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番外編

第183話『ビビる色合い紫コロッケ』①

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 エディトでコロッケを作ってくれることが決まり、儂は気分が良かった。美味いもんを食えるかと思うと、仕事がはかどるわい!

 ガラガラで苦戦していた箇所も、ちと改良点を見つけることが出来たものでうまくいったのじゃ。音の確認をしたが、雑音が少し愛らしい笑い方に近いものへと激変。

 試しに、妃殿下へジェラルド殿下へのあやし方にとお渡しすれば、かなり気に入られ持ち帰るのが一苦労じゃったわ。


「ねぇ、ハクト親方。イツキとは別に……この子へのも依頼して良いかしら?」

「かしこまりました」


 殿下がかなり気に入られ、そして取り上げられると大泣きされてしまったのじゃからな。これはこれで致し方がない。

 デザインなども任せるとおっしゃっていただき、儂は久しくお会いした殿下のイメージを考えながら図案を起こすことにした。イツキの嬢ちゃんとこも男児じゃから、可愛いらしいと言うより、少しシンプルがいいかもしれぬ。

 色も赤やピンクは省き、青や黄色などで色の組み合わせを作り。ガラガラ本体の仕上がりがよくなってきたんで、色の塗りを行い……乾燥と防腐の魔法をかけたら出来上がりだ。悪くない仕上がりと良い音の響きに、会心の出来だと頷く。

 そして、ちょうど通達が届いたんでぼんのところへ行くことにしたんじゃが。


「どうだ? ジジイ」

「……これはなんと」


 依頼した儂が言うのもなんじゃが……エディトの紫色が色鮮やかとまでいかんが、異質な色合いの一歩手前に近い仕上がりになっておった。

 じゃがいもの場合は内側の色は薄い黄色なのが見えるが、エディトの場合だと濃い色合いが浮かび上がる感じじゃ。中身を知らんと、とてもでないが食いたいとは思わん組み合わせじゃわい。


「ひらぺったいのが、普通のと同じ。細長いのはクリームコロッケにしてみた」

「味は食えってか?」

「はは。わかってんじゃねぇか」


 陛下の悪友であるお前さんとは短い付き合いではないからの? 多少は言わんとすることは理解しておるぞ。

 とにかく、材料がエディトと改めて分かれば、フォークを持つ手に力が入ってしまうものじゃ!!
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