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料理長のまかない②
第4話 厄介な恋
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厨房の連中らも、
『イツキ君って女の子だったんですか!?』
『今日お休みって言っていましたけど、アーネスト様とご一緒の女性がイツキ君に似ているって!?』
『料理長!? 副料理長!? 教えてください!!』
『『うるせぇ!?』』
あまりにもうるさいんで、副料理長のジェストとたまらず叫んだものだ。ジェストにだけは厨房内でイツキの事情を知るひとりではあるが、言いふらす奴じゃない。
だから、イツキとアーネストの坊の関係も知ってはいる。
まあ、それはいいとして。
イツキ達の事はまだ解決の糸口が見つかっているからいい方だ。
問題はネルヴィスやリュシアーノの嬢ちゃんのことだ。
昼餉にイツキは『オムライス』を作って呼ばれに行ってしまったが、何について呼ばれたかは俺にも報告がない。
いくら嬢ちゃんがまだまだ子供でも一国の王女との語らいだ。それに、イツキには遊び相手になってもらいたいとか言われているから、それについてだろう。夜半に厨房に来るよりもずっと良いから、俺もあえて聞かないでおいた。
それに、八つ時にはヘルミーナにも呼ばれていた。のに、慌てずに菓子を献上出来る手際は流石のもんだ。
さすがは、俺の養女!
と言うかもともとの性格があるせいだろう。ほんと、どんな仕事してたんだか。
一度聞いてはみたがよくわからんかった。
「けど、まあ。嬢ちゃんの方は嬢ちゃんがまだガキだから……仮の婚約者にネルヴィスを宛てがっても、本人が納得いかんだろ?」
「王としてなら出来るが、父親としては出来ん!!」
チャヅケで酔いが覚めたのか、リュカルドは大きく息を吐いた。
まあ、そうだな?
いくら信頼している部下であり、弟分であっても娘を嫁に出すとか言える年齢差がすごい。未亡人救済措置とかでならあり得る年齢だが、初婚ではほぼ前例がない。
俺は……実は、恋人はいるが結婚にはまだいいとお互いの仕事があるんでしてないだけだ。
それはいいとして。
(イツキは……嬢ちゃんに相談されたんだろうなあ?)
報告はなかったが、そこは容易に想像が出来る。あのませた性格の嬢ちゃんだが、ネルヴィスに告白されたんなら……メイドには言えないだろうから気心知れたイツキになら言うはず。
それに、イツキとネルヴィスは友人だからなあ?
そのネルヴィスからも相談があったってことで、リュカルドにも知られた……。リュカルドも俺のもだが、イツキの料理の虜になり過ぎだろ?
「だが、王としての答えが出てんなら……ちゃんとしてやれ」
「ワルシュぅ……」
「変な声出すな!? さっき自分で決めたんだろ!!?」
「……うぅ。わかっているが」
まだたった八つの娘に婚約者……親子くらい離れた野郎を宛てがうのは本音だと嫌だろうが。
まあ、面倒な国王の務めとやらでふたりを幸せにしてやるしかない。
ただ、俺はなんかを忘れているような気がした。
リュカルドを離宮の入り口手前まで送った後に、それを思い出した。
「……嬢ちゃん、逃げたって言ってたな?」
イツキに相談しても、あの嬢ちゃんが恋だの愛だのを本気で理解出来る年頃じゃねぇ。そこがどうなるか、いくら俺でも心配になってきた。
『イツキ君って女の子だったんですか!?』
『今日お休みって言っていましたけど、アーネスト様とご一緒の女性がイツキ君に似ているって!?』
『料理長!? 副料理長!? 教えてください!!』
『『うるせぇ!?』』
あまりにもうるさいんで、副料理長のジェストとたまらず叫んだものだ。ジェストにだけは厨房内でイツキの事情を知るひとりではあるが、言いふらす奴じゃない。
だから、イツキとアーネストの坊の関係も知ってはいる。
まあ、それはいいとして。
イツキ達の事はまだ解決の糸口が見つかっているからいい方だ。
問題はネルヴィスやリュシアーノの嬢ちゃんのことだ。
昼餉にイツキは『オムライス』を作って呼ばれに行ってしまったが、何について呼ばれたかは俺にも報告がない。
いくら嬢ちゃんがまだまだ子供でも一国の王女との語らいだ。それに、イツキには遊び相手になってもらいたいとか言われているから、それについてだろう。夜半に厨房に来るよりもずっと良いから、俺もあえて聞かないでおいた。
それに、八つ時にはヘルミーナにも呼ばれていた。のに、慌てずに菓子を献上出来る手際は流石のもんだ。
さすがは、俺の養女!
と言うかもともとの性格があるせいだろう。ほんと、どんな仕事してたんだか。
一度聞いてはみたがよくわからんかった。
「けど、まあ。嬢ちゃんの方は嬢ちゃんがまだガキだから……仮の婚約者にネルヴィスを宛てがっても、本人が納得いかんだろ?」
「王としてなら出来るが、父親としては出来ん!!」
チャヅケで酔いが覚めたのか、リュカルドは大きく息を吐いた。
まあ、そうだな?
いくら信頼している部下であり、弟分であっても娘を嫁に出すとか言える年齢差がすごい。未亡人救済措置とかでならあり得る年齢だが、初婚ではほぼ前例がない。
俺は……実は、恋人はいるが結婚にはまだいいとお互いの仕事があるんでしてないだけだ。
それはいいとして。
(イツキは……嬢ちゃんに相談されたんだろうなあ?)
報告はなかったが、そこは容易に想像が出来る。あのませた性格の嬢ちゃんだが、ネルヴィスに告白されたんなら……メイドには言えないだろうから気心知れたイツキになら言うはず。
それに、イツキとネルヴィスは友人だからなあ?
そのネルヴィスからも相談があったってことで、リュカルドにも知られた……。リュカルドも俺のもだが、イツキの料理の虜になり過ぎだろ?
「だが、王としての答えが出てんなら……ちゃんとしてやれ」
「ワルシュぅ……」
「変な声出すな!? さっき自分で決めたんだろ!!?」
「……うぅ。わかっているが」
まだたった八つの娘に婚約者……親子くらい離れた野郎を宛てがうのは本音だと嫌だろうが。
まあ、面倒な国王の務めとやらでふたりを幸せにしてやるしかない。
ただ、俺はなんかを忘れているような気がした。
リュカルドを離宮の入り口手前まで送った後に、それを思い出した。
「……嬢ちゃん、逃げたって言ってたな?」
イツキに相談しても、あの嬢ちゃんが恋だの愛だのを本気で理解出来る年頃じゃねぇ。そこがどうなるか、いくら俺でも心配になってきた。
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