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隊長のまかない②
第4話 麗しの好きな相手
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その転び方が曲芸でもあるような面白さがありましたが、とりあえずイツキを起こすのに手を貸しました。
「大丈夫ですか?」
「あ……はい」
僕の想う相手が相手なので、流石に呆けてしまっています。しかしながら、言える相手がイツキしかいませんので聞いていただきたいです。
「意外でしたか?」
「はい。……その、大変失礼ですが。ネルヴィスさんには近い年頃の女性の心を射止めるのは簡単では??」
「そうかもしれないです。しかし、僕が惹かれたのはリュシアーノ様です」
まだたった八つでしかない王女殿下を、ワルシュ料理長と数年違いの僕が想いを寄せるなど……たとえ王家と遠い縁戚であれ、許されないわけではないだろうが奇異の目で見られることは間違いなし。
しかしながら、彼女は生まれて……直属護衛だった頃から特別な想いは抱いていた。下手をすれば親子ほどの歳の差である、僕と王女殿下。僕は……殿下が『ネル』と呼ぶようになってから、生涯お使えする以上の気持ちを抱いてしまった。
「……本心なんですね?」
「ええ。殿下が下賜……臣下へ嫁ぐことは可能です。しかしながら、僕では身分はともかく年齢の差が大きい。それに単なる側仕えの騎士にしか見られていないでしょう」
「そうなんですね? けど、今ネルヴィスさんはいい表情をされています。リュシアーノ様がお好きなのはよくわかりました」
イツキは僕の想いを貶すこともなく、奇異の目を向けることもなく……ただただ、慈愛に満ちた表情を向けてくれた。やはり、彼女に相談したのは正解だった。
「ありがとうございます。あなたは殿下の遊び相手にもなりましたし……その、殿下が学園に入学するまではご一緒でしょうから」
「こちらにも学校があるんですね?」
「市井は別ですが、王侯貴族の学舎ですね? だいたい十歳から八年間学びます」
「八年……長いですね」
「休暇中に帰って来られることはありますが。……僕なんかある意味見向きもしないでしょう」
「自信持ってください! ネルヴィスさんは陛下やリュシアーノ様達に絶大な信頼を得られているんですから!!」
「……ありがとうございます」
僕の年は二十七。リュシアーノ殿下とは十九も違う。
美貌と二つ名はともかく、殿下が年頃の女性になれば老いることに変わりない。近い存在が離れれば、いずれ見向きもしなくなる。人間はそう言うものだから。
(しかし……イツキのまかないを食べるようになってからは……殿下は生き生きとしていらっしゃる)
その輝きが学園で失われることになれば……二年先とは言えど僕は不安になってきました。
すると、イツキに強く手を握られました。
「大丈夫です! 絶対大丈夫です!! 今の抱いている気持ちが本物なら……何年経っても変わらないはずです!!」
私もこっそり聞いてみます!!
と、イツキは力強く言い切ってくださいました。
「うぉ!? イツキはんと隊長!? どないしたん!!?」
執務に戻ってきたレクサスが驚いていましたが……事情を仕方なく話すと彼もその場でひっくり返りました。
失礼ですが、内容も内容もなので仕方がありません!!
「大丈夫ですか?」
「あ……はい」
僕の想う相手が相手なので、流石に呆けてしまっています。しかしながら、言える相手がイツキしかいませんので聞いていただきたいです。
「意外でしたか?」
「はい。……その、大変失礼ですが。ネルヴィスさんには近い年頃の女性の心を射止めるのは簡単では??」
「そうかもしれないです。しかし、僕が惹かれたのはリュシアーノ様です」
まだたった八つでしかない王女殿下を、ワルシュ料理長と数年違いの僕が想いを寄せるなど……たとえ王家と遠い縁戚であれ、許されないわけではないだろうが奇異の目で見られることは間違いなし。
しかしながら、彼女は生まれて……直属護衛だった頃から特別な想いは抱いていた。下手をすれば親子ほどの歳の差である、僕と王女殿下。僕は……殿下が『ネル』と呼ぶようになってから、生涯お使えする以上の気持ちを抱いてしまった。
「……本心なんですね?」
「ええ。殿下が下賜……臣下へ嫁ぐことは可能です。しかしながら、僕では身分はともかく年齢の差が大きい。それに単なる側仕えの騎士にしか見られていないでしょう」
「そうなんですね? けど、今ネルヴィスさんはいい表情をされています。リュシアーノ様がお好きなのはよくわかりました」
イツキは僕の想いを貶すこともなく、奇異の目を向けることもなく……ただただ、慈愛に満ちた表情を向けてくれた。やはり、彼女に相談したのは正解だった。
「ありがとうございます。あなたは殿下の遊び相手にもなりましたし……その、殿下が学園に入学するまではご一緒でしょうから」
「こちらにも学校があるんですね?」
「市井は別ですが、王侯貴族の学舎ですね? だいたい十歳から八年間学びます」
「八年……長いですね」
「休暇中に帰って来られることはありますが。……僕なんかある意味見向きもしないでしょう」
「自信持ってください! ネルヴィスさんは陛下やリュシアーノ様達に絶大な信頼を得られているんですから!!」
「……ありがとうございます」
僕の年は二十七。リュシアーノ殿下とは十九も違う。
美貌と二つ名はともかく、殿下が年頃の女性になれば老いることに変わりない。近い存在が離れれば、いずれ見向きもしなくなる。人間はそう言うものだから。
(しかし……イツキのまかないを食べるようになってからは……殿下は生き生きとしていらっしゃる)
その輝きが学園で失われることになれば……二年先とは言えど僕は不安になってきました。
すると、イツキに強く手を握られました。
「大丈夫です! 絶対大丈夫です!! 今の抱いている気持ちが本物なら……何年経っても変わらないはずです!!」
私もこっそり聞いてみます!!
と、イツキは力強く言い切ってくださいました。
「うぉ!? イツキはんと隊長!? どないしたん!!?」
執務に戻ってきたレクサスが驚いていましたが……事情を仕方なく話すと彼もその場でひっくり返りました。
失礼ですが、内容も内容もなので仕方がありません!!
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