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騎士のまかない⑱
第1話 お土産の品は
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遠征先で、少し土産をもらうことになったことがきっかけだった。
「騎士様。魔物討伐のお礼の一部に……是非こちらを。我が村の名産なのです」
「…………これは」
でかい、緑、黄色、橙色の塊。
手で持ち帰るなどは馬の負担にもなるので、俺や扱える者は亜空間収納に入れた。イージアス城に戻ってからはそれを……婚約者であり、城のまかない担当である料理人のイツキの前にだしてやった。
「おっきい、かぼちゃですね!」
「カボチャ……? パンポンをか?」
「パンポン……可愛い呼び名ですね?」
保存の利く、調理をすると少し甘みが強い野菜だ。イツキは本来この世界の住人ではないのだが、あちらでも似た食材があるらしく……呼び名以外は扱いやすいようだ。このパンポンも同じみたいだが。
「この野菜は、スープが多いな?」
「ポタージュですね? 去年料理長がよく仕込んでいました」
「その時に見なかったのか?」
「まかないに夢中だったので、うっかり」
「そうか」
知るきっかけを、俺が与えられたのが嬉しかった。やはり……俺の愛しい婚約者だからな。
「これだけたくさんあると……時期は終わっても、やってみたいことがありますね?」
「やってみたいこと?」
「特に、リュシアーノ様に提案したら……ネルヴィスさんも喜ぶと思います」
「? 殿下もご存知の何か?? 異世界の何かか? それに隊長が何故?」
「ハロウィンと言うイベントをやってみたいんです」
「ハロウィン??」
また、モモのセックと似たような異世界の催し物なのか??
だが、イツキがやってみたいと言うことが珍しいから……俺は叶えるべく、まず翌日隊長に相談してそこから、殿下とお茶会の時にイツキと同席させていただくことが出来た。
「ハロウィン……素敵よ! イツキ!!」
「リュシアーノ様なら可愛い魔女に変身出来ると思います!!」
「イツキだと猫娘かしら?」
「あ、黒猫とか好きです」
と、似た境遇の持ち主同士で、話が盛り上がっていく。
「イツキ、リュシアーノ様……そのハロウィンでは具体的に何をするのですか?」
隊長が質問をされると、殿下はいたずらっ子のような微笑みを浮かべた。体が九歳なのに、転生者として覚醒されてから……どんどん俺くらいの世代に近づいてくる。陛下達の前ではまだまだ隠していらっしゃるようだが。
「まずは、仮装! テーマに合わせて衣装を着るの!!」
「そして、大人に向かって合言葉を唱えて……お菓子をねだりに行くのです!」
「ねー!」
どうやら、大人と言うよりは子供が楽しむための行事らしい。だから、内面はともかく子供の殿下に提案したいとイツキは言ったのだろう。
「けど。子供はお城だとリュシアーノ様だけですし……私達だけで簡易的なハロウィンパーティーでも出来ないかと」
「したいわ!! お菓子以外に何か作るの??」
「かぼちゃをアーネストさんにたくさんいただいたので……グラタンかミートパイを」
「…………手伝うから、どっちも食べたいわ」
「ふふ。そうしますか」
グラタンもだが、ミートパイとやらもよくわからない。
しかし、殿下が召し上がりたいのならきっと美味い料理なのだろう。俺や隊長も手伝うことになったが、衣装の用意も殿下とご一緒にすることになった。
「騎士様。魔物討伐のお礼の一部に……是非こちらを。我が村の名産なのです」
「…………これは」
でかい、緑、黄色、橙色の塊。
手で持ち帰るなどは馬の負担にもなるので、俺や扱える者は亜空間収納に入れた。イージアス城に戻ってからはそれを……婚約者であり、城のまかない担当である料理人のイツキの前にだしてやった。
「おっきい、かぼちゃですね!」
「カボチャ……? パンポンをか?」
「パンポン……可愛い呼び名ですね?」
保存の利く、調理をすると少し甘みが強い野菜だ。イツキは本来この世界の住人ではないのだが、あちらでも似た食材があるらしく……呼び名以外は扱いやすいようだ。このパンポンも同じみたいだが。
「この野菜は、スープが多いな?」
「ポタージュですね? 去年料理長がよく仕込んでいました」
「その時に見なかったのか?」
「まかないに夢中だったので、うっかり」
「そうか」
知るきっかけを、俺が与えられたのが嬉しかった。やはり……俺の愛しい婚約者だからな。
「これだけたくさんあると……時期は終わっても、やってみたいことがありますね?」
「やってみたいこと?」
「特に、リュシアーノ様に提案したら……ネルヴィスさんも喜ぶと思います」
「? 殿下もご存知の何か?? 異世界の何かか? それに隊長が何故?」
「ハロウィンと言うイベントをやってみたいんです」
「ハロウィン??」
また、モモのセックと似たような異世界の催し物なのか??
だが、イツキがやってみたいと言うことが珍しいから……俺は叶えるべく、まず翌日隊長に相談してそこから、殿下とお茶会の時にイツキと同席させていただくことが出来た。
「ハロウィン……素敵よ! イツキ!!」
「リュシアーノ様なら可愛い魔女に変身出来ると思います!!」
「イツキだと猫娘かしら?」
「あ、黒猫とか好きです」
と、似た境遇の持ち主同士で、話が盛り上がっていく。
「イツキ、リュシアーノ様……そのハロウィンでは具体的に何をするのですか?」
隊長が質問をされると、殿下はいたずらっ子のような微笑みを浮かべた。体が九歳なのに、転生者として覚醒されてから……どんどん俺くらいの世代に近づいてくる。陛下達の前ではまだまだ隠していらっしゃるようだが。
「まずは、仮装! テーマに合わせて衣装を着るの!!」
「そして、大人に向かって合言葉を唱えて……お菓子をねだりに行くのです!」
「ねー!」
どうやら、大人と言うよりは子供が楽しむための行事らしい。だから、内面はともかく子供の殿下に提案したいとイツキは言ったのだろう。
「けど。子供はお城だとリュシアーノ様だけですし……私達だけで簡易的なハロウィンパーティーでも出来ないかと」
「したいわ!! お菓子以外に何か作るの??」
「かぼちゃをアーネストさんにたくさんいただいたので……グラタンかミートパイを」
「…………手伝うから、どっちも食べたいわ」
「ふふ。そうしますか」
グラタンもだが、ミートパイとやらもよくわからない。
しかし、殿下が召し上がりたいのならきっと美味い料理なのだろう。俺や隊長も手伝うことになったが、衣装の用意も殿下とご一緒にすることになった。
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