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冒険者のまかない⑥
第1話 海辺遠征
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近衛騎士団、第一部隊は……ちょぉ、遠くまで遠征に出とった。
春先の海での魔物討伐ん手伝い。
自分も昔やっとった冒険者の連中も多いが、魚系や化けもん系の魔物の大量発生時期になったもんで……冒険者達だけやと大変やから……数国の近衛騎士団にも要請がかかる。
今年の担当は、自分含める第一部隊になったわけや。
「おっしゃ、行くで!!」
「「「「「おおおおおお!!」」」」」
海からシャーク系の魔物が出てきたら……まあ、半分以上漁師んような勢いで狩りに狩っていくわ。
この豊漁とも言える魔物の大量発生は、漁師町などの名物でもあるからなあ?? 他の冒険者や腕の立つ漁師連中も……負けじと魔物を倒すのに海に入っていく。
自分は隊長やから、浜辺に打ち上げられたのをサクッと息の根止めたり、解体していくのが仕事や。まあ、比較的楽な仕事しとる。けど、若い連中の腕試し兼ねとるからこれで良い。
自分もまだ若いけど、十代やないからなあ?? ワルシュ先輩に憧れてた駆け出しの頃とはもう違う。
(……っかし、ちょぉ寒いわぁ)
普段が防寒結界完備のイージアス城で生活しとるんで……外に出るとまあ寒い寒い。
特に海に居るから、海風も強いし波から出る飛沫も冷たい!!
こう言う時には、自分のマブダチであるイツキはんの熱々料理が恋しいわぁ……。
(シチューもええし、熱いオコノミヤキも捨て難い。肉のまんじゅうもええなあ?)
まだまだ料理はあるらしいが、イツキはんが元いた世界の料理は熱々のものもあれば、冷たいもんもぎょーさんあるんやて。
海やと、魚とか貝焼いたりするもんが多いが……イツキはんやと『フライ』っちゅー揚げもんが得意やねんな。普通の素揚げとちごて、あれもなかなかに美味い。
一応、今日の仕事もしながらそんなことばっか考えてた。
「バーミィ隊長!! アサリがそっちに!!」
部下のひとりが大声で報告をくれたんで、前を向けば……まあ、ゴブリンの頭程ある凶暴性の高い『貝』の魔物が自分めがけて口を開けていた。
思いっきり、自分を挟むつもりでおったやろうが……。
「……アホか? 自分から弱点丸見えさせるって」
剣を剥き出しの身の部分に突き刺し……嫌な悲鳴が聞こえたが、無視して他のアサリも同様に倒していく。全部倒したら、そこそこの数となったが……口を自然と閉じたそいつらに、自分はええこと思いついた。
(亜空間収納にこいつら入れたら……城に持ち帰って)
イツキはんに調理してもらうのもええかもしれん。
アサリはでかいけど、新鮮なうちに焼いたり茹でたりしたら食べられる魔物でもある。これを発見したのは、今はイージアス城の料理長であるワルシュ先輩とその婚約者のサーシャ先輩や。
(……ここで食べるのもええけど、絶対イツキはんのが美味いはず)
出来たら、サフィアにも食べさせてあげたいわ……。
自分はちろっと恋人のことも思い出しながら、部下に指示を出しつつアサリを亜空間収納に入れていった。
春先の海での魔物討伐ん手伝い。
自分も昔やっとった冒険者の連中も多いが、魚系や化けもん系の魔物の大量発生時期になったもんで……冒険者達だけやと大変やから……数国の近衛騎士団にも要請がかかる。
今年の担当は、自分含める第一部隊になったわけや。
「おっしゃ、行くで!!」
「「「「「おおおおおお!!」」」」」
海からシャーク系の魔物が出てきたら……まあ、半分以上漁師んような勢いで狩りに狩っていくわ。
この豊漁とも言える魔物の大量発生は、漁師町などの名物でもあるからなあ?? 他の冒険者や腕の立つ漁師連中も……負けじと魔物を倒すのに海に入っていく。
自分は隊長やから、浜辺に打ち上げられたのをサクッと息の根止めたり、解体していくのが仕事や。まあ、比較的楽な仕事しとる。けど、若い連中の腕試し兼ねとるからこれで良い。
自分もまだ若いけど、十代やないからなあ?? ワルシュ先輩に憧れてた駆け出しの頃とはもう違う。
(……っかし、ちょぉ寒いわぁ)
普段が防寒結界完備のイージアス城で生活しとるんで……外に出るとまあ寒い寒い。
特に海に居るから、海風も強いし波から出る飛沫も冷たい!!
こう言う時には、自分のマブダチであるイツキはんの熱々料理が恋しいわぁ……。
(シチューもええし、熱いオコノミヤキも捨て難い。肉のまんじゅうもええなあ?)
まだまだ料理はあるらしいが、イツキはんが元いた世界の料理は熱々のものもあれば、冷たいもんもぎょーさんあるんやて。
海やと、魚とか貝焼いたりするもんが多いが……イツキはんやと『フライ』っちゅー揚げもんが得意やねんな。普通の素揚げとちごて、あれもなかなかに美味い。
一応、今日の仕事もしながらそんなことばっか考えてた。
「バーミィ隊長!! アサリがそっちに!!」
部下のひとりが大声で報告をくれたんで、前を向けば……まあ、ゴブリンの頭程ある凶暴性の高い『貝』の魔物が自分めがけて口を開けていた。
思いっきり、自分を挟むつもりでおったやろうが……。
「……アホか? 自分から弱点丸見えさせるって」
剣を剥き出しの身の部分に突き刺し……嫌な悲鳴が聞こえたが、無視して他のアサリも同様に倒していく。全部倒したら、そこそこの数となったが……口を自然と閉じたそいつらに、自分はええこと思いついた。
(亜空間収納にこいつら入れたら……城に持ち帰って)
イツキはんに調理してもらうのもええかもしれん。
アサリはでかいけど、新鮮なうちに焼いたり茹でたりしたら食べられる魔物でもある。これを発見したのは、今はイージアス城の料理長であるワルシュ先輩とその婚約者のサーシャ先輩や。
(……ここで食べるのもええけど、絶対イツキはんのが美味いはず)
出来たら、サフィアにも食べさせてあげたいわ……。
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