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番外編②
第1話 子の成長もだが
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我が愛息子、アルベルトが少しずつ成長してきた。
ふにゃふにゃぐにゃぐにゃでしかなかった身体が、柔らかいながらもしっかりと整ってきて……顔立ちも少しずつだがはっきりとしてきた。
髪と目の色はイツキとそっくりだが、顔立ちは……俺にそっくりだったのだ。黒髪茶目の俺……子はイツキ曰く、自分の分身に近いものだと異世界では伝えられているそうだが……それがその通りだと理解出来た。
全くの別人ではあるが、血を分けた子どもだと思うと感慨深い。抱き上げるのも以前より慎重過ぎなくてはいいとわかってきたが……イツキから乳離れをしていくと、それはもうよく食べるのだ。
離乳食というドロドロした食事が多いが、とてもよく食べるのだ。
「はい、アル? もうごちそうさまだよ?」
「ま、ま! あーう!」
「今は食べ過ぎ。また夜ね?」
「……うー」
ちょっとずつ言葉のようなものも口にしているが、イツキの事を『ママ』と呼ぼうとしているのに……俺のことはまだ呼んでくれない!? イツキの知識では、父親のことを『パパ』とか呼ぶらしいが……その傾向すらない。
俺とて近衛騎士団の副隊長なのに、威厳も何もないわけではないのに!? イツキが普段ずっと一緒にいるからか存在感がまるでない!! 俺の事を意識してないようにしか見えないではないか!?
「……イツキ。あまり食べさせ過ぎてもいけないのか?」
「はい。おトイレが大変になるだけでなく、お腹を壊してしまいます。赤ちゃんの体は特に繊細ですから」
「……そうか」
育児というのはなかなかに難しいとは聞いてはいたが……そこまで細やかな気配りが必要なのだとは。父上や兄上に『母親が大変だ』とは聞いていたが……乳離れしても大変だとは想定外だった。イツキは使用人は雇っていいが、乳母は大丈夫だと断った。
自分の手で、しっかりと一人前に育てたいと言ったからだ。
実際、彼女は母親としてアルベルトの事を一番に動いて頑張ってくれている。……何か、俺に出来ることはあるかと思うが、ここまでイツキが頑張っていると割り込みにくい。
下手に手伝っても迷惑な気がするのだ。他に何か……と考えても、時々振る舞うようにしているズボラ飯では物足りない気がした。イツキ自身、食べる量は身籠っていた頃より少しずつ減ったが……今度は『痩せるためにタンパク質を摂らないと!』と豆や肉を食べるようにしている。
イツキは今でもスッキリしていて美しいと思うのに、本人としては満足のいく体型ではないらしい。
「タンパクシツってなんなん?」
「聞いたことがありませんね?」
ある日に執務室で隊長とレクサスだけしかいない時に話題に出してみたのだが、やはりその単語は聞いたことがないようだ。つまり、異世界の知識なのだろう。
「身体作りに必要な『エイヨウソ』と言うものだそうで。肉と豆に多く含まれているそうです」
「肉はええとして……豆?」
「豆も身体にいいんですか。面白いですね? 産後の女性はふくよかな体型になる方が多いと聞きますが……イツキは該当しないのでは?」
「せやな。この前会いに行っても前と城に居った頃と変わらんし?」
「女性特有の悩みだそうです……」
俺は毎日見ているから変化はすぐにわかるが……イツキ也の努力で体型をなんとかしているんだ。
アルベルトの食事も助けたいが、愛しい妻へのフォローもなんとかしたいと思っているんだ……。
ふにゃふにゃぐにゃぐにゃでしかなかった身体が、柔らかいながらもしっかりと整ってきて……顔立ちも少しずつだがはっきりとしてきた。
髪と目の色はイツキとそっくりだが、顔立ちは……俺にそっくりだったのだ。黒髪茶目の俺……子はイツキ曰く、自分の分身に近いものだと異世界では伝えられているそうだが……それがその通りだと理解出来た。
全くの別人ではあるが、血を分けた子どもだと思うと感慨深い。抱き上げるのも以前より慎重過ぎなくてはいいとわかってきたが……イツキから乳離れをしていくと、それはもうよく食べるのだ。
離乳食というドロドロした食事が多いが、とてもよく食べるのだ。
「はい、アル? もうごちそうさまだよ?」
「ま、ま! あーう!」
「今は食べ過ぎ。また夜ね?」
「……うー」
ちょっとずつ言葉のようなものも口にしているが、イツキの事を『ママ』と呼ぼうとしているのに……俺のことはまだ呼んでくれない!? イツキの知識では、父親のことを『パパ』とか呼ぶらしいが……その傾向すらない。
俺とて近衛騎士団の副隊長なのに、威厳も何もないわけではないのに!? イツキが普段ずっと一緒にいるからか存在感がまるでない!! 俺の事を意識してないようにしか見えないではないか!?
「……イツキ。あまり食べさせ過ぎてもいけないのか?」
「はい。おトイレが大変になるだけでなく、お腹を壊してしまいます。赤ちゃんの体は特に繊細ですから」
「……そうか」
育児というのはなかなかに難しいとは聞いてはいたが……そこまで細やかな気配りが必要なのだとは。父上や兄上に『母親が大変だ』とは聞いていたが……乳離れしても大変だとは想定外だった。イツキは使用人は雇っていいが、乳母は大丈夫だと断った。
自分の手で、しっかりと一人前に育てたいと言ったからだ。
実際、彼女は母親としてアルベルトの事を一番に動いて頑張ってくれている。……何か、俺に出来ることはあるかと思うが、ここまでイツキが頑張っていると割り込みにくい。
下手に手伝っても迷惑な気がするのだ。他に何か……と考えても、時々振る舞うようにしているズボラ飯では物足りない気がした。イツキ自身、食べる量は身籠っていた頃より少しずつ減ったが……今度は『痩せるためにタンパク質を摂らないと!』と豆や肉を食べるようにしている。
イツキは今でもスッキリしていて美しいと思うのに、本人としては満足のいく体型ではないらしい。
「タンパクシツってなんなん?」
「聞いたことがありませんね?」
ある日に執務室で隊長とレクサスだけしかいない時に話題に出してみたのだが、やはりその単語は聞いたことがないようだ。つまり、異世界の知識なのだろう。
「身体作りに必要な『エイヨウソ』と言うものだそうで。肉と豆に多く含まれているそうです」
「肉はええとして……豆?」
「豆も身体にいいんですか。面白いですね? 産後の女性はふくよかな体型になる方が多いと聞きますが……イツキは該当しないのでは?」
「せやな。この前会いに行っても前と城に居った頃と変わらんし?」
「女性特有の悩みだそうです……」
俺は毎日見ているから変化はすぐにわかるが……イツキ也の努力で体型をなんとかしているんだ。
アルベルトの食事も助けたいが、愛しい妻へのフォローもなんとかしたいと思っているんだ……。
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