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国王のまかない⑦

第2話 離乳食を作ろう①

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 どうすれば……とうなっていると、イツキが何か思いついたのか……手を叩き出した。


「陛下。ジェラルド様の離乳はまだですか??」

「? 乳離れのことか??」

「はい。完全に移っていないかもしれませんが……以前に、ヘルミーナ様からそろそろ始まるかもとおっしゃっていましたので」

「…………もしや、俺がまた食事を??」

「ジュースとかはまだいけないですからね? 先に白湯や重湯からの方がいいですし」

「オモユ??」

「あ……重湯はないのでしょうか?」

「ああ」


 普通の湯ではないのはわかったが、どのようなものなのだろうか??


「簡単に言いますと、お粥……特に、リーゾのお粥の水の量を多くして、その上澄み液をすくうんですよ。赤ちゃん以外に、病人にも有効な食べ物です」

「……普通にリーゾの粥ではダメなのか??」

「お腹への負担を考えると、ダメです。塩気もほぼない方がいいんですよ」

「……腹への負担」


 ヘルミーナの胸の負担に強く働きかけていた『モチ』と似た感じか。

 それに、まだジェラルドにはチョコレートや蜂蜜も食せない。

 負担をかける食事を与えてはいけないと……この女性から少しずつ学んできたが、これまでの医学とはまた違っている気がした。

 バクスらも、時々イツキにはアレルギーを含める医学の知識をあらためて学んでいると聞いたが……東方大陸では、ここまで医学の知識が発展していたのだろうか?

 だが、今はジェラルドのことだ。


「ジュースは甘いものを欲しがる中毒性……病みつきと同じ意味ですが。お母さんの母乳以外にその味を知ってしまうと食事を食べにくい傾向があるとも言われています」

「…………リュシアーノの時は、頻繁に与えてしまったが」


 たしかに、なかなか食事をしないと困った気がする。約十年前なので、記憶が少しおぼろげではあるが。


「そうですね。知らないとそうなってしまう場合もあります。なので、まずは離乳期が始まっているのなら……別の料理を考えてみましょう」

「それがオモユか?」

「少々手間はかかりますが、一番無難かと」

「わかった……」


 ただ、手間はかかると言っていたが……以前のメンタイコほどではないが、時間がかかるものらしく。


「まず、リーゾはお水に対してこれだけです」


 簡易厨房に持ってこさせた材料は……リーゾと塩と水のみ。

 道具は鍋とザルとボウル。

 これだけで大丈夫なのか? と正直思ったが。

 用意されていたリーゾの量が……相当少ないのに大丈夫かと心配になった!!?


リーゾはこれだけでいいのか?」

「上澄み液をジェラルド様には召し上がっていただくので大丈夫です」

「……ザルがあると言うことは……避けると?」

「そうですね。歯もまだ生え始めだとヘルミーナ様にお聞きしましたし、それなら重湯の方が最適です」


 赤児の食事にも、色々気を配らなくてはいけなかったのか……と思わずにいられなかった。
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