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料理長のまかない⑤
第1話 養女のお陰
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あり得ねぇ……と思うしかない。
「……マジで、お前さんが作ったのか??」
「んもぉ、さっきからそう言ってるじゃん!」
「…………だってなあ?」
信じられない出来事が起きたんだ。
俺の婚約者……明日には嫁さんだが……そのサーシャが、料理を作ったんだぜ??
焼くも、煮るも何もかもが消し炭とか……下手すると魔物の臓物や汚物を精製してしまった……んだが。
イツキのレシピだけで作った……『ホットケーキ』っつーのを俺が明日の準備のために、サーシャの拠点で振る舞われた。
それが、見た目もだが……味や食感も、素人出来だが……文句の言いようがなかった。
と言うか、サーシャにしては上出来過ぎた!!
「いっちゃんのレシピのお陰だよぉ。普通の生産ギルドに置いてあるレシピよりもわかりやすかったから~」
いや、それもあるだろうが……大雑把に作るお前さんも悪いんだぞ?
と言う言葉は飲み込んで、もう一度『ホットケーキ』を口にしてみる。
薄いスポンジケーキではないが、ほのかに甘く……たっぷりの蜂蜜もだが、塩入りのバターとの相性が良い。
あったかい菓子なんざ……クッキーくらいが定番だが、ケーキでも作れるとは。俺も、最近イツキに教わったケーキがある。
ここで披露しようか少し悩んだが、道具があるか……ないだろうな?
「いっちゃんのホットケーキね? もっともっといろんな種類があったんだよ~?」
「もっと?」
「バナナでしょ? パインにチョコレート……あと、難しいのだとご飯向きとか」
「……食事向きのなら、夕飯がわりに作るか?」
「シューくん、教わったの??」
「まだ数回しか作ってねぇが、あれは美味かったな?」
「わーい!」
とくれば、材料もだが道具の調達もしないとなあ?
イツキが定期的に生産ギルドにレシピを登録しているお陰で……道具の需要もそこそこ変わってきた。
あいつは知らないだろうが……アレルギーの発見があったため、他国でもイツキの評判がすごいらしい。引き抜こうと言うアホな連中も出たらしいが……先に俺の養女だと言うことと、アーネストの坊の婚約者の事実を知れば……まあ、少しずつ諦めていったそうだ。
坊はあれでもハインツベルト家の次男だからなあ?
貿易の手腕とも言われてる、親父さんが特に気に入っているとも知られれば……アホな連中は簡単に手を出せない。
それに、リュカルドを含める王族の後ろ盾もあれば、尚更な?
一年以上経つが、俺の養女はマジで世界を変えてきた存在だ。
自分の幸せもだが、他人の幸せを優先的にしてくれる……サーシャの料理の腕前も変えてしまうくらいに。
「……マジで、お前さんが作ったのか??」
「んもぉ、さっきからそう言ってるじゃん!」
「…………だってなあ?」
信じられない出来事が起きたんだ。
俺の婚約者……明日には嫁さんだが……そのサーシャが、料理を作ったんだぜ??
焼くも、煮るも何もかもが消し炭とか……下手すると魔物の臓物や汚物を精製してしまった……んだが。
イツキのレシピだけで作った……『ホットケーキ』っつーのを俺が明日の準備のために、サーシャの拠点で振る舞われた。
それが、見た目もだが……味や食感も、素人出来だが……文句の言いようがなかった。
と言うか、サーシャにしては上出来過ぎた!!
「いっちゃんのレシピのお陰だよぉ。普通の生産ギルドに置いてあるレシピよりもわかりやすかったから~」
いや、それもあるだろうが……大雑把に作るお前さんも悪いんだぞ?
と言う言葉は飲み込んで、もう一度『ホットケーキ』を口にしてみる。
薄いスポンジケーキではないが、ほのかに甘く……たっぷりの蜂蜜もだが、塩入りのバターとの相性が良い。
あったかい菓子なんざ……クッキーくらいが定番だが、ケーキでも作れるとは。俺も、最近イツキに教わったケーキがある。
ここで披露しようか少し悩んだが、道具があるか……ないだろうな?
「いっちゃんのホットケーキね? もっともっといろんな種類があったんだよ~?」
「もっと?」
「バナナでしょ? パインにチョコレート……あと、難しいのだとご飯向きとか」
「……食事向きのなら、夕飯がわりに作るか?」
「シューくん、教わったの??」
「まだ数回しか作ってねぇが、あれは美味かったな?」
「わーい!」
とくれば、材料もだが道具の調達もしないとなあ?
イツキが定期的に生産ギルドにレシピを登録しているお陰で……道具の需要もそこそこ変わってきた。
あいつは知らないだろうが……アレルギーの発見があったため、他国でもイツキの評判がすごいらしい。引き抜こうと言うアホな連中も出たらしいが……先に俺の養女だと言うことと、アーネストの坊の婚約者の事実を知れば……まあ、少しずつ諦めていったそうだ。
坊はあれでもハインツベルト家の次男だからなあ?
貿易の手腕とも言われてる、親父さんが特に気に入っているとも知られれば……アホな連中は簡単に手を出せない。
それに、リュカルドを含める王族の後ろ盾もあれば、尚更な?
一年以上経つが、俺の養女はマジで世界を変えてきた存在だ。
自分の幸せもだが、他人の幸せを優先的にしてくれる……サーシャの料理の腕前も変えてしまうくらいに。
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