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冒険者のまかない⑨
第1話 オカンとオトン①
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帰りたい!! と、久しぶりに思ったわ!?
「可愛ええ!!? めちゃくちゃ可愛ええやん!? にゃんこちゃんみたいやわ!!」
「あ、あ、あの……」
「めっさ可愛ええわぁ……!!」
自分、レクサス=バーミィ。
婚約者になって、少し経った頃に……実は、東方大陸に長期旅行中やった両親が帰ってくるのを待っとった。サフィアんとこの伯爵家にご挨拶へ行って、すぐにオカンらにも……と思ったら、大家はんが『ずっと旅行行ってるよー?』って教えてもらったんで……しゃーないんやけど、待ってた。
待ってた期間が長過ぎて、オカンがサフィアを気にいる度合いがめっちゃくちゃ凄かってん!?
会った途端、めちゃくちゃ猫っ可愛がるように……綺麗な銀髪を撫でつけてん!!
「オカン!? その辺にしてや!?」
「なんで~? こんな美人ちゃんがあんたの婚約者!? どこでひっかけたん??」
「ひっかけたとか言うなや!? 王女殿下の第一メイドやで!!」
「ほーん? 殿下の??」
自分がサフィアの立場を話せば……にんまりと笑顔になって、サフィアんことを離した。なんや嫌な予感すんなあ……と思っとると、オカンはぽんぽんとサフィアの頭を撫でた。
「? あの?」
「うちのアホんだらのどこに惚れたん?」
「え? アホ?」
「間に受けたらあかんで!? いつもそんな感じやから!!」
根掘り葉掘り聞く気やな、この酒豪オカンは!!?
今は酒飲んでいないようやけど……ずーっと後ろにおるオトンはニコニコ笑っとるだけやし。
「なーんや? アホんだらはアホんだらやない?? 年頃になっても、彼女はともかく……結婚したい相手を紹介しようともせんかったんに。こぉ~んな可愛こちゃんをやで? 旅行中から聞いとったけど、殿下とあんたんとこの隊長はんほどやなくても、若い子やん?」
「一気に言うなや!? サフィアが混乱しとるで!!」
顔真っ赤でかわええけど……湯気出そうなくらい、気絶一歩手前やわ!!
「え、え……え??」
「ちょぉ、こっち来ぃ」
サフィアをオカンから引っぺがして、自分の後ろに立たせた。今にも倒れそうな感じやけど……だいぶ、感情を表に出すようなサフィアは可愛い!! ほんまやったら、部屋で眺めていたいが……今日はそう言う日やないんで我慢やわ!!
「はは。レクサス君がそこまで女性に気遣うと言うのは……本気なんでしょう」
オトンは軽く手を叩いて、ニコニコ笑顔んまま……オカンの横に立った。酒豪で姐御気質のオカンに比べて……ネルヴィス隊長のような性格なんやなあ? 隊長もやけど、オトンもそこそこ腹黒い部分があんねん……。
「マジや」
「うんうん。美味しいお茶を淹れましたので、そろそろ中にどうぞ?」
「……おん」
そう。
今までのやりとり……全部玄関先でやっててん!!
「可愛ええ!!? めちゃくちゃ可愛ええやん!? にゃんこちゃんみたいやわ!!」
「あ、あ、あの……」
「めっさ可愛ええわぁ……!!」
自分、レクサス=バーミィ。
婚約者になって、少し経った頃に……実は、東方大陸に長期旅行中やった両親が帰ってくるのを待っとった。サフィアんとこの伯爵家にご挨拶へ行って、すぐにオカンらにも……と思ったら、大家はんが『ずっと旅行行ってるよー?』って教えてもらったんで……しゃーないんやけど、待ってた。
待ってた期間が長過ぎて、オカンがサフィアを気にいる度合いがめっちゃくちゃ凄かってん!?
会った途端、めちゃくちゃ猫っ可愛がるように……綺麗な銀髪を撫でつけてん!!
「オカン!? その辺にしてや!?」
「なんで~? こんな美人ちゃんがあんたの婚約者!? どこでひっかけたん??」
「ひっかけたとか言うなや!? 王女殿下の第一メイドやで!!」
「ほーん? 殿下の??」
自分がサフィアの立場を話せば……にんまりと笑顔になって、サフィアんことを離した。なんや嫌な予感すんなあ……と思っとると、オカンはぽんぽんとサフィアの頭を撫でた。
「? あの?」
「うちのアホんだらのどこに惚れたん?」
「え? アホ?」
「間に受けたらあかんで!? いつもそんな感じやから!!」
根掘り葉掘り聞く気やな、この酒豪オカンは!!?
今は酒飲んでいないようやけど……ずーっと後ろにおるオトンはニコニコ笑っとるだけやし。
「なーんや? アホんだらはアホんだらやない?? 年頃になっても、彼女はともかく……結婚したい相手を紹介しようともせんかったんに。こぉ~んな可愛こちゃんをやで? 旅行中から聞いとったけど、殿下とあんたんとこの隊長はんほどやなくても、若い子やん?」
「一気に言うなや!? サフィアが混乱しとるで!!」
顔真っ赤でかわええけど……湯気出そうなくらい、気絶一歩手前やわ!!
「え、え……え??」
「ちょぉ、こっち来ぃ」
サフィアをオカンから引っぺがして、自分の後ろに立たせた。今にも倒れそうな感じやけど……だいぶ、感情を表に出すようなサフィアは可愛い!! ほんまやったら、部屋で眺めていたいが……今日はそう言う日やないんで我慢やわ!!
「はは。レクサス君がそこまで女性に気遣うと言うのは……本気なんでしょう」
オトンは軽く手を叩いて、ニコニコ笑顔んまま……オカンの横に立った。酒豪で姐御気質のオカンに比べて……ネルヴィス隊長のような性格なんやなあ? 隊長もやけど、オトンもそこそこ腹黒い部分があんねん……。
「マジや」
「うんうん。美味しいお茶を淹れましたので、そろそろ中にどうぞ?」
「……おん」
そう。
今までのやりとり……全部玄関先でやっててん!!
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