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まかない婦のまかない④
第1話 まかない婦の婚約
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嬉しい。
嬉しい。
嬉しい!!
すっごく嬉しい!!!!
「……うふふ」
昨日は、異世界に来て初めての誕生日を迎えた。
恋人のアーネストさんもだが、親しい人達と集まってパーティーを開いていただき……お腹いっぱい食べたし、その……その……アーネストさんからプロポーズもしてもらっちゃった!!
今も私の左手には証拠の婚約指輪が!!
銀色に輝いていて、とっても綺麗。
今日からまた仕事だけど、昨夜のプロポーズを何回も思い出しちゃう。まさか、異世界でお嫁にもらえる事になるだなんて思わなかったから。
「おい、イツキ」
上機嫌でいると、養父であるワルシュ料理長に軽く小突かれてしまった。
「はい?」
「はい? じゃねぇよ。なんだぁ? 締まりのねぇ顔しやがって」
「そんなに?」
「大抵の奴は疑問に思っているぜ?」
振り返れば、副料理長も含めて全員に首を縦に振られてしまった。
「あ……すみません。変な顔してて」
「そうじゃねぇけど。あれか? 坊となんかあったのか?」
「…………はい」
アーネストさんと交際しているのは、この中の全員に知れ渡っているので……パーティーの後のことを正直に話した。証拠の婚約指輪も見せて。
そしたら。
「……ほぅ? 俺の養女をなあ?」
料理長の表情がいつも以上に怖くなっていく。
たしか、前は婚約してもいいような事を言っていたのに??
どうして、そんな怖い顔をする必要があるのだろうか??
「料理長??」
「……ったく、さっさと身を固める覚悟がなかったのか? 式典から二か月近く経つってんのに」
「ふふ」
ちょっと呆れただけだったようだ。認めてもらえなかったわけではないみたい。
「とりあえず、あれだ? もし、お前さんと坊がすぐに結婚したとしても……まだまだお前さんはここに必要だ。働いてもらうぞ?」
「了解しました」
仕事先があるだけでも嬉しい。
アーネストさんとはまだそこまで将来について話していなかったが、元OLの自分だと主婦になるだけだと退屈してしまいそうだから。
「それが婚約の証?」
「ブローチとかネックレスじゃなくて、指輪なんだ?」
「銀? シンプルで綺麗だね?」
同僚の皆さんにも褒めていただけた。この世界の婚約の証は指輪じゃなくて、誓約書の方が一般的らしい。宝飾品だと、ブローチだったりネックレスだったりとか。
仕事に戻ってからは、私は料理長と一緒にまかないの試作の仕込みをすることにした。
「この肉どーすんだ?」
ベーコンに使うようなのとは違う、脂と肉の層が交互になっている部位。
オーク肉ではなく、ちょっと高級なブランド肉。
実はこの部位、適当に塩胡椒で食べる以外は捨てがちな部位らしく。
もったいないので、私がまかないで使わせていただくことにしました!!
嬉しい。
嬉しい!!
すっごく嬉しい!!!!
「……うふふ」
昨日は、異世界に来て初めての誕生日を迎えた。
恋人のアーネストさんもだが、親しい人達と集まってパーティーを開いていただき……お腹いっぱい食べたし、その……その……アーネストさんからプロポーズもしてもらっちゃった!!
今も私の左手には証拠の婚約指輪が!!
銀色に輝いていて、とっても綺麗。
今日からまた仕事だけど、昨夜のプロポーズを何回も思い出しちゃう。まさか、異世界でお嫁にもらえる事になるだなんて思わなかったから。
「おい、イツキ」
上機嫌でいると、養父であるワルシュ料理長に軽く小突かれてしまった。
「はい?」
「はい? じゃねぇよ。なんだぁ? 締まりのねぇ顔しやがって」
「そんなに?」
「大抵の奴は疑問に思っているぜ?」
振り返れば、副料理長も含めて全員に首を縦に振られてしまった。
「あ……すみません。変な顔してて」
「そうじゃねぇけど。あれか? 坊となんかあったのか?」
「…………はい」
アーネストさんと交際しているのは、この中の全員に知れ渡っているので……パーティーの後のことを正直に話した。証拠の婚約指輪も見せて。
そしたら。
「……ほぅ? 俺の養女をなあ?」
料理長の表情がいつも以上に怖くなっていく。
たしか、前は婚約してもいいような事を言っていたのに??
どうして、そんな怖い顔をする必要があるのだろうか??
「料理長??」
「……ったく、さっさと身を固める覚悟がなかったのか? 式典から二か月近く経つってんのに」
「ふふ」
ちょっと呆れただけだったようだ。認めてもらえなかったわけではないみたい。
「とりあえず、あれだ? もし、お前さんと坊がすぐに結婚したとしても……まだまだお前さんはここに必要だ。働いてもらうぞ?」
「了解しました」
仕事先があるだけでも嬉しい。
アーネストさんとはまだそこまで将来について話していなかったが、元OLの自分だと主婦になるだけだと退屈してしまいそうだから。
「それが婚約の証?」
「ブローチとかネックレスじゃなくて、指輪なんだ?」
「銀? シンプルで綺麗だね?」
同僚の皆さんにも褒めていただけた。この世界の婚約の証は指輪じゃなくて、誓約書の方が一般的らしい。宝飾品だと、ブローチだったりネックレスだったりとか。
仕事に戻ってからは、私は料理長と一緒にまかないの試作の仕込みをすることにした。
「この肉どーすんだ?」
ベーコンに使うようなのとは違う、脂と肉の層が交互になっている部位。
オーク肉ではなく、ちょっと高級なブランド肉。
実はこの部位、適当に塩胡椒で食べる以外は捨てがちな部位らしく。
もったいないので、私がまかないで使わせていただくことにしました!!
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