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番外編

第154話 女性冒険者の柔軟

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「あらぁ! 可愛らしい!!」

「わ!?」


 レクサス隊長からのご助言をいただいてから、数日後。

 本当に……ワルシュ料理長へご相談に行けば、あっさりと『いいぞ』と言っていたたげて……気づけば、段取りも組まれてサーシャ殿との対面が叶ったわけで。

 当日は、挨拶の後にいきなりサーシャ殿に抱きしめられたのだ。じ、自分にはない豊満なお胸の感触に驚いてしまったが、今日は単純に交流するために来たわけではないのだ!!


「おい、サーシャ。アイシスはお前さんに鍛え方のコツを聞きに来たって言っただろ?」

「いいじゃなーい? こーんな、若くて可愛い子。いっちゃん以来で嬉しいんだもの~」

「血は繋がってねぇが、義理の妹だしな」

「あ、そっかぁ。それでー?」


 い、いえ……だから!?

 余計にお胸を押し付ける理由にはなりませんよ!?

 ワルシュ料理長も止めてくださらず……しばらく、サーシャ殿の気がすむまで続けられてしまいました……。


「……あの。お願いしたいことが」

「だいじょぶだいじょぶ! さっき、シューくんが言ってたのもちゃんと聞いてたから。鍛え方を学びたいんでしょう?」

「……はい」


 良かった、ちゃんと聞いてくださる姿勢はお有りのようだ。だけど何故か、再び抱きつきはしなかったが、身体のあちこちを触られたのだ。


「ふんふん。走り込みとかは悪くないけど、しなやかさがちょっと足りない感じねぇ?」

「……しなやかさ?」

「女は、男と違って関節の動きが柔らかいのよぉ? だから、色んな角度からの攻撃がしやすいの。とっても大事よん?」

「……なるほど」


 そこを重点的に鍛えれば……ミュラー先輩にも負けないかもしれない。もっともっと強くなれるなら!

 すぐに鍛え方をお願いしたのだが……何故か、関節を柔らかくする体操から始められたのだ!?


「はーい。前に倒れてー?」

「ぐ!? うぅ」


 サーシャ殿が簡単にやられていたので、甘く見ていた!? 適当な運動をしていたからか、私は半分も出来なかった! たしかに、これではしなやかさとやらが足りないのも頷ける!!


「ゆっくりゆっくり~? 息吐いてー、そうそう」

「う……あ!?」

「加減しろよー?」

「いっちゃんの義妹なら、あたしの娘も同じでしょ~? してるしてる」

「……そーかよ」


 義母上とは畏れ多くてお呼びは出来ないのだが。それくらい気に入っていただけたのは、恐縮であるけれど!?

 痛いものは痛い!!?
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