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国王のまかない③
第1話 嘘だ
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嘘だろう、と俺はどうしても信じたくなかった。
弟分であり、絶対的な信頼を寄せていた近衛騎士団隊長に俺が任命した……ネルヴィスがまさか。
(まさか……俺の娘に想いを寄せているだなんて思うか!!?)
たまには……とイツキの料理が食べたくて厨房を訪れたのだが、アーネストが先に居て入るのをためらった。そう言えば、ワルシュから報告があった……。二人は恋人同士になったのだんだなと、思い出した。
今、イツキの性別などを公表すると、城内が騒ぎになるどころで済まない。そう、判断したのが国王である俺だ。
俺は鑑定スキルで見抜いたが、アレルギーの件で男だと認知させていたイツキが実は女だと知られれば……リュシアーノ付きのサフィアは違うが、メイド達が面倒なのだ。バクスの一時的な助手となったイツキに……懸想することになったメイドが多い。
いつ、イツキについて公表するか悩んでいた時に、サフィアが知らせてくれたのだ。であれば、いきなりアーネストともし婚約などの発表をしたら……アーネストに矛先が行くだけで済まないはず。なので、イツキについては慎重に事を運ぼうとしたのに。
まあ、現実はイツキらしき女が時折城内に出ると言う噂が出ているので、大変で済まない状態ではあるが。メイド達には納得してもらうしかない。
それよりも、だ!?
二人の話を扉越しに聞いた時、ネルヴィスの心境を知る内容だったため……俺は思わず扉を開け放ってしまった!!
「「陛下!?」」
イツキとアーネストは俺の登場に声を上げ、すぐにそれぞれ最敬礼をしてくれた。それは今問う内容ではない!!
「イツキ、アーネスト!! 今口にしていた内容は本当か!?」
再度聞くと、ふたりは顔を上げ……お互いに頷き合ってから俺を見てきた。
「はい、陛下。お昼頃……私にネルヴィスさんが相談してきたんです」
「……ネル、がか?!」
「はい」
「私もつい先程イツキに聞きました」
嘘ではない。
イツキが嘘をつく人間だと言うのは素性を含めて、ないと思っているのは俺がよく知っている。
だから、ネルヴィスの想いが嘘ではないのは理解出来た。
出来たは……出来たのだが。
「……う、そだ……ろ。ネル……が!?」
「陛下!?」
「陛下!!?」
だが、頭がすぐに受け入れるわけもなく。
意識が遠のき、俺は冷たい床の上に倒れ込んでしまった。
イツキとアーネストが俺の体を揺さぶってきたのはわかるが、意識が薄れて行く俺には大した刺激にはならなかったのだ。
弟分であり、絶対的な信頼を寄せていた近衛騎士団隊長に俺が任命した……ネルヴィスがまさか。
(まさか……俺の娘に想いを寄せているだなんて思うか!!?)
たまには……とイツキの料理が食べたくて厨房を訪れたのだが、アーネストが先に居て入るのをためらった。そう言えば、ワルシュから報告があった……。二人は恋人同士になったのだんだなと、思い出した。
今、イツキの性別などを公表すると、城内が騒ぎになるどころで済まない。そう、判断したのが国王である俺だ。
俺は鑑定スキルで見抜いたが、アレルギーの件で男だと認知させていたイツキが実は女だと知られれば……リュシアーノ付きのサフィアは違うが、メイド達が面倒なのだ。バクスの一時的な助手となったイツキに……懸想することになったメイドが多い。
いつ、イツキについて公表するか悩んでいた時に、サフィアが知らせてくれたのだ。であれば、いきなりアーネストともし婚約などの発表をしたら……アーネストに矛先が行くだけで済まないはず。なので、イツキについては慎重に事を運ぼうとしたのに。
まあ、現実はイツキらしき女が時折城内に出ると言う噂が出ているので、大変で済まない状態ではあるが。メイド達には納得してもらうしかない。
それよりも、だ!?
二人の話を扉越しに聞いた時、ネルヴィスの心境を知る内容だったため……俺は思わず扉を開け放ってしまった!!
「「陛下!?」」
イツキとアーネストは俺の登場に声を上げ、すぐにそれぞれ最敬礼をしてくれた。それは今問う内容ではない!!
「イツキ、アーネスト!! 今口にしていた内容は本当か!?」
再度聞くと、ふたりは顔を上げ……お互いに頷き合ってから俺を見てきた。
「はい、陛下。お昼頃……私にネルヴィスさんが相談してきたんです」
「……ネル、がか?!」
「はい」
「私もつい先程イツキに聞きました」
嘘ではない。
イツキが嘘をつく人間だと言うのは素性を含めて、ないと思っているのは俺がよく知っている。
だから、ネルヴィスの想いが嘘ではないのは理解出来た。
出来たは……出来たのだが。
「……う、そだ……ろ。ネル……が!?」
「陛下!?」
「陛下!!?」
だが、頭がすぐに受け入れるわけもなく。
意識が遠のき、俺は冷たい床の上に倒れ込んでしまった。
イツキとアーネストが俺の体を揺さぶってきたのはわかるが、意識が薄れて行く俺には大した刺激にはならなかったのだ。
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