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番外編

第203話 盛大な勘違い

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「ほんま、すんません!!」


 家族の誰かと話すだなんて、全然普通の事や。

 他のやつでも……まあ、別におかしくない。

 それを自分の勝手な勘違いで割り込んでしまったんや……ほんまに申し訳ないわ!!

 めっちゃ腰折って謝罪したんやけど、兄貴さんはくすくす笑うだけだったわ。


「いやいや、大丈夫ですよ。むしろ、妹がそこまで愛されているのなら、義兄としては嬉しい限りですよ」

「……ほんまですか?」

「ええ。何事にも冷めた性格をしていたのに、婿殿については別。それを今改めて知れたのですから」

「……ありがとうございます」


 めちゃくちゃ性格ええなあ、この兄貴さん。

 しかも、サフィアそっくりの顔やから……めちゃくちゃモテるやろなあ?

 けど、年子言うんなら自分より年下か……性格出来すぎちゃう?


「では、私はこれで。また我が屋敷にもお越しください」


 と言って、ほんまに帰って行ったわ……。邪魔せんようにって去って行く後ろ姿までかっこええわぁ……出来た性格すぎへん?

 ほけーっとしとると、サフィアの方からくすくすと笑い声が聞こえてきたんや。


「……旦那様が、兄に嫉妬……ですか?」


 貴重な笑顔やけど……今回は自分が悪いから折れるしかないわ。


「……背中だけやと判断出来んかったし、兄貴さんとちゃんと会ってなかったしな」

「そうですね。……兄は旦那様をとても気に入られていましたよ」

「ほんま?」


 さっきのでガッカリさせたんちゃうかと思ったけど、サフィアは頷いてくれた。


「……氷などとあだ名をつけられた私を一番に愛してくださっていると。私の表情の変化でよくわかったと」

「……そうか」


 ほんの些細な表情の変化だけでも可愛かったけど……今のサフィアもむちゃくちゃ可愛いいからなあ!!

 他に気配がないことを確認してから、自分はサフィアをぎゅっと抱きしめたんや。


「だ、旦那様!?」

「あ~……何ヶ月ぶりのサフィアやわ。かわええ……愛しとる~」

「……はい」


 ほんまに、めちゃくちゃ愛しとるで自分のカミさんは。

 ひとしきり堪能してから、サフィアから茶菓子を用意してきたと言われたんでベンチの方へ手を繋いで移動することにしたわ~。
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