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番外編

第18話『悪友へのウェディングケーキ』

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 蜜漬けの果物も出来た。

 リュカルドがメインで作ったクリームも出来た。

 あとは……仕上げだ。


「……二人だけで作ったとは言え、結構な量だな」

「当然だ」


 俺らの悪友にだぜ?

 生半可なもんは作るわけないだろ?

 リュカルドも俺の言いたいことはわかってっから、苦笑いはしてたがな?

 まあ、イツキん時と同じか少し小さいくらいのデカさにするつもりだが。


「リュシアの好きなチョコレートでか。女でチョコレートが嫌いな者はあまりいないとされているそうだが」

「ゲイリッシュから聞いたんで、大丈夫だ」


 あの表情が乏しいように見えた嬢ちゃんでも……ちゃんと好き嫌いはあるんだなと思ったが。

 顔は綺麗めなんだが、孤児出身と今の暗部隊長の方針もあって……表情が乏しくなったのは仕方ないらしい。

 だが、イツキの警護を経て……イツキとも関わりが増えたんで、少しずつだがそれが崩れてきた。あと、アーネストのぼんの妹とも友人関係になったお陰もあるらしい。


「で? 俺はイツキの時のように、果物を散らせばいいのか?」

「クリームもやってみるか?」

「……そうだな」


 二人だけだし、リュカルドが失敗しても俺がフォロー出来るのは当然。

 生地を切り分け、まず土台部分に均一に塗るところからだったが。

 前回の時は担当してなかったせいか、リュカルドの塗り方はもたもたしていた。


「急がんでいい」

「……難しいな?」

「ある程度塗ったら、平らにしてけ。……そう。そうだ」


 リュカルドは極端な不器用じゃないからなあ?

 ネルや坊らの最初の頃に比べりゃ、だいぶマシだ。あいつら、卵の割り方もまともに出来んかったからな。

 リュカルドが一面を塗り終えたら、俺が軽く均し……次は思い思いに蜜漬けの果物を全面に散らしていく。

 その上に生地を重ね、クリームを全体に塗って飾り付けしていけば。


「……でかいな?」

「……デカくなったな?」


 結果、予想以上にでかいチョコレートクリームのウェディングケーキが出来上がってしまった。

 味見はクリームなどでしたので、こいつは俺の亜空間収納に入れておく。


「……当分、甘ったるいもんは見たくないな」

「この作業するとなあ?」


 普段から作り慣れていない奴ほど思ってしまうだろう。

 とりあえず、これで準備のひとつは出来たってとこだ。

 あとは本番まで、他の準備をするところだが。

 あいつの好物である酒以外だと、何を贈っていいのかさっぱり思いつかなかったぜ。


(どーすっかなあ? マジで)


 イツキは、嬢ちゃんの方に贈ると言ってたし……俺はやっぱゲイリッシュの方か?
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