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第27話 再開と好きな飲み物

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 珀瑛ハクエイ様に抱きしめていただいたので、次第に落ち着いてきた私だったが。

 お菓子作りを、きちんとやろうと……珀瑛様が手本を見せてくださった、麻袋に入れた飴を砕いていく作業。それをやってみようと……自分で決めた。

 何もしないわけにはいかないのと、全員でやれば怖くないからと、風珀フウハク様もご一緒にしてくださることになり。


 ダンダン!


 ベキ、バキバキ!!


 と、部屋中に響く音に最初は怖かったが……慣れると大丈夫だった。皆様がご一緒だったからかもしれない。

 ある程度砕けたところで、珀瑛様が黒い板の上に……薄い紙と型を抜いた大きなクッキー生地を乗せたものを持ってこられた。


「型抜いた穴に、同じ色の飴を入れるんや。窯に入れて焼くと溶けて乾く。出来上がりは、綺麗なステンドグラスのようになるんやで?」

「まあ……」


 そのようなお菓子……飴もだが、私は普通の国民が口にする食事をほとんど食べたことがなかった。

 だから、珀瑛様方がお教えくださる料理の数々が、素直に嬉しく……とても美味しいものばかりで。とても幸せだった。

 夢中になって、風珀フウハク様とどこにどの飴を入れるか決めて入れ……繰り返していくと、すぐに出来上がった。窯に入れるのは、危ないからと珀瑛様がやってくださった。


「ちょぉ、疲れたやろ? お茶でも飲もうや」


 と、珀瑛様がおっしゃると……すぐにポフム殿がぱぱっと人数分のカップを手渡してくださった。


『どうぞ』

「……ありがとうございます」


 渡されたお茶だったが……あの美しい赤色ではなく……言い方は悪いけれど、その……泥水のように見えた。

 しかし、珀瑛様方は普通に飲まれているようでした。


「あ!? それな!! ミルクティー言うねん!! 中に砂糖と牛乳がたっぷり入ってんや!! 甘くて美味いで?」

「……砂糖と、ぎゅーにゅー?」

「マジもんの泥水ちゃうから、安心し?」

『……な、何かいけないことでしたか?』

【ポフムは悪くない。悪いのは、ミラを痛めつけていた馬鹿な王族】

『……左様にございますか』


 もこもこでよく見えないが……ポフム殿も、怒っていらっしゃるようだった。


「ほらほら、ちゃんとした飲みもんやから。飲んでみ?」


 珀瑛様がそう勧めてくださったので……少し緊張したが、グッとカップを傾けてみる。


「……ほぅ」


 たしかに、あのザラザラとした土の味はしない。

 紅茶の風味もきちんとあり、とても甘くて……優しい感じがなんとも言えない。美味しくて、どんどん飲んでしまう。

 すぐに飲み終えてしまって……もっとほしいと思ってしまった。


【気に入ったようだね?】

『ようございました!』

「せやったら……ポフム。あっちも頼むわ」

『かしこまりました!』


 と、珀瑛様のご指示でポフム殿がすぐに作ってくださったのは……さらに泥水に見えるものだったけれど。

 とても芳しい香りに、すぐに口をつけてみると……私としては、こちらの方が好みだった。

 カフェオレ……と言うのが、私の大好きな飲み物となったのだ。
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