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番外編
第69話 ダチの屋敷
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使用人らを雇ったって話を副隊長から聞いたんで。
自分は手土産を持って、イツキはんのおる屋敷に向かった。ワルシュ先輩に言ったら、持たせてくれた食材やねん。
「いらっしゃいませ、バーミィ様」
「お……おん」
今まで気軽にこの屋敷には来とったけど、実際目にすると雰囲気以外にも色々変わっていた。少人数だとは言えど、自分んとこのサフィアの職のように、『メイド』や『執事』がおるのを……目にしたら、緊張してしまうんもしゃーない。
そこそこ顔の整った執事の一人が出迎えてくれたんで、用件はとりあえず伝えた。
「奥様は今ですと、居間にいらっしゃいますね。メイドの一人から編み物を習い始めたとのことで、色々作られていらっしゃるのです」
「……ほーん」
まだ臨月やないけど、イツキはんも身動き取れんくなるだろうし……好きな料理もできそうになくなるからなあ? 違う趣味を持てることはええとは思う。
今日はまだ動いても大丈夫か気にはなったが、旦那である副隊長がそんなに慌ててないから……まだ安心範囲やろうな?
執事に案内された居間に行くと、イツキはんはたしかにメイドのひとりと編み物しとったわ。慣れないことだから、メイドの方から色々教わっとるって感じや。
「そう……そうです。奥様」
「んー……糸をほぐしてしまいそうで難しいですね」
「いえいえ、飲み込みはお早いですよ?」
「ありがとうございます」
使用人にまで敬語か。もともと貴族どころかこの世界の住人じゃないから……仕方がないというか。そもそも、イツキはんが年上はもちろんだけど、タメでも年下でもガキでも誰にも……敬語を外したことを見たことがない。
同じ世界からの転生者らしい……あのリュシアーノ王女殿下にすらだ。それか、もともとの癖やろか?
「奥様。バーミィ様がいらっしゃいました」
「あ、レクサスさん!」
「おん」
執事の言葉で、ようやく自分がおるのもわかったくらい集中してたようや。そんなんも、イツキはんがダチやから全然ムカつかん。恩人でもあるからなあ、副隊長のカミさんは。
「いらっしゃいませ。遊びに来てくださったんですか?」
編み物道具を置いてこっちに来ると……ちょっと前より腹の膨らみが大きく見えた。すくすく育っているようで何よりやわ。
「おん。ワルシュ先輩からも色々持たされてん」
「ワルシュさんからですか?」
「せや、卓の上借りてもええか?」
「是非」
許可ももらえたから、亜空間収納からぎょーさん品物は取り出したんやけど。どれを見てもイツキはんは目を輝かせたわ~。
「こんなとこやな?」
「これ全部……料理にもお菓子にも使えますね!」
職人の目をしとるなあ。先輩の方もこれまでようけ見てきたが、実の親子ちゃうのにめちゃくちゃ似とるわ。妊婦はんじゃなきゃ、全部自分の手で作りたいやろうけど……自分だけの身体ちゃうから、まずは執事らに食材は頼んで厨房に行くことになったわ。
自分は手土産を持って、イツキはんのおる屋敷に向かった。ワルシュ先輩に言ったら、持たせてくれた食材やねん。
「いらっしゃいませ、バーミィ様」
「お……おん」
今まで気軽にこの屋敷には来とったけど、実際目にすると雰囲気以外にも色々変わっていた。少人数だとは言えど、自分んとこのサフィアの職のように、『メイド』や『執事』がおるのを……目にしたら、緊張してしまうんもしゃーない。
そこそこ顔の整った執事の一人が出迎えてくれたんで、用件はとりあえず伝えた。
「奥様は今ですと、居間にいらっしゃいますね。メイドの一人から編み物を習い始めたとのことで、色々作られていらっしゃるのです」
「……ほーん」
まだ臨月やないけど、イツキはんも身動き取れんくなるだろうし……好きな料理もできそうになくなるからなあ? 違う趣味を持てることはええとは思う。
今日はまだ動いても大丈夫か気にはなったが、旦那である副隊長がそんなに慌ててないから……まだ安心範囲やろうな?
執事に案内された居間に行くと、イツキはんはたしかにメイドのひとりと編み物しとったわ。慣れないことだから、メイドの方から色々教わっとるって感じや。
「そう……そうです。奥様」
「んー……糸をほぐしてしまいそうで難しいですね」
「いえいえ、飲み込みはお早いですよ?」
「ありがとうございます」
使用人にまで敬語か。もともと貴族どころかこの世界の住人じゃないから……仕方がないというか。そもそも、イツキはんが年上はもちろんだけど、タメでも年下でもガキでも誰にも……敬語を外したことを見たことがない。
同じ世界からの転生者らしい……あのリュシアーノ王女殿下にすらだ。それか、もともとの癖やろか?
「奥様。バーミィ様がいらっしゃいました」
「あ、レクサスさん!」
「おん」
執事の言葉で、ようやく自分がおるのもわかったくらい集中してたようや。そんなんも、イツキはんがダチやから全然ムカつかん。恩人でもあるからなあ、副隊長のカミさんは。
「いらっしゃいませ。遊びに来てくださったんですか?」
編み物道具を置いてこっちに来ると……ちょっと前より腹の膨らみが大きく見えた。すくすく育っているようで何よりやわ。
「おん。ワルシュ先輩からも色々持たされてん」
「ワルシュさんからですか?」
「せや、卓の上借りてもええか?」
「是非」
許可ももらえたから、亜空間収納からぎょーさん品物は取り出したんやけど。どれを見てもイツキはんは目を輝かせたわ~。
「こんなとこやな?」
「これ全部……料理にもお菓子にも使えますね!」
職人の目をしとるなあ。先輩の方もこれまでようけ見てきたが、実の親子ちゃうのにめちゃくちゃ似とるわ。妊婦はんじゃなきゃ、全部自分の手で作りたいやろうけど……自分だけの身体ちゃうから、まずは執事らに食材は頼んで厨房に行くことになったわ。
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