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番外編
第109話 友からの誘い
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イツキから誘いを受けた。
と言う言葉は少し変かしら? ここ最近は、私もジェラルドとの生活が忙しくて大変も大変だったもの。
上の娘であるリュシアーノが赤児だった頃と同じように、大きくなったジェラルドも活発的に育ってしまい……日々、ハイハイや突進で何かを破壊しようとしないか、気疲れが大変だった。
そんな日常の中で、わずかでも友との語らいがあるのなら喜んで受けたかったんだもの。しかも、『美味しいお菓子』と言う言葉はとても魅力的で。
きっと、イツキ自身も身籠った子の関係で動けないし、使用人はきちんと雇ったとの話は聞いているから、料理人に作らせたのだろうけれど。
それでも、イツキ直伝のお菓子を食べられるのは嬉しいわ。
土産には、この時期に採れやすい果物の盛り合わせにした。私もだったが、つわりが無くなると今度は果物を食べたくなるもの。イツキは特に好き嫌いがないと言っていたから、大丈夫なはず。
少し大きくなったジェラルドも一緒に行くと、屋敷では以前居なかった使用人達がずらっと出迎えてくれた。
「「「「お初にお目にかかります、王妃殿下!!」」」」
こう言う光景はいつ以来かしら? 最近だと、ネルのことで大公爵家に行ったぐらい?
とにかく、私は王妃なので皆に『ご苦労様』と告げた。
「いらっしゃいませ、ヘルミーナ様」
その使用人らの並びの奥に、イツキがいたわ。歩き辛いだろうに、メイド頭らしい女性に支えられながらこちらへと歩いてきた。
随分と、お腹が大きくなっていたわ。
「久しぶりね、イツキ。お腹の子は順調?」
「はい。これくらいになってからは、時々蹴られますね」
「元気な証拠ね」
手紙で男児とは聞いていたけれど、お腹の具合から見て大きな赤児かもしれない。多くの妊婦を見たことはないし、自分や貴族の夫人らを何名か見た程度だけど。
とりあえず、ジェラルドがイツキに抱っこをせがみかけたのでダメだと言い含めるのが大変だったわ。城に居た頃より頻繁に会っていないのに、この子もイツキが大好きなのね。
代わりに、イツキはよしよしとジェラルドの頭を撫でてあげたわ。
「また大きくなりましたね、ジェラルド様」
「最近また一段とやんちゃが目立ってきてるわ」
「ふふ。元気な証拠ですよ」
ああ、気が楽だわ。
イツキも貴族の女性となったけれど、以前と変わらない安心感をこちらに与えてくれる。貴族の女性全てが悪いわけではないが、イツキのように目の前にいるだけでほっとする気持ちになれる人材は少ない。
私が知っている存在は片手にも数えられないくらいだわ。本当に、イツキは凄い存在よ。
「お邪魔させていただいていいかしら?」
「はい。我が家の料理人にお願いして、美味しいお菓子をご用意しています」
「あら、内容は秘密?」
「見ていただいてからが、良いと思いまして」
どんなお菓子なのかしら? イツキの提案したものだから、きっとハズレではないと思うけれど。
と言う言葉は少し変かしら? ここ最近は、私もジェラルドとの生活が忙しくて大変も大変だったもの。
上の娘であるリュシアーノが赤児だった頃と同じように、大きくなったジェラルドも活発的に育ってしまい……日々、ハイハイや突進で何かを破壊しようとしないか、気疲れが大変だった。
そんな日常の中で、わずかでも友との語らいがあるのなら喜んで受けたかったんだもの。しかも、『美味しいお菓子』と言う言葉はとても魅力的で。
きっと、イツキ自身も身籠った子の関係で動けないし、使用人はきちんと雇ったとの話は聞いているから、料理人に作らせたのだろうけれど。
それでも、イツキ直伝のお菓子を食べられるのは嬉しいわ。
土産には、この時期に採れやすい果物の盛り合わせにした。私もだったが、つわりが無くなると今度は果物を食べたくなるもの。イツキは特に好き嫌いがないと言っていたから、大丈夫なはず。
少し大きくなったジェラルドも一緒に行くと、屋敷では以前居なかった使用人達がずらっと出迎えてくれた。
「「「「お初にお目にかかります、王妃殿下!!」」」」
こう言う光景はいつ以来かしら? 最近だと、ネルのことで大公爵家に行ったぐらい?
とにかく、私は王妃なので皆に『ご苦労様』と告げた。
「いらっしゃいませ、ヘルミーナ様」
その使用人らの並びの奥に、イツキがいたわ。歩き辛いだろうに、メイド頭らしい女性に支えられながらこちらへと歩いてきた。
随分と、お腹が大きくなっていたわ。
「久しぶりね、イツキ。お腹の子は順調?」
「はい。これくらいになってからは、時々蹴られますね」
「元気な証拠ね」
手紙で男児とは聞いていたけれど、お腹の具合から見て大きな赤児かもしれない。多くの妊婦を見たことはないし、自分や貴族の夫人らを何名か見た程度だけど。
とりあえず、ジェラルドがイツキに抱っこをせがみかけたのでダメだと言い含めるのが大変だったわ。城に居た頃より頻繁に会っていないのに、この子もイツキが大好きなのね。
代わりに、イツキはよしよしとジェラルドの頭を撫でてあげたわ。
「また大きくなりましたね、ジェラルド様」
「最近また一段とやんちゃが目立ってきてるわ」
「ふふ。元気な証拠ですよ」
ああ、気が楽だわ。
イツキも貴族の女性となったけれど、以前と変わらない安心感をこちらに与えてくれる。貴族の女性全てが悪いわけではないが、イツキのように目の前にいるだけでほっとする気持ちになれる人材は少ない。
私が知っている存在は片手にも数えられないくらいだわ。本当に、イツキは凄い存在よ。
「お邪魔させていただいていいかしら?」
「はい。我が家の料理人にお願いして、美味しいお菓子をご用意しています」
「あら、内容は秘密?」
「見ていただいてからが、良いと思いまして」
どんなお菓子なのかしら? イツキの提案したものだから、きっとハズレではないと思うけれど。
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