692 / 782
番外編②
第6話『鹿肉で色々ジャンクメニュー(カレー編)』
しおりを挟む
調理再開してからは、手早く作っていくのみ。
カレーは火を強くし過ぎてはいけないので、焦げ付かないように炒めていかねばいけない。鍋で粗みじんに切った玉ねぎをしんなりするくらいに炒めたら、ニンニクを入れる。そこから色がつくまで炒めていく。
よく言う飴色にまでしなくていいので、ある程度色づいたらスパイスと水を少し入れる。さらにざく切りしたトマトと塩を加えて炒めていく。
「うん。いい感じに煮崩れてきたから……さっきの半分の水を加えて、強火で十五分かな?」
そちらを煮込んでいる間に、下処理した鹿肉を別のフライパンで弱火でじっくり表面を焼いて。
出来たら、鍋にお肉と……最近手に入るようになったココナッツミルクを入れて。煮込んで味を整えたら完成……ではない。
「ふふふ。刺激がまだ欲しいので、ここにマスタードシードを炒めたものを加えて」
鍋にとぽんと入れたら、今度こそ完成。味見をするのに小皿に入れて……ひと口舐めると、ルゥで作ったカレーとは違うが、まろやかで食べやすい中辛カレーの出来上がりだ!
「さて。カレーはこれでいいとして」
鹿肉はまだまだある。今日は作りに作っていく予定なのだ。カレーだけでもご飯にはなるが、ここは贅沢にメンチカツとハンバーグも作っていこう!!
どっちも絶対美味しく作って、美味しく食べさせてもらおう。命を奪ったのだから、その命を大事に受け入れるためにも……お肉を無駄にはしちゃいけない。感謝を込めて、大事に食べさせていただくのだ。
だから、少しでも無駄にしないために……料理をしていくのみ!
「あ、コロッケもいいかも」
パン粉の在庫はあるから、メンチカツと一緒に作っていこう。玉ねぎはさっきよりもっと細かく刻んで……時短も兼ねて、一気に炒めてから魔法で冷ましていく。こう言う時に魔法が使えるのは本当に便利だ。
じゃがいもも似たように活用出来るし、電子レンジいらずなのはありがたい。
鹿肉はタルタルステーキの時よりさらに細かく叩いて……コロッケ用には炒めて、メンチカツには冷ました玉ねぎを香辛料などと混ぜ合わせて成形。
コロッケはタネになる具材とマッシュしたじゃがいもを合わせたら、さらに冷ますために冷却の魔法をかけていく。
「……料理はじめた頃は、こう言う工程省いて大失敗してたからなあ」
今でこそ、まかない料理番を任されるくらい……異世界で料理上手だった経歴があっても、私だってただの人間だ。失敗だって当然ある。
子どもの頃、手間をかけずにすぐ出来ると思い込んで……火も強火だけとか、粗熱をとらないとかで美味しくない料理ばかり作り出していた。
そこを母が見兼ねて、きちんと料理の手順を教えてくれたのだ。おかげで失敗は少しずつ減って、今の私があると言っていい。
母は父と事故で亡くなったので、アルベルトを会わせてあげられないが……異世界でも天国から見守ることは可能だろうか? 私をトリップさせた神様か誰かに聞こうにも、一度も会ったことがないのでわからないし。
(……孫は、ちゃんといるよ。お母さんたち)
今は愛する人たちと、毎日充実した生活を送れているから……世界は違うけど、見守っててね。
カレーは火を強くし過ぎてはいけないので、焦げ付かないように炒めていかねばいけない。鍋で粗みじんに切った玉ねぎをしんなりするくらいに炒めたら、ニンニクを入れる。そこから色がつくまで炒めていく。
よく言う飴色にまでしなくていいので、ある程度色づいたらスパイスと水を少し入れる。さらにざく切りしたトマトと塩を加えて炒めていく。
「うん。いい感じに煮崩れてきたから……さっきの半分の水を加えて、強火で十五分かな?」
そちらを煮込んでいる間に、下処理した鹿肉を別のフライパンで弱火でじっくり表面を焼いて。
出来たら、鍋にお肉と……最近手に入るようになったココナッツミルクを入れて。煮込んで味を整えたら完成……ではない。
「ふふふ。刺激がまだ欲しいので、ここにマスタードシードを炒めたものを加えて」
鍋にとぽんと入れたら、今度こそ完成。味見をするのに小皿に入れて……ひと口舐めると、ルゥで作ったカレーとは違うが、まろやかで食べやすい中辛カレーの出来上がりだ!
「さて。カレーはこれでいいとして」
鹿肉はまだまだある。今日は作りに作っていく予定なのだ。カレーだけでもご飯にはなるが、ここは贅沢にメンチカツとハンバーグも作っていこう!!
どっちも絶対美味しく作って、美味しく食べさせてもらおう。命を奪ったのだから、その命を大事に受け入れるためにも……お肉を無駄にはしちゃいけない。感謝を込めて、大事に食べさせていただくのだ。
だから、少しでも無駄にしないために……料理をしていくのみ!
