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まかない婦のまかない⑩
第4話『貴族の朝食?』②
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この世界では、日本とは違い料理人という職業となった。トリップから、約二年も経つので……それまで、家電や業務調理器具などを販売する営業とかのOLでしかなかったから。
だから、専門学校に行こうにも……学費などで諦めていた、憧れの料理人の職になれるとは思ってもいなかったのだ。しかも、トリップ特典で言うチート職とも言える『特級料理人』に。
おまけに、数ヶ月前にはレベルがいつの間にか上がっていると言うことで、『鑑定』のスキルも会得出来た。魔法はまだまだ練習が多いのに、神様とかの気まぐれにしても凄いことだと思う。
だから、今並べられた朝ご飯を前に……つい、鑑定のスキルを使ってみることにした。
【パン……貴族階級では主流の白パン。乳製品を惜しみなく練り込んである】
【スープ……南瓜のポタージュ。素材本来の甘味に加えて、高級コンソメのお味が絶妙】
【チーズオムレツ……ふわとろ卵の中には、ナチュラルチーズたっぷり】
【ポトフ……汁物と言うより、副菜感覚。ゴロゴロ野菜と優しい味わいが特徴】
【ほうれん草のソテー……高級発酵バターたっぷりの優しい塩気と甘みが特徴】
鑑定の表示は、料理へ調理されるものだとざっくりと言った感じ。食材となると、採取や調理前は色々注釈がついたりするのだけれど。
(味は……どうだろう?)
基本的に、この世界『シブースト』の食事事情は……食材もだけど、味付けも中世ヨーロッパ風の世界観なのに味付けはどちらかといえば日本風。
米、醤油、味噌、酒などなど。地域の特産などで取り寄せが必要な場合もあるが……大抵は手に入るものが多い。
そのお陰で、私の作れる料理に不便はないが……料理長を含める、こちらの世界の人達の料理は海外料理みたいなのもあるが、一部は日本風なものもある。主にデザートや卵料理とかが。
だから、こちらのお宿の料理人の人の腕前も気になるのである。
ほんのり、湯気が立つ……まずは、かぼちゃのポタージュから。
スプーンから伝わるとろみ加減はまずまず。口に運び、味を確かめてみる。
(……うん、美味しい)
けど、料理長の方がもっともっと美味しい。やっぱり、腕前もだが私以上の『特級料理人』だからだろう。しかしながらこれは、ホテルで言うならそこそこランクが上のところの朝食バイキングにも匹敵する。営業関係で、あちこちのホテルへの営業で出張した時に宿泊ついでに検証したりしていたのだ。
「く。イツキ、随分と真剣な顔だな?」
アーネストさんは既に色々食べていたようだ。向かい合わせで座っているので、私の顔がどうなっているのか見えて当然だ。
「……職業柄と言いますか」
「君は特級料理人だからな? 無理もない」
「美味しいですよ?」
「しかし、思うところはあるだろう?」
「そうですね……」
他のもちょっとずつ口にするが、少しアレンジはしたい部分があった。
「思い付いたのか?」
「はい。例えば……オムレツのレパートリーでしょうか?」
「? オムレツでも? いや……たしか」
「はい。イージアス城の食堂でもお出ししているオムレツの提案に、私も加わったので」
「そうだな。……済まない、ここの料理長を呼んでもらえるか?」
アーネストさんがメイドさんにそう告げてから少しして……初老くらいの年代の男性がやってきた。
「お初にお目にかかります。この宿の料理長を務めているものです」
「イツキ=エイペックと申します。わざわざありがとうございます」
「エイペック……イツキ、様。もしや、特級料理人でいらして生産ギルドに多くのレシピを納品してくださった?」
「はい。微力ながら……で、こちらのお料理をいただきました。とても美味しかったのですが……いくつか提案させていただければな、と」
「良いのですか? それは我々にとってありがたいことですが」
「イージアス城でも導入しているので大丈夫ですよ? 可能であれば、他のお宿でも共有していただきたいのですが」
「承知致しました」
で、オムレツの具材……包み込む材料のレパートリーをいくつか提案した後は。せっかくなので、『スパニッシュ風オムレツ』を厨房にお邪魔して作らせていただいたところ。
「「「「「美味しい!!?」」」」」
アーネストさんも含めて、料理人の人達に試食していただくと……オムレツの概念を覆した出来栄えでも、味の良さに皆さんのほっぺがピンクになったのだ。
「……国民だけでなく、貴族階級でもまた騒がしくなるな?」
「そうですね?」
けど、美味しいものは色んな人達に共有してもらいたい。
半分は普通の休暇の過ごし方になったが、アーネストさんとは大きく進展したものになりました。
だから、専門学校に行こうにも……学費などで諦めていた、憧れの料理人の職になれるとは思ってもいなかったのだ。しかも、トリップ特典で言うチート職とも言える『特級料理人』に。
おまけに、数ヶ月前にはレベルがいつの間にか上がっていると言うことで、『鑑定』のスキルも会得出来た。魔法はまだまだ練習が多いのに、神様とかの気まぐれにしても凄いことだと思う。
だから、今並べられた朝ご飯を前に……つい、鑑定のスキルを使ってみることにした。
【パン……貴族階級では主流の白パン。乳製品を惜しみなく練り込んである】
【スープ……南瓜のポタージュ。素材本来の甘味に加えて、高級コンソメのお味が絶妙】
【チーズオムレツ……ふわとろ卵の中には、ナチュラルチーズたっぷり】
【ポトフ……汁物と言うより、副菜感覚。ゴロゴロ野菜と優しい味わいが特徴】
【ほうれん草のソテー……高級発酵バターたっぷりの優しい塩気と甘みが特徴】
鑑定の表示は、料理へ調理されるものだとざっくりと言った感じ。食材となると、採取や調理前は色々注釈がついたりするのだけれど。
(味は……どうだろう?)
