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番外編②
第12話『お弁当で和気藹々』
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ただ、遠征中に食事の時間を確保していませんでしたので……途中で休憩することにしました。人数が人数だったため、冒険者たちは携帯食料や先程討伐したオーク肉を大胆に焼いたりして食べるようです。
僕ら近衛騎士団の方も、僕、アーネストにレクサスはイツキのお弁当がある以外は現地調達と言うことで、部下らには野営訓練と同じようにしてもらいます。
なので、僕はイツキからのお弁当をいただきますよ!!
アーネストとレクサスも集まり、アーネストの亜空間収納に入れてあったお弁当の包みを開けてみますと……。
「マジで!?」
「これは……!」
「色々入れたとは聞いていたが……すごいな」
箱の中身は、盛りだくさんの料理が!
イツキが以前振る舞ってくれたものから、そうでないものまで……ぎっしり詰まっていたのです。オニギリ、からあげ、野菜と炒めたものに他の揚げ物まで……お腹がかなり空いていたのでありがたいですね。お茶も紅茶ではなく、東方大陸から輸入してきたものをアーネストが水筒に入れてあるのを渡してくれました。
「ほな!」
「いただこう」
「ええ。待ち切れません」
添えてあったフォークを持ち、早いこといただきましょうと僕らは食べ始めようとしたのですが。
レクサスの方に、ひょいっと褐色の腕が伸びてきて……からあげをつまんでいきました。レクサスが『おい!?』と声を上げたので上を見れば……そこにはからあげを頬張ったロットがいたのです。
「うっま!? なんだこれ!!」
「ロット!? 勝手に食うなや!!」
「いいだろ? すぐに食おうとしてるのが見えて気になったんだしよ」
「意味わからん!!」
「しっかし……初めて食うのに、口に合うな? 城の弁当か? 他の騎士さんらにはねーのに」
「自分のマブダチの手作りや!! イツキはんのうんまい飯やから当然や!!」
「……マジでどんな女だよ。こんな美味い飯、貴族階級でもピンだろ?」
「ワルシュ先輩の養女だった人や。当然やで!!」
「せ、先輩の!?」
さすがのロットでもワルシュ殿の世話になったのか……過去の色々で顔が青ざめていきます。余程、冒険者としてのノウハウを仕込まれたのでしょうね……。
「そうだ。俺の妻はただの料理人だけじゃない。アレルギーのこともだが、王族一同にも認められた女性だ」
「…………マジで先輩の? いつ養女にしたんだ??」
「僕とワルシュ殿が、導いたんですよ。身寄りがないので、ワルシュ殿ご自身が養子縁組を持ちかけたのです」
「……わざわざ先輩が言い出すって、よっぽどだな。料理人になると言い出した時は、俺ぁ猛反対したが……娘を持つくらい充実してんだ」
「せや」
「とか言うレクサスだって、追いかけた割に反対してたじゃねぇか」
「今は今や。自分もカミさんおるし、イツキはんが仲介してくれたんよ」
「……さっさと言え!? 祝いとかさせろや!!」
元同僚同士言い合うのはいいですが。ゆっくり食べたいですのに……まあ、仕方ないでしょう。僕には被害が直接ないので、食べようとしていたオニギリを口に運びました。緑の葉野菜のみじん切りのようなものは、塩漬けされたのを乾燥したのか、程よい塩気と食感が疲れによく沁みます。
次にレクサスがとられたからあげを頬張りましたが、肉汁たっぷりですが食堂で食べるのとは違い……冷めてもかみごたえが優しく、濃い肉の味わいがしましたね。
「隊長、その肉は鹿肉だとイツキが言っていました」
「これが鹿肉? 随分と食べやすいですね?」
「別の揚げ物も、多分同じ肉です。俺は数日前にカレーと一緒に食べた『メンチカツ』だと思うのですが」
「……鹿肉を調達でも?」
「レクサスと一緒に狩ったんです。かなりの量だったんで、イツキが言うには『お裾分け』のようですが」
「……ありがたいことです」
友人は、結婚しても相変わらずの気遣いの良さをお持ちです。他の料理もとても美味しくいただき、心の中で感謝の言葉を告げました。
城に帰還して、報告等が落ち着いたらイツキに会いにい行くついでにキングとクイーンの肉を届けましょう。アーネストにも喜んでいただけましたしね。
僕ら近衛騎士団の方も、僕、アーネストにレクサスはイツキのお弁当がある以外は現地調達と言うことで、部下らには野営訓練と同じようにしてもらいます。
なので、僕はイツキからのお弁当をいただきますよ!!
