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第十八章 出戻り④
第5話 気がついたら……
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そこからの記憶がない。
誰かに、顔を軽く叩かれているので……意識が浮かんでいく感じがした。
誰だろう……いい気持ちで眠っていたのに。
「……ディス!! トラディス!!?」
「ふぇ!?」
ジェフさんの声が、耳元でめちゃくちゃ大きく聞こえたので、僕もめちゃくちゃ驚いて慌てて起き上がった。
すると、僕の向かい側ではマシュさんが滝のような涙を流していて……レイザーさんは思いっきりため息を吐いていた。
「うぅ……うぅ! トラディスさぁん!!」
「ったく、気ぃ失ってただけか……。めちゃくちゃ心配させやがって!」
「まったくだ!」
ジェフさんが最後に、頭をこつんと軽く叩いたので……僕は自分に起きた状況を少しずつ思い出してきた。
様子見するために降りてきた階層で、モンスターの吠え声で上に戻れなくなって……戦って、フランツを使ってレーザーソードを……そこで意識が途切れた。
モンスターは!? と振り返れば……僕のすぐ後ろの壁が、あのモンスターの影の形に黒く染まってて……しゅうしゅうと音を立てていた。
ってことは……。
「これ……僕……(とフランツ)が??」
「はいですの」
「「おう」」
フランツが最大とか言っていたけど……マシュさんのあの魔法以上じゃないだろうか??
フランツにテレパシーを一応送ると。
【ちょぉ、魔力回復んために寝かして。剣の切れ味とかは普通に使えるから】
と言って、それから返事も相づちもなかった。よっぽど疲れたみたい。
「……ご心配おかけしました」
とりあえず、仕方がなかったとは言えジェフさん達に無断でモンスターを倒したのだ。
きちんと謝ると……何故か三人から頭をなでなでされたんだけど。
「無事なら良い。んで? 俺らは地面がいきなり砕けたんで来れたが……お前さんの魔剣の威力は、色々セーブさせた方がいいな??」
ジェフさんがそう言うのでやっと気づいたけど……僕らの周りは岩だらけだった。
「これ……も??」
「あぁ……トラディスの魔剣の威力だろうよ」
レイザーさんは、普通の魔剣にしか見えないフランツをじーっと見ていたけど……多分、パンの刀身に見えていないよね??
マシュさんも触らないでいてくれてるけど……同じように見ていた。
「ご立派な魔剣ですの」
「主人の危険を察知して……上が割れたら結界も張ってたようだしな?」
「そうなんですか……?」
「…………フランツならしてくれるだろうよ」
こっそり、ジェフさんが僕に教えてくれると……僕は嬉しくなったが、フランツの名前は呼べないので笑っておくだけにした。
ちなみに、その結界は皆さんがこの階層に着地した時に……僕の周りに張られているのをジェフさんが目撃して、ゆっくり消えていったんだそうだ。
誰かに、顔を軽く叩かれているので……意識が浮かんでいく感じがした。
誰だろう……いい気持ちで眠っていたのに。
「……ディス!! トラディス!!?」
「ふぇ!?」
ジェフさんの声が、耳元でめちゃくちゃ大きく聞こえたので、僕もめちゃくちゃ驚いて慌てて起き上がった。
すると、僕の向かい側ではマシュさんが滝のような涙を流していて……レイザーさんは思いっきりため息を吐いていた。
「うぅ……うぅ! トラディスさぁん!!」
「ったく、気ぃ失ってただけか……。めちゃくちゃ心配させやがって!」
「まったくだ!」
ジェフさんが最後に、頭をこつんと軽く叩いたので……僕は自分に起きた状況を少しずつ思い出してきた。
様子見するために降りてきた階層で、モンスターの吠え声で上に戻れなくなって……戦って、フランツを使ってレーザーソードを……そこで意識が途切れた。
モンスターは!? と振り返れば……僕のすぐ後ろの壁が、あのモンスターの影の形に黒く染まってて……しゅうしゅうと音を立てていた。
ってことは……。
「これ……僕……(とフランツ)が??」
「はいですの」
「「おう」」
フランツが最大とか言っていたけど……マシュさんのあの魔法以上じゃないだろうか??
フランツにテレパシーを一応送ると。
【ちょぉ、魔力回復んために寝かして。剣の切れ味とかは普通に使えるから】
と言って、それから返事も相づちもなかった。よっぽど疲れたみたい。
「……ご心配おかけしました」
とりあえず、仕方がなかったとは言えジェフさん達に無断でモンスターを倒したのだ。
きちんと謝ると……何故か三人から頭をなでなでされたんだけど。
「無事なら良い。んで? 俺らは地面がいきなり砕けたんで来れたが……お前さんの魔剣の威力は、色々セーブさせた方がいいな??」
ジェフさんがそう言うのでやっと気づいたけど……僕らの周りは岩だらけだった。
「これ……も??」
「あぁ……トラディスの魔剣の威力だろうよ」
レイザーさんは、普通の魔剣にしか見えないフランツをじーっと見ていたけど……多分、パンの刀身に見えていないよね??
マシュさんも触らないでいてくれてるけど……同じように見ていた。
「ご立派な魔剣ですの」
「主人の危険を察知して……上が割れたら結界も張ってたようだしな?」
「そうなんですか……?」
「…………フランツならしてくれるだろうよ」
こっそり、ジェフさんが僕に教えてくれると……僕は嬉しくなったが、フランツの名前は呼べないので笑っておくだけにした。
ちなみに、その結界は皆さんがこの階層に着地した時に……僕の周りに張られているのをジェフさんが目撃して、ゆっくり消えていったんだそうだ。
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