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ギルドマスターのまかない
第4話 特級料理人
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しかし、この『オヤコドン』はすごく美味しい上に画期的だ。
まず、スプーンひとつで食べやすい。
スープならともかく、主食である米と主菜を一緒にしてさらにスプーンで食べると言うのは、普通なら思いつかない。
器については、深皿はあまり流通はないが揃えられないこともない。材料についても同じだが、イージアスのお膝元とも言われているジェイシリアでは揃わないこともないのだ。
であれば、このオヤコドンのレシピが認知されれば……酒場や食堂に広まり、あまり不人気だった米の需要も高まる。
これは、素晴らしいレシピとなるだろう!
「イツキさん、ありがとうございます。このオヤコドンはとても美味しい上に手軽に食べられるんですね?」
私が賛辞を告げると、彼女は小さく笑い出した。
「然程難しくは。昆布やお酒だけは用意するのが難しいので……気にしなければ、醤油とみりんだけで味付けしても大丈夫です」
「なるほど。後者のふたつはこの街でも普通に使われています」
「あと、具材……と言うよりも、この『丼』についてはひとつどころかたくさんの種類があります」
「え?」
このオヤコドンでも充分に美味しかったのに、他にも種類がある??
是非聞きたい! と私は思わず、イツキさんに詰め寄ってしまった。
「ぎ、ギルマスさん??」
「どのような……!? 他にはどのようなものがお有りなのですか!!?」
「えっと……その」
「……ギルマス。落ち着いてくれ、目が血走っている」
「!? 失礼しました……」
年甲斐もなく、興奮してしまったようだ……。思わず咳払いしてから、イツキさんから離れて改めて聞くことにしました。
「そうですね? お肉を鶏肉ではなく、別の魔物肉に変えたら『他人丼』。パン屑にした衣をまぶして、揚げた『とんかつ』を使ったものだと『カツ丼』とか。米の上に載せるのは他にも色々あります」
「とん……? た、他人??」
全然何が何やらさっぱりだ!!
一応レシピに書き出してもらうと、なるほどと頷けたがタニンドンはともかく……カツドンは少し難しそうだった。
披露してほしいところだったが、いい加減身分証の発行のために……イツキさんに書類をひと通り書いていただき作成をすることにした。
「では、ギルマス。こちらです」
受付担当の職員に、身分証のカードを持ってきてもらうとソファに座っていた我々の前にあるテーブルの上へと置いてもらった。
「こちらが、生産ギルドが発行した身分証になります。イツキさんは本日ご登録なため、技術は申し分ないのですが下級料理人として表記されています。そこはご了承ください」
本当なら上級……もしくは、特級を渡したいところだが、ギルドの決まりのためにそれは出来ない。
ただし、カードにイツキさんが触れると変わるかもしれないのだ。鑑定の技能持であれば見れるステータスが。
とりあえず、イツキさんに触れてもらうと……カードにまさしくその変化が見受けられたのだ。
(……え、え??!)
個人的に、そうだとしか思っていなかった特級の称号である金色が、いともあっさりと表示されてしまったのだ。
ハインツベルト殿はだんまりだと言うことは、知っていたかもしれない。であれば、私もギルマスらしく振る舞おう。
「そちらのカードはくれぐれも無くさないように」
「は、はい!」
イツキさんがオロオロしているのが、とても正常に見えたのだった。
まず、スプーンひとつで食べやすい。
スープならともかく、主食である米と主菜を一緒にしてさらにスプーンで食べると言うのは、普通なら思いつかない。
器については、深皿はあまり流通はないが揃えられないこともない。材料についても同じだが、イージアスのお膝元とも言われているジェイシリアでは揃わないこともないのだ。
であれば、このオヤコドンのレシピが認知されれば……酒場や食堂に広まり、あまり不人気だった米の需要も高まる。
これは、素晴らしいレシピとなるだろう!
「イツキさん、ありがとうございます。このオヤコドンはとても美味しい上に手軽に食べられるんですね?」
私が賛辞を告げると、彼女は小さく笑い出した。
「然程難しくは。昆布やお酒だけは用意するのが難しいので……気にしなければ、醤油とみりんだけで味付けしても大丈夫です」
「なるほど。後者のふたつはこの街でも普通に使われています」
「あと、具材……と言うよりも、この『丼』についてはひとつどころかたくさんの種類があります」
「え?」
このオヤコドンでも充分に美味しかったのに、他にも種類がある??
是非聞きたい! と私は思わず、イツキさんに詰め寄ってしまった。
「ぎ、ギルマスさん??」
「どのような……!? 他にはどのようなものがお有りなのですか!!?」
「えっと……その」
「……ギルマス。落ち着いてくれ、目が血走っている」
「!? 失礼しました……」
年甲斐もなく、興奮してしまったようだ……。思わず咳払いしてから、イツキさんから離れて改めて聞くことにしました。
「そうですね? お肉を鶏肉ではなく、別の魔物肉に変えたら『他人丼』。パン屑にした衣をまぶして、揚げた『とんかつ』を使ったものだと『カツ丼』とか。米の上に載せるのは他にも色々あります」
「とん……? た、他人??」
全然何が何やらさっぱりだ!!
一応レシピに書き出してもらうと、なるほどと頷けたがタニンドンはともかく……カツドンは少し難しそうだった。
披露してほしいところだったが、いい加減身分証の発行のために……イツキさんに書類をひと通り書いていただき作成をすることにした。
「では、ギルマス。こちらです」
受付担当の職員に、身分証のカードを持ってきてもらうとソファに座っていた我々の前にあるテーブルの上へと置いてもらった。
「こちらが、生産ギルドが発行した身分証になります。イツキさんは本日ご登録なため、技術は申し分ないのですが下級料理人として表記されています。そこはご了承ください」
本当なら上級……もしくは、特級を渡したいところだが、ギルドの決まりのためにそれは出来ない。
ただし、カードにイツキさんが触れると変わるかもしれないのだ。鑑定の技能持であれば見れるステータスが。
とりあえず、イツキさんに触れてもらうと……カードにまさしくその変化が見受けられたのだ。
(……え、え??!)
個人的に、そうだとしか思っていなかった特級の称号である金色が、いともあっさりと表示されてしまったのだ。
ハインツベルト殿はだんまりだと言うことは、知っていたかもしれない。であれば、私もギルマスらしく振る舞おう。
「そちらのカードはくれぐれも無くさないように」
「は、はい!」
イツキさんがオロオロしているのが、とても正常に見えたのだった。
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