「あ、コロッケもいいかも」
パン粉の在庫はあるから、メンチカツと一緒に作っていこう。玉ねぎはさっきよりもっと細かく刻んで……時短も兼ねて、一気に炒めてから魔法で冷ましていく。こう言う時に魔法が使えるのは本当に便利だ。
じゃがいもも似たように活用出来るし、電子レンジいらずなのはありがたい。
鹿肉はタルタルステーキの時よりさらに細かく叩いて……コロッケ用には炒めて、メンチカツには冷ました玉ねぎを香辛料などと混ぜ合わせて成形。
コロッケはタネになる具材とマッシュしたじゃがいもを合わせたら、さらに冷ますために冷却の魔法をかけていく。
「……料理はじめた頃は、こう言う工程省いて大失敗してたからなあ」
今でこそ、まかない料理番を任されるくらい……異世界で料理上手だった経歴があっても、私だってただの人間だ。失敗だって当然ある。
子どもの頃、手間をかけずにすぐ出来ると思い込んで……火も強火だけとか、粗熱をとらないとかで美味しくない料理ばかり作り出していた。
そこを母が見兼ねて、きちんと料理の手順を教えてくれたのだ。おかげで失敗は少しずつ減って、今の私があると言っていい。
母は父と事故で亡くなったので、アルベルトを会わせてあげられないが……異世界でも天国から見守ることは可能だろうか? 私をトリップさせた神様か誰かに聞こうにも、一度も会ったことがないのでわからないし。
(……孫は、ちゃんといるよ。お母さんたち)
今は愛する人たちと、毎日充実した生活を送れているから……世界は違うけど、見守っててね。
42
お気に入りに追加
5,502
あなたにおすすめの小説
嫌われ聖女さんはとうとう怒る〜今更大切にするなんて言われても、もう知らない〜
𝓝𝓞𝓐
ファンタジー
13歳の時に聖女として認定されてから、身を粉にして人々のために頑張り続けたセレスティアさん。どんな人が相手だろうと、死にかけながらも癒し続けた。
だが、その結果は悲惨の一言に尽きた。
「もっと早く癒せよ! このグズが!」
「お前がもっと早く治療しないせいで、後遺症が残った! 死んで詫びろ!」
「お前が呪いを防いでいれば! 私はこんなに醜くならなかったのに! お前も呪われろ!」
また、日々大人も気絶するほどの魔力回復ポーションを飲み続けながら、国中に魔物を弱らせる結界を張っていたのだが……、
「もっと出力を上げんか! 貴様のせいで我が国の騎士が傷付いたではないか! とっとと癒せ! このウスノロが!」
「チッ。あの能無しのせいで……」
頑張っても頑張っても誰にも感謝されず、それどころか罵られるばかり。
もう我慢ならない!
聖女さんは、とうとう怒った。
【創造魔法】を覚えて、万能で最強になりました。 クラスから追放した奴らは、そこらへんの草でも食ってろ!
久乃川あずき(桑野和明)
ファンタジー
次世代ファンタジーカップ『面白スキル賞』受賞しました。
2022年9月20日より、コミカライズ連載開始です(アルファポリスのサイトで読めます)
単行本は現在2巻まで出ています。
高校二年の水沢優樹は、不思議な地震に巻き込まれ、クラスメイト三十五人といっしょに異世界に転移してしまう。
三ヶ月後、ケガをした優樹は、クラスメイトから役立たずと言われて追放される。
絶望的な状況だったが、ふとしたきっかけで、【創造魔法】が使えるようになる。
【創造魔法】は素材さえあれば、どんなものでも作ることができる究極の魔法で、優樹は幼馴染みの由那と快適な暮らしを始める。
一方、優樹を追放したクラスメイトたちは、木の実や野草を食べて、ぎりぎりの生活をしていた。優樹が元の世界の食べ物を魔法で作れることを知り、追放を撤回しようとするが、その判断は遅かった。
優樹は自分を追放したクラスメイトたちを助ける気などなくなっていた。
あいつらは、そこらへんの草でも食ってればいいんだ。
異世界で活躍する優樹と悲惨な展開になるクラスメイトたちの物語です。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
全能で楽しく公爵家!!
山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。
未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう!
転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。
スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。
※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。
※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。
異世界でのんびり暮らしてみることにしました
松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
没落した建築系お嬢様の優雅なスローライフ~地方でモフモフと楽しい仲間とのんびり楽しく生きます~
土偶の友
ファンタジー
優雅な貴族令嬢を目指していたクレア・フィレイア。
しかし、15歳の誕生日を前に両親から没落を宣言されてしまう。
そのショックで日本の知識を思いだし、ブラック企業で働いていた記憶からスローライフをしたいと気付いた。
両親に勧められた場所に逃げ、そこで楽しいモフモフの仲間と家を建てる。
女の子たちと出会い仲良くなって一緒に住む、のんびり緩い異世界生活。
【完結】契約結婚は円満に終了しました ~勘違い令嬢はお花屋さんを始めたい~
九條葉月
ファンタジー
【ファンタジー1位獲得!】
【HOTランキング1位獲得!】
とある公爵との契約結婚を無事に終えたシャーロットは、夢だったお花屋さんを始めるための準備に取りかかる。
花を包むビニールがなければ似たような素材を求めてダンジョンに潜り、吸水スポンジ代わりにスライムを捕まえたり……。そうして準備を進めているのに、なぜか店の実態はお花屋さんからかけ離れていって――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。