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王妃のまかない④
第4話『コカトリスのプリン』②
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私の顔色に知りたい表情が出ていたのか、イツキはふふっと笑ってくれた。
「栗や南瓜、あとはチョコレートを考えているんです」
「……そんなにも??」
「甘味にはお野菜も色々扱えますしね? あとお芋ですとサツマイモもいいかもしれません」
「か……カンラ??」
「熱を加えたら甘くなるお芋です。じゃがいもとは別物ですね?」
「それは東方大陸の作物??」
「だと思います。こちらでは……先日貯蔵庫を見た時に偶然見つけただけですし」
様々な味のプリン。
様々な味のお菓子。
この女性には、作ることが可能だと。
もう子供じゃない私でも、私ですら少女のようにそれらを口にしてみたいと思ってしまう。二児の母親でいるのに、ついつい童心に帰ってしまうわ。この女性のいいところでもあるけど、私自身なんだかくすぐったい。
貴族の女性ではないのに、たしか私より年下らしいけど、この人とはいい友人関係になれそうだわ。これまでの友人は私が王妃になってから……特に、去年からはジェラルドをお腹に宿してから、随分と疎遠になったもの。
「そう。楽しみにしているわ。とりあえず、話はこれくらいだけど……あなたに聞けてよかったわ」
「お役に立てるのであれば。ネルヴィスさんは……私の恩人ですし」
「? 恩人?」
「えっと……自分では覚えていないんですけど。いつのまにか傷だらけで捨てられてた私を……助けてくださったんです。料理長と一緒に」
「……なんですって?」
イツキを傷だらけにした??
そして、どこかに捨てた??
強姦まがいな仕打ちを受けたんじゃ……と考えがよぎったが、イツキは本当に覚えていないのかそのような悲観的な表情にはなっていなかった。
「あ、いえ。すみません、変な話をして」
「どうして? あなたはもっと怒ってもいいのよ? 体を傷ものにされかけたとは言え、そんな淡々としててよくないわ」
あなたをまだ男だと思っているメイド達に知られれば、彼女達の方が鬼のごとく怒りを露わにするでしょうに。
「……そうでしょうか?」
「アーネストには話したの?」
「はい。まあ……怒ってましたが」
「でしょう?」
恋人の一大事だもの、怒りが出て当然。
とりあえず、話はここで終わりにした後にジェラルドが泣き出したのであやすことになったが。
イツキにも抱かせてあげると……ジェラルドはすぐに泣き止んだわ。
「ふふ、可愛らしいですね?」
ジェラルドを見て微笑む彼女は、本当に慈愛の女神のように見えたわ。早く、陛下の許可が降りて欲しいと、私はネルヴィスの事を言う時に一緒に言おうと決めた。
「栗や南瓜、あとはチョコレートを考えているんです」
「……そんなにも??」
「甘味にはお野菜も色々扱えますしね? あとお芋ですとサツマイモもいいかもしれません」
「か……カンラ??」
「熱を加えたら甘くなるお芋です。じゃがいもとは別物ですね?」
「それは東方大陸の作物??」
「だと思います。こちらでは……先日貯蔵庫を見た時に偶然見つけただけですし」
様々な味のプリン。
様々な味のお菓子。
この女性には、作ることが可能だと。
もう子供じゃない私でも、私ですら少女のようにそれらを口にしてみたいと思ってしまう。二児の母親でいるのに、ついつい童心に帰ってしまうわ。この女性のいいところでもあるけど、私自身なんだかくすぐったい。
貴族の女性ではないのに、たしか私より年下らしいけど、この人とはいい友人関係になれそうだわ。これまでの友人は私が王妃になってから……特に、去年からはジェラルドをお腹に宿してから、随分と疎遠になったもの。
「そう。楽しみにしているわ。とりあえず、話はこれくらいだけど……あなたに聞けてよかったわ」
「お役に立てるのであれば。ネルヴィスさんは……私の恩人ですし」
「? 恩人?」
「えっと……自分では覚えていないんですけど。いつのまにか傷だらけで捨てられてた私を……助けてくださったんです。料理長と一緒に」
「……なんですって?」
イツキを傷だらけにした??
そして、どこかに捨てた??
強姦まがいな仕打ちを受けたんじゃ……と考えがよぎったが、イツキは本当に覚えていないのかそのような悲観的な表情にはなっていなかった。
「あ、いえ。すみません、変な話をして」
「どうして? あなたはもっと怒ってもいいのよ? 体を傷ものにされかけたとは言え、そんな淡々としててよくないわ」
あなたをまだ男だと思っているメイド達に知られれば、彼女達の方が鬼のごとく怒りを露わにするでしょうに。
「……そうでしょうか?」
「アーネストには話したの?」
「はい。まあ……怒ってましたが」
「でしょう?」
恋人の一大事だもの、怒りが出て当然。
とりあえず、話はここで終わりにした後にジェラルドが泣き出したのであやすことになったが。
イツキにも抱かせてあげると……ジェラルドはすぐに泣き止んだわ。
「ふふ、可愛らしいですね?」
ジェラルドを見て微笑む彼女は、本当に慈愛の女神のように見えたわ。早く、陛下の許可が降りて欲しいと、私はネルヴィスの事を言う時に一緒に言おうと決めた。
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