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番外編

第118話『パイナップルチーズトースト』

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 ただ、通達からのイツキさん発案のレシピは……どれもが画期的過ぎた。

 お菓子やジュースにもだけど……一際目を疑いかけたのが。


「……野菜と炒める?」

「……嘘だよね?」


 しかも、レシピが一個や二個じゃない。食事向きのレシピがいくつか存在しているだなんて!?

 肉に乗せてしばらく置くと柔らかくなる以外、見向きもされていなかった食材が?! 料理の材料として使われるだなんて、誰が考えつくだろうか!?


「……切って、炒める。こいつだけじゃなく、パンに塗るジャムもだが……そのままをチーズと食パンに乗せて焼くのもすげぇなあ?」

「……どれから試す?」

「ジャムは予想しやすいしなあ? パンにチーズと乗せて焼くのにするか?」

「……うん」


 ただ、味付けがチーズだけではないのよね。

 マヨネーズをパンに薄く塗って、パイナップルを乗せ……チーズをまんべんなくふりかけ。

 炙るよりもしっかり焼いた方がいいので釜で焼いたら……チーズとマヨネーズはわかるけど、パイナップルの甘酸っぱい香りがした。ちょっと慣れないと、苦手に思われそうな匂いね。


「……出来たな」

「出来たね」


 単純に乗せて焼いただけの組み合わせ。

 これが、どのように相性を見せてくれるか。ハーツと手に取り、勢いよく食べてみた!


「お?」

「……美味しい」


 甘酸っぱいものにマヨネーズが合うのも意外過ぎたけれど。チーズとパイナップルの組み合わせが絶妙過ぎた。塩気と相まって、パイナップルの甘酸っぱい感じが強調されるけれど。噛めば噛むほど、その組み合わせが病みつきになって口に入れるのを止められない!!

 マヨネーズの程よい酸味ともパイナップルが合うだなんて、意外以上に驚愕の事実。

 これは、本当に画期的な組み合わせだわ!?


「そのままとか、ジャムならまだしも……合うな。めちゃくちゃ合う」

「……もう一枚食べたい」

「待て待て。他のレシピ試そうぜ? 次は炒め物か」

「……こうなると全部試したい」

「俺らで食い切れないぞ?」

「……食べる」


 ここ最近、仕事で忙し過ぎてまともに食事をしていなかったせいもあり。

 余計に食べたい意欲が増してきたのだ。ハーツに縋るとヨシヨシと頭を撫でられ、『仕方ない』と次のレシピを試すことにした。
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