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副料理長のまかない②
第1話 肝の浄化
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今日は、俺がまたイツキに料理を習う日だった。
ただし、少し特殊な魔物の部位。
料理長が導入したことで、国内外で需要が増えてきた魔物の肉だが……肉はともかく、卵でもない『内臓』と言う部位を使った料理を習うのだ。
今までは捨てる部位だったのを……イツキは簡単だからと教えてくれると言う。
「今日皆さんに教えるのは……だいぶ前に食べていただいたコカトリスの『肝の雑炊』です」
「「「「肝!!?」」」」
「オジヤって……お粥みたいな??」
「そうです。エリオさん」
「……肝って、魔素が集中的に溜まっている箇所だろ?」
一度だけ……去年の秋頃に、イツキが俺達に振る舞ってくれた『オジヤ』。それを今日、俺達に教えてくれるらしい。
毒とも言える箇所を、料理長自ら口にしたので俺達も美味いとあの時は食べることは出来たが。
「大丈夫ですよ? 浄化方法はきちんとお伝えしますので、皆さんでも出来ます」
「……どうやんだ?」
「炙るんです」
「「「「「あぶる??」」」」」
イツキが用意したのは……炭。
あと、金網に野営で炭を入れて火をつけるのに必要な丈夫な鍋。それに氷を入れた水のボウル。
そして……メインと言える赤紫色をした、普通だと触りたいと思えないコカトリスの肝。今朝、料理長の指示で取っておくように言われなければ、捨てる箇所でしかなかった。
「まずは、炭火を作って」
手分けして、鍋に炭を入れて火をつけ……じっくり熱を行き渡らせたら……イツキは金網を載せ、さらに手袋で肝を掴んだら網の上に肝を置く。
すぐに、じゅっと音が立って軽く縮んだら……今度はトングを使ってイツキは表面だけに火を通して行った。
「表面が焼けたら……次に冷水に沈めます」
わざわざ氷を入れた冷たい水に、熱い肝を入れると……さらに縮む。
すぐにイツキは手袋を外して、肝をボウルから取り出した。俺に鑑定の技能はないが、もう触っても大丈夫なのか?
イツキ自身にも毒に侵された様子は特に見えない。
「あとは、焦げた薄皮を剥くだけです」
皮を剥いた肝は、赤紫からネズミ色に変わっていた。
だが、この状態でも進んで食べたいとは思えなかった。
「イツキさん、これをどうオジヤにするの??」
比較的仲の良いエリオが、イツキに積極的に質問をしている。最近だが、近衛騎士の坊主のひとりとも仲良くなったのがきっかけで、より一層イツキが教えてくれるレシピには興味津々な感じだ。
「小さめの包丁で、叩くんです」
イツキは料理長の養女だが、厨房の中だとまだまだ新人なので敬語は外さない。と言うか、敬語を外すところを見たことがない。
婚約者でいらっしゃる、ハインツベルト様にもずっと敬語だそうだが。
ただし、少し特殊な魔物の部位。
料理長が導入したことで、国内外で需要が増えてきた魔物の肉だが……肉はともかく、卵でもない『内臓』と言う部位を使った料理を習うのだ。
今までは捨てる部位だったのを……イツキは簡単だからと教えてくれると言う。
「今日皆さんに教えるのは……だいぶ前に食べていただいたコカトリスの『肝の雑炊』です」
「「「「肝!!?」」」」
「オジヤって……お粥みたいな??」
「そうです。エリオさん」
「……肝って、魔素が集中的に溜まっている箇所だろ?」
一度だけ……去年の秋頃に、イツキが俺達に振る舞ってくれた『オジヤ』。それを今日、俺達に教えてくれるらしい。
毒とも言える箇所を、料理長自ら口にしたので俺達も美味いとあの時は食べることは出来たが。
「大丈夫ですよ? 浄化方法はきちんとお伝えしますので、皆さんでも出来ます」
「……どうやんだ?」
「炙るんです」
「「「「「あぶる??」」」」」
イツキが用意したのは……炭。
あと、金網に野営で炭を入れて火をつけるのに必要な丈夫な鍋。それに氷を入れた水のボウル。
そして……メインと言える赤紫色をした、普通だと触りたいと思えないコカトリスの肝。今朝、料理長の指示で取っておくように言われなければ、捨てる箇所でしかなかった。
「まずは、炭火を作って」
手分けして、鍋に炭を入れて火をつけ……じっくり熱を行き渡らせたら……イツキは金網を載せ、さらに手袋で肝を掴んだら網の上に肝を置く。
すぐに、じゅっと音が立って軽く縮んだら……今度はトングを使ってイツキは表面だけに火を通して行った。
「表面が焼けたら……次に冷水に沈めます」
わざわざ氷を入れた冷たい水に、熱い肝を入れると……さらに縮む。
すぐにイツキは手袋を外して、肝をボウルから取り出した。俺に鑑定の技能はないが、もう触っても大丈夫なのか?
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「あとは、焦げた薄皮を剥くだけです」
皮を剥いた肝は、赤紫からネズミ色に変わっていた。
だが、この状態でも進んで食べたいとは思えなかった。
「イツキさん、これをどうオジヤにするの??」
比較的仲の良いエリオが、イツキに積極的に質問をしている。最近だが、近衛騎士の坊主のひとりとも仲良くなったのがきっかけで、より一層イツキが教えてくれるレシピには興味津々な感じだ。
「小さめの包丁で、叩くんです」
イツキは料理長の養女だが、厨房の中だとまだまだ新人なので敬語は外さない。と言うか、敬語を外すところを見たことがない。
婚約者でいらっしゃる、ハインツベルト様にもずっと敬語だそうだが。
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