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王女のまかない⑥
第4話『早い年越し蕎麦』
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あふ、あふ、と。
私もだけど、ネルやアーネストが口を動かしながら天ぷらを頬張っていく。
それだけ火傷してしまうんじゃないかってくらい熱いけど……でも、でも!! 天ぷらとか揚げ物の醍醐味である出来立ては堪らないわ!!
カリッとした天ぷらの衣を歯で噛んで、プリッとした海老も熱くて堪らなかったけれど。天つゆをつけることが多かった若菜では濃い味付けが好みだったのに……出来立ての海老天は岩塩だけでも十分な味わいだった。
「おいひい!!」
あふあふ言いながら、素直な感想を述べる。イツキは『ありがとうございます』と言った後に、少しぬるめのほうじ茶を出してくれたので口を休ませた。このほうじ茶も、わざわざイツキが煎茶から焙じたんですって?
「さ、天ぷらもいいですが。お蕎麦も。伸びたら美味しくないですし」
と勧めてくれたので、私もだが他の二人もフォークで持ち上げた。ちょっと黒っぽいねずみ色のお蕎麦。つゆの色は結構濃いめ。うどんは白だしだったけど……イツキの出身地って聞いたことがない。日本がじゃなくて、地域とか。
けど、現代日本って味付けの差はあったりしたが、他府県の味の受けがいいからって、チェーン店進出とか色々あった。そう思うと、イツキの味付けもどこの地域とか特定しにくいもの。
とにかく、フォークで多めにお蕎麦をすくい上げて……落ちていくことも考慮して口に運んでいった。
「うわぁ……!」
茹で過ぎてぷちぷち切れたりしない、コシの強い蕎麦の味だった。田舎蕎麦とか十割蕎麦とかあったけど……イツキのはもうちょっと柔らかい風味の、シコシコとした蕎麦だった。若菜だった時は白っぽい蕎麦が好きだったが、転生してから食べられないと思っていたのに贅沢言えない。
だけど、すっごく美味しいし食べやすい!
つるつると口に吸い込まれるように入っていく。
「……チューカソバとはまた違う!?」
「チューカソバ? とは??」
「式典の後に、アーネストさんに試食していただいた麺料理です。構成は似てますが、味は全然違うんです」
私がお蕎麦に夢中になっていたら……近衛のふたりが別の話題を出していた。
けどアーネストの口にした料理に、私は心臓が口から出そうになったわ!?
(中華そば……ラーメン!?)
イツキったら、ラーメンまで作れるの!?
インスタントもないこの世界で……今お蕎麦を食べているのに、めちゃくちゃ食べたくなってきたわ!!
けど、ネルだけならともかく……アーネストの前で、転生者として振る舞うわけにはいかない。だから、今目の前にあるお蕎麦と天ぷらを堪能すべく、少し冷めたズッキーニを食べることにした。
「!? 美味しい……!!」
ズッキーニって、きゅうりとかナスっぽいから……火を通すとジューシーだとは思っていたけど。
天ぷらにすると、ジューシーさもだがホクホクしていて、塩とよく合った!
お蕎麦のおつゆは、流石に濃いので全部は飲めなかったけど、ぽかぽかになった体には十分過ぎるくらいの満足感。
(いい年越し前の夜食になったわ……)
だけど、ラーメンについては年が明けてからでもいいので、作って欲しいとイツキには頼んだ。何味がいいかと言われたので……難しいかもだが、味噌ラーメンを頼んでしまったわ。でも、味噌のアテがあるので大丈夫だと言ってくれた!!
私もだけど、ネルやアーネストが口を動かしながら天ぷらを頬張っていく。
それだけ火傷してしまうんじゃないかってくらい熱いけど……でも、でも!! 天ぷらとか揚げ物の醍醐味である出来立ては堪らないわ!!
カリッとした天ぷらの衣を歯で噛んで、プリッとした海老も熱くて堪らなかったけれど。天つゆをつけることが多かった若菜では濃い味付けが好みだったのに……出来立ての海老天は岩塩だけでも十分な味わいだった。
「おいひい!!」
あふあふ言いながら、素直な感想を述べる。イツキは『ありがとうございます』と言った後に、少しぬるめのほうじ茶を出してくれたので口を休ませた。このほうじ茶も、わざわざイツキが煎茶から焙じたんですって?
「さ、天ぷらもいいですが。お蕎麦も。伸びたら美味しくないですし」
と勧めてくれたので、私もだが他の二人もフォークで持ち上げた。ちょっと黒っぽいねずみ色のお蕎麦。つゆの色は結構濃いめ。うどんは白だしだったけど……イツキの出身地って聞いたことがない。日本がじゃなくて、地域とか。
けど、現代日本って味付けの差はあったりしたが、他府県の味の受けがいいからって、チェーン店進出とか色々あった。そう思うと、イツキの味付けもどこの地域とか特定しにくいもの。
とにかく、フォークで多めにお蕎麦をすくい上げて……落ちていくことも考慮して口に運んでいった。
「うわぁ……!」
茹で過ぎてぷちぷち切れたりしない、コシの強い蕎麦の味だった。田舎蕎麦とか十割蕎麦とかあったけど……イツキのはもうちょっと柔らかい風味の、シコシコとした蕎麦だった。若菜だった時は白っぽい蕎麦が好きだったが、転生してから食べられないと思っていたのに贅沢言えない。
だけど、すっごく美味しいし食べやすい!
つるつると口に吸い込まれるように入っていく。
「……チューカソバとはまた違う!?」
「チューカソバ? とは??」
「式典の後に、アーネストさんに試食していただいた麺料理です。構成は似てますが、味は全然違うんです」
私がお蕎麦に夢中になっていたら……近衛のふたりが別の話題を出していた。
けどアーネストの口にした料理に、私は心臓が口から出そうになったわ!?
(中華そば……ラーメン!?)
イツキったら、ラーメンまで作れるの!?
インスタントもないこの世界で……今お蕎麦を食べているのに、めちゃくちゃ食べたくなってきたわ!!
けど、ネルだけならともかく……アーネストの前で、転生者として振る舞うわけにはいかない。だから、今目の前にあるお蕎麦と天ぷらを堪能すべく、少し冷めたズッキーニを食べることにした。
「!? 美味しい……!!」
ズッキーニって、きゅうりとかナスっぽいから……火を通すとジューシーだとは思っていたけど。
天ぷらにすると、ジューシーさもだがホクホクしていて、塩とよく合った!
お蕎麦のおつゆは、流石に濃いので全部は飲めなかったけど、ぽかぽかになった体には十分過ぎるくらいの満足感。
(いい年越し前の夜食になったわ……)
だけど、ラーメンについては年が明けてからでもいいので、作って欲しいとイツキには頼んだ。何味がいいかと言われたので……難しいかもだが、味噌ラーメンを頼んでしまったわ。でも、味噌のアテがあるので大丈夫だと言ってくれた!!
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