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番外編②

第20話『弟へおやつの野菜パンケーキ』③

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「ね、ね、ね!」


 別の日に、お城で野菜パンケーキをジェラルドに振る舞ってあげることになったんだけど。

 出来上がったパンケーキもだが、私に会えることが嬉しいのかすぐに抱っこを要求してきた。お父様もだけど、お母様からもお願いと言われたから、仕方がなく抱っこしてあげたわ。


「はいはい、ジェラルド? お姉様は逃げないわよ?」

「ん、ま! ねー!」

「うんうん。今日はおやつ作ってあげたからね? 一緒に食べましょう?」

「ね、ね!」


 ほっぺきゅーはしてあげれば、さらに喜ぶんだから弟もだけど赤ちゃんって可愛いわ! イツキのとこのアルベルトもだけど、弟はまた違った可愛さだわ!!


「まあ。色鮮やかなケーキ? かしら?」

「何を使ったのだ?」


 パンケーキをサフィアに持ってきてもらえば、お父様たちは目を輝かせてくれて、どんなおやつなのか興味を持ってくれた。

 だから、私はきちんと説明することにしたわ。


「イツキに教えてもらったの。お野菜とハチミツを使ったパンケーキ! ジェラルドもハチミツ解禁だからほんのちょっとだけ使ったものにしたのよ。それだけじゃ、お父様たちには甘味が足りないから、ポットのジャムやメープルシロップをどうぞ?」

「まあ。イツキが?」

「彼女は本当になんでも知っているな」


 私の前世も含めて、異世界から来た人間なのはトップシークレットだからお父様たちでも言えないけどね? でも、あまりにも知識が豊富だからいずれは東方大陸出身だけの偽事情を使っても隠せきれないはずだわ。

 と言っても、共有者は私だけじゃなくてアーネストやネルたちもいるから大丈夫よ。イツキに負担を与えることはさせないんだから!


「さ、召し上がれ?」

「ああ、そうだな」

「ジェラルドには刻んであるのね?」

「手に持って食べるのも醍醐味だって、イツキが言ってたわ」

「なるほど」


 だから、私がにんじんのをひとつ摘んで『あーん』としてあげたら。ジェラルドも大きく口を開けてくれて、入れたらすぐにもぐもぐしてくれた。


「どーう?」


 私もイツキときちんと味見したし、大丈夫だとは思うけど……ちょっと心配になって見守っていたら、ジェラルドがすぐにほっぺをピンク色にさせながら両手をぶんぶんと振り出した。


「ね、ね! ぱ、ぱ!」

「……もっとほしい?」

「んま!」

「欲しいそうね? 少しずつ食べさせて?」

「ええ!」


 作った料理をここまで喜んでもらえるのは嬉しいわ!

 お父様たちも美味しいって言ってもらえたし……ジェラルドのお皿にあるケーキを全部食べさせてから、冷めたケーキを私も食べたけど。いつもより、とっても美味しく感じたの!!
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