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王女のまかない⑩
第3話『なめらか小豆アイスクリーム』②
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ジェラルドを抱っこするには、この体だと少し大変なので……ゆっくりと抱っこしてあげた。
「お母様を困らせてはダメよ、ジェラルド?」
「あぶ?」
多分転生者ではないでしょうから、ジェラルドが何を主張したいのかわからない。とりあえず、私が抱っこしてくれてたからか、持ち上げると『きゃっきゃ』とはしゃいでくれたわ。
「ふふ。やんちゃ盛りですからね?」
「うー!」
イツキがジェラルドの頭を撫でると、彼女にも抱っこしてもらいたいのか……ジェラルドが手を伸ばした。イツキは私とお母様に確認を取ってから、ジェラルドの脇に両手を差し込んだ。
許可を取らなくてもいいのに、と思うのだが……私も時々忘れがちだが、私やジェラルドは王族だ。ただの一般人ではない。
「はーい。高い高ーい!」
「あぅ! ぶー!!」
けど、許可を出したらイツキは全力でジェラルドをあやしてくれていた。
ジェラルドも、イツキがよく遊んでくれるお姉さんと認識しているのか、全力で楽しんでいた。
それもいいが。
「お母様。イツキとおやつを作ってきたの!」
「あら、嬉しいわ」
早速お茶会にしようと……メイド達に準備をさせて、ジェラルドも座れるようにセッティングされた。ジェラルドはイツキの横がいいのか、お母様とイツキの間に座ることになった。
「あう?」
ジェラルドは、私が亜空間収納から取り出した小豆アイスを見て……ちょっと首を傾げていたわ。まあ、この世界にアイスクリーム自体ないもの。
「まあ。これは……アイスクリーム?」
「はい。たまには……と、小豆を使ってリュシアーノ様とご一緒に仕上げました」
「これが……ロッシ?」
「なめらかな舌触りで美味しいですよ?」
「いただくわ。……ジェラルドには少しばかりいいかしら?」
「はい。チョコレートは使っていませんし、少しなら」
と言うことで、私がジェラルドに少し食べさせてあげることになったわ。
「はい、ジェラルド? お口を開けて?」
「あー」
一歳児でもこちらの言っていることを少しずつ理解しているのか……口をゆっくり開けてくれた。そこに、デザートスプーンでほんの少し載せたアイスを入れてあげれば……口に含んだら、むぐむぐと口を動かした。
「どう?」
「あー!」
よっぽど美味しかったのか、また『きゃっきゃ』と両手と両足をバタつかせたのだった。
「あら、気に入ったようね?」
と言って、お母様もひと口食べると……ほんわかと柔らかな笑顔を浮かべてくださったわ。
「いかがでしょう? ヘルミーナ様」
「とっても美味しいわ。オモチでもだけど……このように冷たいものにまで、ロッシ……アンコだったかしら? 豆が合うだなんて思わなかったわ。甘い豆というのは、イツキが以前いたところだと普通なの?」
「……そうですね。餡子の甘味の加減は、私好みにさせていただいていますが」
少し言葉を濁すのも無理はない。
私は転生者だけど……イツキは転移者。約二年前に、この世界にトリップさせられた。その秘密を知る人間は……ごく限られている。お父様の鑑定スキルでも、そこは閲覧出来ないようになっているのは……神とかの気まぐれかもしれないわ。
(そう言えば……イツキにも鑑定スキルが身についたって言ってたけど)
レアスキルなのに、今の仕事関連しか使わないらしいのよね? そこも、イツキらしいけど。
私はお母様とイツキが話している間に、ジェラルドにもうひと口アイスを上げたわ。
「お母様を困らせてはダメよ、ジェラルド?」
「あぶ?」
多分転生者ではないでしょうから、ジェラルドが何を主張したいのかわからない。とりあえず、私が抱っこしてくれてたからか、持ち上げると『きゃっきゃ』とはしゃいでくれたわ。
「ふふ。やんちゃ盛りですからね?」
「うー!」
イツキがジェラルドの頭を撫でると、彼女にも抱っこしてもらいたいのか……ジェラルドが手を伸ばした。イツキは私とお母様に確認を取ってから、ジェラルドの脇に両手を差し込んだ。
許可を取らなくてもいいのに、と思うのだが……私も時々忘れがちだが、私やジェラルドは王族だ。ただの一般人ではない。
「はーい。高い高ーい!」
「あぅ! ぶー!!」
けど、許可を出したらイツキは全力でジェラルドをあやしてくれていた。
ジェラルドも、イツキがよく遊んでくれるお姉さんと認識しているのか、全力で楽しんでいた。
それもいいが。
「お母様。イツキとおやつを作ってきたの!」
「あら、嬉しいわ」
早速お茶会にしようと……メイド達に準備をさせて、ジェラルドも座れるようにセッティングされた。ジェラルドはイツキの横がいいのか、お母様とイツキの間に座ることになった。
「あう?」
ジェラルドは、私が亜空間収納から取り出した小豆アイスを見て……ちょっと首を傾げていたわ。まあ、この世界にアイスクリーム自体ないもの。
「まあ。これは……アイスクリーム?」
「はい。たまには……と、小豆を使ってリュシアーノ様とご一緒に仕上げました」
「これが……ロッシ?」
「なめらかな舌触りで美味しいですよ?」
「いただくわ。……ジェラルドには少しばかりいいかしら?」
「はい。チョコレートは使っていませんし、少しなら」
と言うことで、私がジェラルドに少し食べさせてあげることになったわ。
「はい、ジェラルド? お口を開けて?」
「あー」
一歳児でもこちらの言っていることを少しずつ理解しているのか……口をゆっくり開けてくれた。そこに、デザートスプーンでほんの少し載せたアイスを入れてあげれば……口に含んだら、むぐむぐと口を動かした。
「どう?」
「あー!」
よっぽど美味しかったのか、また『きゃっきゃ』と両手と両足をバタつかせたのだった。
「あら、気に入ったようね?」
と言って、お母様もひと口食べると……ほんわかと柔らかな笑顔を浮かべてくださったわ。
「いかがでしょう? ヘルミーナ様」
「とっても美味しいわ。オモチでもだけど……このように冷たいものにまで、ロッシ……アンコだったかしら? 豆が合うだなんて思わなかったわ。甘い豆というのは、イツキが以前いたところだと普通なの?」
「……そうですね。餡子の甘味の加減は、私好みにさせていただいていますが」
少し言葉を濁すのも無理はない。
私は転生者だけど……イツキは転移者。約二年前に、この世界にトリップさせられた。その秘密を知る人間は……ごく限られている。お父様の鑑定スキルでも、そこは閲覧出来ないようになっているのは……神とかの気まぐれかもしれないわ。
(そう言えば……イツキにも鑑定スキルが身についたって言ってたけど)
レアスキルなのに、今の仕事関連しか使わないらしいのよね? そこも、イツキらしいけど。
私はお母様とイツキが話している間に、ジェラルドにもうひと口アイスを上げたわ。
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