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第十六章 出戻り②
第5話 小会議
しおりを挟む「よ、レイザー」
「よ、じゃねぇ!!」
レイザーさんは他の冒険者さん達に待機するように言ってから、僕らの方に来た。
「あ?」
「なんだ今のは?! そっちのエルフの嬢ちゃんもだが、トラディスといきなり連携させたのか?? 他人と連携下手のお前が!?」
「あ~……まあ、なんとか」
「あ゛?」
マシュさんは仕方なかったにしても、レイザーさんにもアークさんのことは伝えていないようだし。マシュさんが言うかな、とは思ったけど……アークさんがテレパシーしたのか、マシュさんは口に手を当てていた。
「ま、まあ、レイザーさん! 僕らは大丈夫ですが……そちらは怪我人とかはどうでした?」
間に入るのは少し怖かったけど、まだまだ目的は果たせていないのでお互いの情報交換をしなくては。
「あ? 比較的楽だったな……お前らの取りこぼしをちまちま消してたくらいで結構楽だったわ」
「そ、そうだったんですね!」
良かった、誰も大きな怪我はしてないみたい。僕らも怪我は特にしていないので大丈夫。
とりあえず、このダンジョンが以前僕が挑戦した時と全然違うことになっているのを改めて、レイザーさん達にも説明することにした。
何人かの冒険者さん達には、警護を兼ねて下の階層を見張っててもらいながら。
「…………そいつは、ダンジョンマスターの気まぐれかもしれねぇなあ?」
擬似コアの出現について話したところで、レイザーさんはアゴに手を添えながら僕らに言った。
「「気まぐれ?/ですの?」」
「本体のコアにもよるが……ダンジョンマスターは擬似的な生きもんでも、意思は存在している。ダンジョンのためになるんなら、人間のように気まぐれで何かをしでかすことをしてもおかしくはねぇ」
「面倒だが、その可能性が高い」
ジェフさんは小腹が空いたからと、僕がレイザーさんにもと出した温泉のおまんじゅうをむしゃむしゃと食べていた。
「じゃあ……下の階層に行けば行くほど」
「トラディスが前に経験した時以上に、面倒な造りになっているんだろうなあ?」
「わくわくしますの!」
「はっは! 嬢ちゃん、製造員よか冒険者の方が合ってんじゃねぇか?」
「兼任は考えてますの!」
「そーか」
たしかに……マシュさんの腕前は、僕よりも冒険者に合っている気がした。
甘酸っぱい味付けのおまんじゅうを食べながら、そんなことを考えていると……フランツの思念体からゲンコツを食らわされたので、声を出すのを堪えた。
【マスターは、ワイだけのマスターやでぇ?】
『……ごめん』
とりあえず、今後の動きについては少々変更点が出てきた。
「擬似コアが不規則に出てくるんなら、俺も行くぜ」
後方の指揮については、別のBランク冒険者さんにお願いすることになって……僕らには、さらに頼もしい高ランク冒険者さんが加わってくれることになりました。
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