最強の剣がフランスパン!?〜最弱冒険者の無双冒険録〜

櫛田こころ

文字の大きさ
上 下
80 / 100
第十六章 出戻り②

第5話 小会議

しおりを挟む


「よ、レイザー」

「よ、じゃねぇ!!」


 レイザーさんは他の冒険者さん達に待機するように言ってから、僕らの方に来た。


「あ?」

「なんだ今のは?! そっちのエルフの嬢ちゃんもだが、トラディスといきなり連携させたのか?? 他人と連携下手のお前が!?」

「あ~……まあ、なんとか」

「あ゛?」


 マシュさんは仕方なかったにしても、レイザーさんにもアークさんのことは伝えていないようだし。マシュさんが言うかな、とは思ったけど……アークさんがテレパシーしたのか、マシュさんは口に手を当てていた。


「ま、まあ、レイザーさん! 僕らは大丈夫ですが……そちらは怪我人とかはどうでした?」


 間に入るのは少し怖かったけど、まだまだ目的は果たせていないのでお互いの情報交換をしなくては。


「あ? 比較的楽だったな……お前らの取りこぼしをちまちま消してたくらいで結構楽だったわ」

「そ、そうだったんですね!」


 良かった、誰も大きな怪我はしてないみたい。僕らも怪我は特にしていないので大丈夫。

 とりあえず、このダンジョンが以前僕が挑戦した時と全然違うことになっているのを改めて、レイザーさん達にも説明することにした。

 何人かの冒険者さん達には、警護を兼ねて下の階層を見張っててもらいながら。


「…………そいつは、ダンジョンマスターの気まぐれかもしれねぇなあ?」


 擬似コアの出現について話したところで、レイザーさんはアゴに手を添えながら僕らに言った。


「「気まぐれ?/ですの?」」

「本体のコアにもよるが……ダンジョンマスターは擬似的な生きもんでも、意思は存在している。ダンジョンのためになるんなら、人間のように気まぐれで何かをしでかすことをしてもおかしくはねぇ」

「面倒だが、その可能性が高い」


 ジェフさんは小腹が空いたからと、僕がレイザーさんにもと出した温泉のおまんじゅうをむしゃむしゃと食べていた。


「じゃあ……下の階層に行けば行くほど」

「トラディスが前に経験した時以上に、面倒な造りになっているんだろうなあ?」

「わくわくしますの!」

「はっは! 嬢ちゃん、製造員よか冒険者の方が合ってんじゃねぇか?」

「兼任は考えてますの!」

「そーか」


 たしかに……マシュさんの腕前は、僕よりも冒険者に合っている気がした。

 甘酸っぱい味付けのおまんじゅうを食べながら、そんなことを考えていると……フランツの思念体からゲンコツを食らわされたので、声を出すのを堪えた。


【マスターは、ワイだけのマスターやでぇ?】

『……ごめん』


 とりあえず、今後の動きについては少々変更点が出てきた。


「擬似コアが不規則に出てくるんなら、俺も行くぜ」


 後方の指揮については、別のBランク冒険者さんにお願いすることになって……僕らには、さらに頼もしい高ランク冒険者さんが加わってくれることになりました。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?

シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。 クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。 貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ? 魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。 ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。 私の生活を邪魔をするなら潰すわよ? 1月5日 誤字脱字修正 54話 ★━戦闘シーンや猟奇的発言あり 流血シーンあり。 魔法・魔物あり。 ざぁま薄め。 恋愛要素あり。

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

鶴と修羅〜助けられた鶴ですが、恩人の少年がトラックに轢かれて異世界へ!?え?私も行くの?〜

二階堂吉乃
ファンタジー
 鶴の妖である千鶴は、ある日釣り糸に絡まっていたところを少年に助けられた。「少年に嫁げ。恩を返さなければ、天罰で死ぬ」と長老達は言う。しかし少年はトラックに轢かれて死んでしまった。絶望する千鶴。だが彼は異世界に転生していることが分かり、彼女は渋々異世界に行く。少年はケンという名の美形の農夫に生まれ変わっていた。一目惚れした千鶴は妻にしてくれと頼んだが、あっさり断られてしまった。結局、押しかけ女房となる。ケンの下には、なぜか次々と妖がやって来る。江戸時代の狐やモンゴルの白馬と千鶴は徐々に家族となっていく。ある日、ケンに召集令状が届く。千鶴に横恋慕した王子の陰謀だった。心配性で甘えん坊の鶴がチートな妖術で奮闘するお話。全30話。

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

処理中です...