基本的に、この世界『シブースト』の食事事情は……食材もだけど、味付けも中世ヨーロッパ風の世界観なのに味付けはどちらかといえば日本風。
米、醤油、味噌、酒などなど。地域の特産などで取り寄せが必要な場合もあるが……大抵は手に入るものが多い。
そのお陰で、私の作れる料理に不便はないが……料理長を含める、こちらの世界の人達の料理は海外料理みたいなのもあるが、一部は日本風なものもある。主にデザートや卵料理とかが。
だから、こちらのお宿の料理人の人の腕前も気になるのである。
ほんのり、湯気が立つ……まずは、かぼちゃのポタージュから。
スプーンから伝わるとろみ加減はまずまず。口に運び、味を確かめてみる。
(……うん、美味しい)
けど、料理長の方がもっともっと美味しい。やっぱり、腕前もだが私以上の『特級料理人』だからだろう。しかしながらこれは、ホテルで言うならそこそこランクが上のところの朝食バイキングにも匹敵する。営業関係で、あちこちのホテルへの営業で出張した時に宿泊ついでに検証したりしていたのだ。
「く。イツキ、随分と真剣な顔だな?」
アーネストさんは既に色々食べていたようだ。向かい合わせで座っているので、私の顔がどうなっているのか見えて当然だ。
「……職業柄と言いますか」
「君は特級料理人だからな? 無理もない」
「美味しいですよ?」
「しかし、思うところはあるだろう?」
「そうですね……」
他のもちょっとずつ口にするが、少しアレンジはしたい部分があった。
「思い付いたのか?」
「はい。例えば……オムレツのレパートリーでしょうか?」
「? オムレツでも? いや……たしか」
「はい。イージアス城の食堂でもお出ししているオムレツの提案に、私も加わったので」
「そうだな。……済まない、ここの料理長を呼んでもらえるか?」
アーネストさんがメイドさんにそう告げてから少しして……初老くらいの年代の男性がやってきた。
「お初にお目にかかります。この宿の料理長を務めているものです」
「イツキ=エイペックと申します。わざわざありがとうございます」
「エイペック……イツキ、様。もしや、特級料理人でいらして生産ギルドに多くのレシピを納品してくださった?」
「はい。微力ながら……で、こちらのお料理をいただきました。とても美味しかったのですが……いくつか提案させていただければな、と」
「良いのですか? それは我々にとってありがたいことですが」
「イージアス城でも導入しているので大丈夫ですよ? 可能であれば、他のお宿でも共有していただきたいのですが」
「承知致しました」
で、オムレツの具材……包み込む材料のレパートリーをいくつか提案した後は。せっかくなので、『スパニッシュ風オムレツ』を厨房にお邪魔して作らせていただいたところ。
「「「「「美味しい!!?」」」」」
アーネストさんも含めて、料理人の人達に試食していただくと……オムレツの概念を覆した出来栄えでも、味の良さに皆さんのほっぺがピンクになったのだ。
「……国民だけでなく、貴族階級でもまた騒がしくなるな?」
「そうですね?」
けど、美味しいものは色んな人達に共有してもらいたい。
半分は普通の休暇の過ごし方になったが、アーネストさんとは大きく進展したものになりました。
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