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番外編

第15話 夫婦の再会

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 サフィアがイージアス城に戻って来た日。

 だいたいの用事済ませてから、自分と合流したんはいつもの中庭。

 数ヶ月ぶりに会えた、俺のカミさんは!

 今日も綺麗でかいらしいわ!!

 少し急いで来てくれたのか、軽く息が弾んでいたけんど。


「サフィア!」

「ご、ご無沙汰……しております。……旦那様」


 まだ慣れへんやろうけど。

 この子は!!

 自分の嫁さんやわ!!

 一生懸命に言う様子が……めちゃんこ可愛い!!

 抱きしめてあげたいが、ここは中庭。

 いつ誰が通るかわからんからなあ? 我慢やで、自分!


「大丈夫や。急がんでもよかったのに」

「けど……その」

「おん?」

「……早く、お会いしたかったので」


 あかん!!

 抱きしめたい!!

 そのいじらしさがめちゃくちゃ可愛い!!

 我慢出来ずに、自分は正面からサフィアを抱きしめたわ!!


「……あんまり、可愛いことばっかり言わんで」


 で、ぎゅーって力を込めたら。

 サフィアも抱きついてきたわ!? めちゃくちゃ可愛い!!


「……お会いしたかったです」


 ほら、こーゆーとこぉ!?

 キスしたいけど……そこは流石に耐えて、イツキはんと作ったクッキーを渡すのにベンチへ移動したわ。


「今日は、サフィアに渡したいもんがあんねん」


 亜空間収納から、クッキーの箱を出すとサフィアはぽっとほっぺをピンクに染めた。


「……そちらは?」

「自分が作ったクッキーや」

「! 旦那様が!」

「イツキはんに色々助けてもらったんやけど」


 イツキはんの名前を出しても、サフィアはイツキはんを尊敬しとるからなあ?

 今度は顔をほころばせながら、自分が差し出した箱を受け取ってくれた。


「……開けても?」

「ええよ」


 そのために作ってきたからなあ?

 ゆっくり丁寧に開けた箱の中身は。

 イツキはんに、並べ方も教わったんで……一枚一枚崩れずに並んでいる『イチマツクッキー』がずらっと並んでいた。

 白、ピンク、黒。

 それぞれの色が、四角い小さな模様がずらりと並び。

 目を楽しませてくれるもんになっているだろう。サフィアも目を輝かせていたわ。


「……こちらを、旦那様が?」

「おん。食べてくれへん?」

「はい!」


 茶は、イツキはんが紅茶もええけど……ミルクたっぷりのコーヒーがええってことで。

 自分が亜空間収納から、それが入ってる水筒を取り出し。

 小さいコップに入れたのを渡してやれば、サフィアは『ほう』と息を吐いた。その表情にどきっとしてしまう。


「……甘いやろ?」


 キスしたい気持ちを抑えろ、自分!!

 貪るように襲い掛かったら……せっかくのクッキーを台無しにしてまう!!

 そうしたら、一番悲しむのはサフィアや!!


「はい! 美味しいです」


 とりあえず……微笑みを見ても、ぐっと堪えたわ!
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