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第131話 ブーケを作る

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(んもぉ、ミラったら~、照れちゃってかーわいい!!)


 私にわざわざ念話を送ってきたから、何事かと思っちゃったけど……そんな、健気なお願い事だなんて!!

 ほんと……本当にかわいい!!

 あの馬鹿トラのお嫁さんになるのが、ちょーっと許せないけーどー!!


(……まあ、仕方ないか)


 ミラ自身が望んでいることだもん。

 馬鹿トラのハクも……私やオーカとかとは違う接し方で、ミラを大事にしてあげている。

 ミラが大精霊になる前から、あいつはあの子を気にかけていた。

 恩人としてだけでなく……ひとりの『女の子』。そこから、『女』へ。

 全く、わずか数日程度で『お嫁さん』にするのはびっくりしたけどね!!?


(そのハクは乗り気に乗り気だし……!!)


 むーかーつーくー!!

 ほんと、なんでお姉ちゃん差し置いて、ぽんぽんと話が進んじゃうわけ!?

 あの『ガラクタ』は結婚祝いには相応しいけど……でも、でも!!

 これから精霊の里でミラが過ごすからって!!

 ミラを独り占めし過ぎじゃ、あの馬鹿トラぁあ!?


「……さて、発散はこの辺にして」


 鬱憤は全部出したわけじゃないけど……切り替えていかなきゃ。

 ミラに頼まれた……結婚式で使うブーケのお花。

 ミラからは、純白のドレスって聞いたけど……清楚で可憐なミラに相応しいブーケにしてあげたい。

 となれば……下手に色がある花よりも、同じように白く……けど、大きな花がいいかも。

 それなら……あの花がいい!


『来たれ、緑のものよ』


 呼びかけをすれば……目の前にいくつもの花々が部屋の中に出現していく。

 その候補らを確認してから、私はやっぱりと決めたある花の前に立った。


「……これね」


 純白の花弁。

 大ぶりの剣先のような葉。

 蜜は垂れそうなくらい、たっぷりと含んでいる。

 この花の名前は……『ユリ』。

 大ぶりではあるが……可憐さも持っている。

 ミラには、ぴったりだと思う花だから。

 これで……ブーケ……花束を作ろう!!

 きっと、いいものになると思うから!!
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