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王妃のまかない⑤
第1話 食べたい!
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飢えていた。
と言う言い方は悪いとは思っているのだけれど……どうしても、食べたいものがあったのだ。
(……イツキのモチ料理が食べたいわ!!)
料理と言っても、好物になった『たぬきおにぎり』については定期的に食べている。
しかし、ジェラルドの出産を機に口にするようになった多種多様な『モチ』料理。
主にデザートだが……どれもが美味し過ぎたの!!
だけど、私はイツキの注意により……あまり食べられないことにショック受けている。ずっとではないけれど……ジェラルドを産んだばかりの私にはダメだと言う。
モチは乳の出が良くなるが、食べ過ぎると胸の病になるのだとか。私は食べ過ぎる手前で止められたけれど……それ以降、ほとんど口に出来ていない!!
一度、彼女が娘のリュシアと作った『ウスカワマンジュウ』と言うのを差し入れにもらったが……あのプルプルとして口溶けの良いデザートにも虜になってしまった。
モチではないけれど、モチに近い食感がもう快感で……お代わりが欲しいくらいだわ……。どうして、二個だけだったの!!?
「お呼びでしょうか? ヘルミーナ様??」
そして、とうとうイツキを呼んでしまうくらい私は限界だった!! もうひとつ理由はあったのだけれど。
「イツキ、お願いしたいことがあるの!!」
「? はい??」
「モチが食べたいの!! 少しでもいいから!!」
「え……ですが」
「理由のひとつに、乳の出が少し悪くなったのもあるの!!」
ほんの少し、出にくい程度だけれど。
それがモチで解決出来るのであれば、嬉しいことこの上ない!!
物凄い我欲ではあるけれど!
「控えめにし過ぎて、逆に体に負担があったのですか?」
「そうなの。……少し、だけど。出にくくて」
「とは言え、薬と違って即効性があるわけではないですが」
「そうなの?」
それにしても、あの時イツキは少しばかり慌ててはいたが。でも、そうかもしれない。ウスカワマンジュウも少ないとはいえ、差し入れてくれたのだから。
「ええ。ただし、量は必要最低限。甘いものと食事向きで変わってきますが」
「まあ? 食事向きもあるの?」
「お雑煮と言う、お肉や野菜を入れた汁ものもあるんです。甘いものだと、以前差し入れにお渡しした餡子を使ったお汁粉がありますよ?」
悩む。
物凄く……非常に悩むわ。
どちらもたくさんは食べれなくとも、時々であればイツキも振る舞ってくれるかもしれない。けど、私はリュシアーノとジェラルドの母でもあるのだ。わがままも、必要最低限にしなくては。
だから、私が頼んだのは……。
「今日は……その、オシルコと言うのを」
「かしこまりました。白玉作りに少し時間がかかりますのでお待ちください」
「シラタマ??」
「ヘルミーナ様のお好きなお餅の部分です。団子と同様の作り方ですが、こちらもあまり産後のお母さんが口にし過ぎてはいけません」
「イツキは色々知っているのね?」
「元いた場所の母や祖母の言いつけなどがあったからですが」
それにしても、凄いと思うわ。アーネストの公爵家からも伝え聞いた……蜂蜜とチョコレートを食べてもいい赤ん坊の年齢についても。イツキが伝えなければ、私も離乳食を始める頃にジェラルドに食べさせていたかもしれない。
リュシアについては……あまり、思い出せないが。蜂蜜だけは与えてしまったかもしれないわ。あの子は今のところ、すくすく成長はしているけれど。
イツキがオシルコを作ってくるまでしばらくの間。
私はお昼寝から起き上がっていた、ジェラルドを子守唄であやすことに専念したわ。
と言う言い方は悪いとは思っているのだけれど……どうしても、食べたいものがあったのだ。
(……イツキのモチ料理が食べたいわ!!)
料理と言っても、好物になった『たぬきおにぎり』については定期的に食べている。
しかし、ジェラルドの出産を機に口にするようになった多種多様な『モチ』料理。
主にデザートだが……どれもが美味し過ぎたの!!
だけど、私はイツキの注意により……あまり食べられないことにショック受けている。ずっとではないけれど……ジェラルドを産んだばかりの私にはダメだと言う。
モチは乳の出が良くなるが、食べ過ぎると胸の病になるのだとか。私は食べ過ぎる手前で止められたけれど……それ以降、ほとんど口に出来ていない!!
一度、彼女が娘のリュシアと作った『ウスカワマンジュウ』と言うのを差し入れにもらったが……あのプルプルとして口溶けの良いデザートにも虜になってしまった。
モチではないけれど、モチに近い食感がもう快感で……お代わりが欲しいくらいだわ……。どうして、二個だけだったの!!?
「お呼びでしょうか? ヘルミーナ様??」
そして、とうとうイツキを呼んでしまうくらい私は限界だった!! もうひとつ理由はあったのだけれど。
「イツキ、お願いしたいことがあるの!!」
「? はい??」
「モチが食べたいの!! 少しでもいいから!!」
「え……ですが」
「理由のひとつに、乳の出が少し悪くなったのもあるの!!」
ほんの少し、出にくい程度だけれど。
それがモチで解決出来るのであれば、嬉しいことこの上ない!!
物凄い我欲ではあるけれど!
「控えめにし過ぎて、逆に体に負担があったのですか?」
「そうなの。……少し、だけど。出にくくて」
「とは言え、薬と違って即効性があるわけではないですが」
「そうなの?」
それにしても、あの時イツキは少しばかり慌ててはいたが。でも、そうかもしれない。ウスカワマンジュウも少ないとはいえ、差し入れてくれたのだから。
「ええ。ただし、量は必要最低限。甘いものと食事向きで変わってきますが」
「まあ? 食事向きもあるの?」
「お雑煮と言う、お肉や野菜を入れた汁ものもあるんです。甘いものだと、以前差し入れにお渡しした餡子を使ったお汁粉がありますよ?」
悩む。
物凄く……非常に悩むわ。
どちらもたくさんは食べれなくとも、時々であればイツキも振る舞ってくれるかもしれない。けど、私はリュシアーノとジェラルドの母でもあるのだ。わがままも、必要最低限にしなくては。
だから、私が頼んだのは……。
「今日は……その、オシルコと言うのを」
「かしこまりました。白玉作りに少し時間がかかりますのでお待ちください」
「シラタマ??」
「ヘルミーナ様のお好きなお餅の部分です。団子と同様の作り方ですが、こちらもあまり産後のお母さんが口にし過ぎてはいけません」
「イツキは色々知っているのね?」
「元いた場所の母や祖母の言いつけなどがあったからですが」
それにしても、凄いと思うわ。アーネストの公爵家からも伝え聞いた……蜂蜜とチョコレートを食べてもいい赤ん坊の年齢についても。イツキが伝えなければ、私も離乳食を始める頃にジェラルドに食べさせていたかもしれない。
リュシアについては……あまり、思い出せないが。蜂蜜だけは与えてしまったかもしれないわ。あの子は今のところ、すくすく成長はしているけれど。
イツキがオシルコを作ってくるまでしばらくの間。
私はお昼寝から起き上がっていた、ジェラルドを子守唄であやすことに専念したわ。
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