だとカエルとかトカゲも」

「……食えんのか?」

「向こうですと、海外の国によっては食べます」

「ほお」


 こっちじゃ魔物の肉を食うように、異世界じゃ獣でも色んなのを食う。

 そこからイツキの話を聞くと、『チューゴク』では地域によっては犬や猫も食うんだと!? さすがにそれは拒否したい!!


「じゃ、次は鍋の方ですね」


 鍋の蓋を開ければ、ただ煮込んでいただけなのに水の色が少しグレーが混じっていたが、白く濁っていた。


「これがスープになんのか?」

「味付けはほとんど塩でいいんですけど、旨味が染み出してくるのでいい出汁になるはずです」

「塩だけか?」

「〆にラーメンを使うと最高に美味しいんです。白湯パイタンと言うスープなんですよ」

「想像しにくいな」

「もっと白く濁ってから骨と分けて味付けします。その間に野菜を刻みましょう」

「おう」


 根菜以外はざく切りでいいから、二人だとすぐに終わっちまったがな。
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