最強の剣がフランスパン!?〜最弱冒険者の無双冒険録〜

櫛田こころ

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第十八章 出戻り④

第4話 絶対絶命のピンチ②

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 そうと決めたら……モンスターからの攻撃が速かった。

 フランツと共有している目で見えたけど、さっと前足を蹴っただけ。それに嫌な予感がして、僕はその場から離れた。

 ヒュッという音と同時に、つい今まで僕がいたところが……痛々しくえぐれていたのだ。あと少し遅かったら、僕はきっと良くて大怪我。悪くて死んでいただろう。


【おーおー? ワイがいるからって、あのダンジョンマスターにマスターを倒せって命令されてるかもなあ??】


 フランツも、あんまり余裕がなかったようだ。僕の勝手な判断だったけど、良い方向だったみたい。

 けど、あの何気ない動きだけを何度も繰り返されたら……僕とフランツだけで対応出来るかどうか。

 そして、僕を一度目で仕留められなかったからか、モンスターは三つの首とも……めちゃくちゃ不機嫌になって、僕とフランツに何度も前足攻撃を繰り返した。

 そのたびに、僕は何度も何度も、来る方向がわかって避けることが出来た。フランツとだけしかいないのに、僕はどうしたのだろう。

 上の鬼人オーガには苦戦したのに、あまり近づいてこないあのモンスターの攻撃はきちんと避けられているのだ。


「こ……わいけど、避けれる!」

【そりゃあ、ワイと視覚をリンクさせているからや。いつも以上に、五感……あちこちの感覚が鋭くなっとんねん】

「そっか! けど……レーザーソードであのモンスター倒せる??」

【やるっきゃないけど、時間稼ぎ頼むわ。魔力、最大出力せんとあのデカブツはキツいで】

「わかった!」


 フランツとリンクしていることで、いつも以上に動けるのなら……僕は僕で出来ることをしよう。

 幸い、まだ体力は残っているので、モンスターとの追いかけっこみたいな接戦はなんとかなった。向こうはめちゃくちゃ不機嫌になっているけど、フランツに少しでも時間をあげたいから僕は頑張った。

 煽るような行動はせずに、ただ攻撃の方向を感覚で読んで避けていくだけ。

 それが、前足を動かす前からわかってくると……壁を走って行くという軽業も出来てきたので急いで走った。


【マスター、あとちょいや! 出来るだけあのデカブツに近づけるか??】

「後ろになら」

【絶好の角度や! 真後ろからぶつけたる!!】


 僕の体力も少しずつ減ってきたけど、まだ大丈夫だった。

 なので、自慢の脚力を最大限にまで上げて……モンスターの後ろに回り込むことが出来た!

 向こうは、僕が後ろにいると全然気づいていない!!


「フランツ、いける!?」

【行くで!! 射程範囲……五、四、三……】

「レーザーソード!!」


 至近距離での、フランツの繰り出すレーザーソード。

 これで、このバカでかいモンスターを倒せるかはわからないが。

 とにかく、僕は自分の魔力をフランツに込めながら、離さないようにしっかりと握った!!
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