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番外編
第51話『シンプルで大変、メレンゲクッキー』①
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服装についてだが、子供用のエプロンをイツキ様がご用意してくださったので、私とユリウスはそれを身につけることになった。何故このサイズの服があるのかは、とても簡単な理由だった。殿下がいつ来られても良いように、イツキ様が街で購入なされたのだとか。
忘れていたが、イツキ様は王家の方々との交流が深い女性だ。エイミーも学園が最初とは言え、マーキュリーと一緒に殿下とご学友になることが出来た。その流れでお城でのお茶会に呼ばれ……イツキ様とお会い出来たとも。
エイミーの変化を嬉しく思うあまり、つい考えが至らないのは私の悪い癖だわ。だって、赤ん坊の頃以来の、あの子の笑顔を見るのが嬉しかったんだもの。
「イツキ様! 何を作るんですか!?」
私が自己反省しているのに、ユリウスははしゃぎっぱなしだわ。すぐに押さえ込んだのだけれど、イツキ様は気にされていないのか、変わらずニコニコと微笑まれていた。
「ちょっと大変なお菓子ですが、メレンゲクッキーというものを作ろうと思っています」
「「クッキー??」」
エイミーともお花のクッキーは作ったけれど、それとも今まで口にしてきたクッキーとは全く違う名前。どのようなものなのかしら? つい、ユリウスと聞き返してしまった。
「普通のクッキーと見た目も食べた感じも全然違いますよー? きっとエイミーさんも気に入られるかと思います」
「どんなクッキーなのですか?」
「口に入れた時に、すぐに消えてしまうクッキーです」
「「消える??」」
全く、想像が出来ない。けれども、妹が喜ぶかもしれないお菓子であるのならば、是非作りたい。
だけど、厨房にお邪魔させていただき……用意してくださった材料を見たのだが。
「イツキ様……これだけで?」
クッキーの材料なのに、用意してくださったのは……卵と細かい粒のお砂糖だけだったのだ。
ユリウスも驚いていたけれど、イツキ様は首を縦に振られただけで。
「はい。卵も白身を使うだけで、それを雪のように泡立てたものを焼くだけです」
「……それで、クッキーになるんですか?」
「根気が入りますよ? 泡立てるのもですが、焼くのも普通のクッキーの何倍も時間がかかるんです」
「「えぇ?」」
少ない材料でそんなにも時間がかかってしまう……お菓子。
これは、疑問に思っている場合ではない。イツキ様を信じて、しっかり取り組もうとユリウスと頷き合ったのだ。
そして、まずは卵の中身をエイミーがやっていたように分けていくところで……私もユリウスも、非常に不器用だということが、よーく理解出来たのだ。エイミーは凄いわ!!
忘れていたが、イツキ様は王家の方々との交流が深い女性だ。エイミーも学園が最初とは言え、マーキュリーと一緒に殿下とご学友になることが出来た。その流れでお城でのお茶会に呼ばれ……イツキ様とお会い出来たとも。
エイミーの変化を嬉しく思うあまり、つい考えが至らないのは私の悪い癖だわ。だって、赤ん坊の頃以来の、あの子の笑顔を見るのが嬉しかったんだもの。
「イツキ様! 何を作るんですか!?」
私が自己反省しているのに、ユリウスははしゃぎっぱなしだわ。すぐに押さえ込んだのだけれど、イツキ様は気にされていないのか、変わらずニコニコと微笑まれていた。
「ちょっと大変なお菓子ですが、メレンゲクッキーというものを作ろうと思っています」
「「クッキー??」」
エイミーともお花のクッキーは作ったけれど、それとも今まで口にしてきたクッキーとは全く違う名前。どのようなものなのかしら? つい、ユリウスと聞き返してしまった。
「普通のクッキーと見た目も食べた感じも全然違いますよー? きっとエイミーさんも気に入られるかと思います」
「どんなクッキーなのですか?」
「口に入れた時に、すぐに消えてしまうクッキーです」
「「消える??」」
全く、想像が出来ない。けれども、妹が喜ぶかもしれないお菓子であるのならば、是非作りたい。
だけど、厨房にお邪魔させていただき……用意してくださった材料を見たのだが。
「イツキ様……これだけで?」
クッキーの材料なのに、用意してくださったのは……卵と細かい粒のお砂糖だけだったのだ。
ユリウスも驚いていたけれど、イツキ様は首を縦に振られただけで。
「はい。卵も白身を使うだけで、それを雪のように泡立てたものを焼くだけです」
「……それで、クッキーになるんですか?」
「根気が入りますよ? 泡立てるのもですが、焼くのも普通のクッキーの何倍も時間がかかるんです」
「「えぇ?」」
少ない材料でそんなにも時間がかかってしまう……お菓子。
これは、疑問に思っている場合ではない。イツキ様を信じて、しっかり取り組もうとユリウスと頷き合ったのだ。
そして、まずは卵の中身をエイミーがやっていたように分けていくところで……私もユリウスも、非常に不器用だということが、よーく理解出来たのだ。エイミーは凄いわ!!
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