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如何に婚姻まで(番外編)
第40話 穏やかな休暇を
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恋花たちは、明日を除けば好きに過ごしていい。掃除などの雑務も九十九がふたりもいればあっという間に終わってしまう。洗濯についても同様に終わってしまったために、することがなくなったのだが。
今回の旅路はあくまで『休息期間』でしかない。斗亜らにきつく言いつけられていた、紅狼との夜の方も無事に完遂出来たので問題ない。今宵も約束されてしまったが、恋花も求めているので同じくこれも問題がなかった。
(幸せ過ぎて……麺麭のかすたぁどみたいに溶けちゃいそう)
しかし、本当に蕩け過ぎてはいけない。戻れば、英才教育も含めて紅狼の室になるべく多くの仕事が舞い戻ってくるのだ。。個人としても緑玲の直属料理人の仕事もある。崔簾とは一応師弟関係を結んでいるものの、知識と技術は事実上恋花の方が上であった。玉蘭が孫に教えてきた技術だけでなく、先読みにて吸収した知識に技術。多くの異文化も可能であれば伝えていきたい。
禁忌とされていないのなら、九十九の昇華を回避するためにも策を講じていきたいのだ。役に立たないと思っていた己の能力が少しでも役に立つのなら。貴族の地位を得ても、技術者として城には加わっていたい。旅に出る前に緑玲にも伝えておいたが、『是非』と承諾は貰えた。なので、すべきことはたくさんあるのだ。
『昼餉も美味だった……』
とはいえ、今紅狼といっしょというわけではなく。彼の九十九・雷綺と共に茶を喫していたのだ。男性側は今、することはなくとも管理側のために薪を作成していた。術の使い方次第ではすぐ終わるからと、梁がいっしょである。
そのため、女ふたりはのんびりだ。雷綺は話し相手もだが護衛でもある。保養地であれ、賊の侵入があればすべのない恋花ひとりでは対処できないために。悔しいが武の心得はほぼないので、守られるしかないのだ。
「気に入ってもらえてよかった。これから、もっといっしょに作ろう?」
『是。我も色々調理出来るようになりたい。たしかに、恋花の料理も美味だが。我も梁のために、もっと作れるようにもなりたいのだ』
「うん!」
本当の人間でなくとも、いっしょに生活していくのならば……これから姉妹のようになれればいい。彼女からも、こんなに頼ってくれるのであれば喜んで応えようと思う。怯えていた生活をする必要はもうどこにもないのだから、これからはのびのびと生活していく日々が続く。
その平穏な日常を保つためにも、恋花とて努力は惜しまないつもりだ。
『昼餉があれだけの品があったものの、薪割りをしていれば紅狼らも腹が空くだろうな? 夕餉も多めがいいだろう』
「そうだね。暇だし、凝ったの作れそうだから……もう少し休んでから、作る?」
『良い提案だ。全席ほどではなくとも、品数は多いに越したことはないな』
「満漢全席?」
『斗亜らが何回か催したことがあったな。緑玲も入れて三人ではとても無理だったが……今は九十九も食事が可能とわかったからな? 四人であれば、そこまでいかずとも多くの料理は平らげれそうではないか?』
「いいね! 私、高級料理はほとんど手掛けたことないけど……」
『構わないだろう? むしろ、先の世の馳走を我らが多く口に出来るのだ。食べ慣れたものより、紅狼も気に入っているしな』
「! そうだ! 好みの食事、もっと教えて!! 私もまだ梁のは全部把握してなくても、思い出しながらふたりで共有していこう?」
『良き提案だ!』
そうと決まればと。自然に手を繋いで厨へと足早に向かう。
このように、些細な出来事から大きな変化を作っていくという計画を立てていくのは。その後、国を超えての料理文化に躍進的な刺激を与えていくことを恋花は知らないのであった。
今はただ、大切な相手の喜ぶ反応が見たいだけの……普通の少女としての感情でしかないのだが。
今回の旅路はあくまで『休息期間』でしかない。斗亜らにきつく言いつけられていた、紅狼との夜の方も無事に完遂出来たので問題ない。今宵も約束されてしまったが、恋花も求めているので同じくこれも問題がなかった。
(幸せ過ぎて……麺麭のかすたぁどみたいに溶けちゃいそう)
しかし、本当に蕩け過ぎてはいけない。戻れば、英才教育も含めて紅狼の室になるべく多くの仕事が舞い戻ってくるのだ。。個人としても緑玲の直属料理人の仕事もある。崔簾とは一応師弟関係を結んでいるものの、知識と技術は事実上恋花の方が上であった。玉蘭が孫に教えてきた技術だけでなく、先読みにて吸収した知識に技術。多くの異文化も可能であれば伝えていきたい。
禁忌とされていないのなら、九十九の昇華を回避するためにも策を講じていきたいのだ。役に立たないと思っていた己の能力が少しでも役に立つのなら。貴族の地位を得ても、技術者として城には加わっていたい。旅に出る前に緑玲にも伝えておいたが、『是非』と承諾は貰えた。なので、すべきことはたくさんあるのだ。
『昼餉も美味だった……』
とはいえ、今紅狼といっしょというわけではなく。彼の九十九・雷綺と共に茶を喫していたのだ。男性側は今、することはなくとも管理側のために薪を作成していた。術の使い方次第ではすぐ終わるからと、梁がいっしょである。
そのため、女ふたりはのんびりだ。雷綺は話し相手もだが護衛でもある。保養地であれ、賊の侵入があればすべのない恋花ひとりでは対処できないために。悔しいが武の心得はほぼないので、守られるしかないのだ。
「気に入ってもらえてよかった。これから、もっといっしょに作ろう?」
『是。我も色々調理出来るようになりたい。たしかに、恋花の料理も美味だが。我も梁のために、もっと作れるようにもなりたいのだ』
「うん!」
本当の人間でなくとも、いっしょに生活していくのならば……これから姉妹のようになれればいい。彼女からも、こんなに頼ってくれるのであれば喜んで応えようと思う。怯えていた生活をする必要はもうどこにもないのだから、これからはのびのびと生活していく日々が続く。
その平穏な日常を保つためにも、恋花とて努力は惜しまないつもりだ。
『昼餉があれだけの品があったものの、薪割りをしていれば紅狼らも腹が空くだろうな? 夕餉も多めがいいだろう』
「そうだね。暇だし、凝ったの作れそうだから……もう少し休んでから、作る?」
『良い提案だ。全席ほどではなくとも、品数は多いに越したことはないな』
「満漢全席?」
『斗亜らが何回か催したことがあったな。緑玲も入れて三人ではとても無理だったが……今は九十九も食事が可能とわかったからな? 四人であれば、そこまでいかずとも多くの料理は平らげれそうではないか?』
「いいね! 私、高級料理はほとんど手掛けたことないけど……」
『構わないだろう? むしろ、先の世の馳走を我らが多く口に出来るのだ。食べ慣れたものより、紅狼も気に入っているしな』
「! そうだ! 好みの食事、もっと教えて!! 私もまだ梁のは全部把握してなくても、思い出しながらふたりで共有していこう?」
『良き提案だ!』
そうと決まればと。自然に手を繋いで厨へと足早に向かう。
このように、些細な出来事から大きな変化を作っていくという計画を立てていくのは。その後、国を超えての料理文化に躍進的な刺激を与えていくことを恋花は知らないのであった。
今はただ、大切な相手の喜ぶ反応が見たいだけの……普通の少女としての感情でしかないのだが。
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