アーネストとレクサスも集まり、アーネストの亜空間収納に入れてあったお弁当の包みを開けてみますと……。
「マジで!?」
「これは……!」
「色々入れたとは聞いていたが……すごいな」
箱の中身は、盛りだくさんの料理が!
イツキが以前振る舞ってくれたものから、そうでないものまで……ぎっしり詰まっていたのです。オニギリ、からあげ、野菜と炒めたものに他の揚げ物まで……お腹がかなり空いていたのでありがたいですね。お茶も紅茶ではなく、東方大陸から輸入してきたものをアーネストが水筒に入れてあるのを渡してくれました。
「ほな!」
「いただこう」
「ええ。待ち切れません」
添えてあったフォークを持ち、早いこといただきましょうと僕らは食べ始めようとしたのですが。
レクサスの方に、ひょいっと褐色の腕が伸びてきて……からあげをつまんでいきました。レクサスが『おい!?』と声を上げたので上を見れば……そこにはからあげを頬張ったロットがいたのです。
「うっま!? なんだこれ!!」
「ロット!? 勝手に食うなや!!」
「いいだろ? すぐに食おうとしてるのが見えて気になったんだしよ」
「意味わからん!!」
「しっかし……初めて食うのに、口に合うな? 城の弁当か? 他の騎士さんらにはねーのに」
「自分のマブダチの手作りや!! イツキはんのうんまい飯やから当然や!!」
「……マジでどんな女だよ。こんな美味い飯、貴族階級でもピンだろ?」
「ワルシュ先輩の養女だった人や。当然やで!!」
「せ、先輩の!?」
さすがのロットでもワルシュ殿の世話になったのか……過去の色々で顔が青ざめていきます。余程、冒険者としてのノウハウを仕込まれたのでしょうね……。
「そうだ。俺の妻はただの料理人だけじゃない。アレルギーのこともだが、王族一同にも認められた女性だ」
「…………マジで先輩の? いつ養女にしたんだ??」
「僕とワルシュ殿が、導いたんですよ。身寄りがないので、ワルシュ殿ご自身が養子縁組を持ちかけたのです」
「……わざわざ先輩が言い出すって、よっぽどだな。料理人になると言い出した時は、俺ぁ猛反対したが……娘を持つくらい充実してんだ」
「せや」
「とか言うレクサスだって、追いかけた割に反対してたじゃねぇか」
「今は今や。自分もカミさんおるし、イツキはんが仲介してくれたんよ」
「……さっさと言え!? 祝いとかさせろや!!」
元同僚同士言い合うのはいいですが。ゆっくり食べたいですのに……まあ、仕方ないでしょう。僕には被害が直接ないので、食べようとしていたオニギリを口に運びました。緑の葉野菜のみじん切りのようなものは、塩漬けされたのを乾燥したのか、程よい塩気と食感が疲れによく沁みます。
次にレクサスがとられたからあげを頬張りましたが、肉汁たっぷりですが食堂で食べるのとは違い……冷めてもかみごたえが優しく、濃い肉の味わいがしましたね。
「隊長、その肉は鹿肉だとイツキが言っていました」
「これが鹿肉? 随分と食べやすいですね?」
「別の揚げ物も、多分同じ肉です。俺は数日前にカレーと一緒に食べた『メンチカツ』だと思うのですが」
「……鹿肉を調達でも?」
「レクサスと一緒に狩ったんです。かなりの量だったんで、イツキが言うには『お裾分け』のようですが」
「……ありがたいことです」
友人は、結婚しても相変わらずの気遣いの良さをお持ちです。他の料理もとても美味しくいただき、心の中で感謝の言葉を告げました。
城に帰還して、報告等が落ち着いたらイツキに会いにい行くついでにキングとクイーンの肉を届けましょう。アーネストにも喜んでいただけましたしね。
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