62 / 100
第十三章 堪能しつつも
第2話 知名度を上げる
しおりを挟む
モンスターの集団は突然の襲撃でも、僕とジェフさんが来たことで一応の落ち着きが出来。
あらかた倒したところで、下っ端のようなゴブリン達が逃げていった。もちろん、スタンビートって状況が起きちゃうと大変だからってジェフさんが言ったんで、残党まがいも討ち取りましたとも。
「ジェフ=リジェクターだ!!」
「あの坊主もすげぇぞ!? 素早いし、めちゃくちゃ倒してた!!」
「うぉおおおお!? ジェフかよぉおおお!!」
まあ、コンビを組んでまだ二、三日程度だから……『シリウスの風』の名前が広まっているわけじゃない。ふーって息を吐いていると、後ろからたくましい腕が僕の肩に回された。アークさんを背負ったジェフさんが僕の肩をぽんぽんと叩いたのだ。
「こいつは俺のコンビだ。『シリウスの風』って名前で活動してっから、よろしく!」
「じぇ、ジェフさん!?」
ギルドでもだけど、こんな大勢の前で言うのは毎回恥ずかしいんですけど!!?
あわあわしていると、ジェフさんは自慢気に笑っているだけだった。
「「「「「……………………嘘ぉ」」」」」
最初に助けたお姉さんもだけど、大半の冒険者さん達にはそう言われてしまった。わからなくもないから、僕もつい苦笑いしちゃう。
すると、ジェフさんから軽く小突かれちゃった。
「自信持て、相棒」
「……はい」
僕らそれぞれの武器としての、ではなくコンビとしての相棒と言われると……心が凄くくすぐったい。超有名な冒険者さんの相棒になれただなんて、まだまだ僕には信じられないから。
「……マジかよ!? ソロで有名だったのに!!?」
「けど、あの坊主の腕もたしかだぜ!? あれだけ素早くモンスターを倒しまくってたし!!」
「あ、ありがとう!! さっきは助けてくれて!!」
などなど、僕にもお礼を言う声がだんだんと増えてきた。どう喜んでいいのか、一瞬わからなくなったけど……すぐに口元が緩んでしまう。
「はい! トラディス=クレイヴと言います!! よろしくお願いしますね!!」
だから、僕もジェフさんの相棒だと知って欲しくて名乗り上げをした。
【ええ調子やで、マスター?】
フランツからも、もっと自信を持てと言わんばかりのテレパシーを投げかけられた。
フランツの姿はほとんどの皆さんには、カッコいい魔剣にしか見えないが……本当の姿だと、いくらカッコつけても僕もカッコよく見えないな~、って安心したのは内緒だ。
とりあえず、後処理とギルドへの報告とかは温泉地の職員さん達が代わりにしてくれると言うことで。
僕らは、支配人さんに呼ばれて、報酬などを受け取りに行くことになった。
あらかた倒したところで、下っ端のようなゴブリン達が逃げていった。もちろん、スタンビートって状況が起きちゃうと大変だからってジェフさんが言ったんで、残党まがいも討ち取りましたとも。
「ジェフ=リジェクターだ!!」
「あの坊主もすげぇぞ!? 素早いし、めちゃくちゃ倒してた!!」
「うぉおおおお!? ジェフかよぉおおお!!」
まあ、コンビを組んでまだ二、三日程度だから……『シリウスの風』の名前が広まっているわけじゃない。ふーって息を吐いていると、後ろからたくましい腕が僕の肩に回された。アークさんを背負ったジェフさんが僕の肩をぽんぽんと叩いたのだ。
「こいつは俺のコンビだ。『シリウスの風』って名前で活動してっから、よろしく!」
「じぇ、ジェフさん!?」
ギルドでもだけど、こんな大勢の前で言うのは毎回恥ずかしいんですけど!!?
あわあわしていると、ジェフさんは自慢気に笑っているだけだった。
「「「「「……………………嘘ぉ」」」」」
最初に助けたお姉さんもだけど、大半の冒険者さん達にはそう言われてしまった。わからなくもないから、僕もつい苦笑いしちゃう。
すると、ジェフさんから軽く小突かれちゃった。
「自信持て、相棒」
「……はい」
僕らそれぞれの武器としての、ではなくコンビとしての相棒と言われると……心が凄くくすぐったい。超有名な冒険者さんの相棒になれただなんて、まだまだ僕には信じられないから。
「……マジかよ!? ソロで有名だったのに!!?」
「けど、あの坊主の腕もたしかだぜ!? あれだけ素早くモンスターを倒しまくってたし!!」
「あ、ありがとう!! さっきは助けてくれて!!」
などなど、僕にもお礼を言う声がだんだんと増えてきた。どう喜んでいいのか、一瞬わからなくなったけど……すぐに口元が緩んでしまう。
「はい! トラディス=クレイヴと言います!! よろしくお願いしますね!!」
だから、僕もジェフさんの相棒だと知って欲しくて名乗り上げをした。
【ええ調子やで、マスター?】
フランツからも、もっと自信を持てと言わんばかりのテレパシーを投げかけられた。
フランツの姿はほとんどの皆さんには、カッコいい魔剣にしか見えないが……本当の姿だと、いくらカッコつけても僕もカッコよく見えないな~、って安心したのは内緒だ。
とりあえず、後処理とギルドへの報告とかは温泉地の職員さん達が代わりにしてくれると言うことで。
僕らは、支配人さんに呼ばれて、報酬などを受け取りに行くことになった。
10
お気に入りに追加
56
あなたにおすすめの小説
地獄の手違いで殺されてしまったが、閻魔大王が愛猫と一緒にネット環境付きで異世界転生させてくれました。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作、面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
高橋翔は地獄の官吏のミスで寿命でもないのに殺されてしまった。だが流石に地獄の十王達だった。配下の失敗にいち早く気付き、本来なら地獄の泰広王(不動明王)だけが初七日に審理する場に、十王全員が勢揃いして善後策を協議する事になった。だが、流石の十王達でも、配下の失敗に気がつくのに六日掛かっていた、高橋翔の身体は既に焼かれて灰となっていた。高橋翔は閻魔大王たちを相手に交渉した。現世で残されていた寿命を異世界で全うさせてくれる事。どのような異世界であろうと、異世界間ネットスーパーを利用して元の生活水準を保証してくれる事。死ぬまでに得ていた貯金と家屋敷、死亡保険金を保証して異世界で使えるようにする事。更には異世界に行く前に地獄で鍛錬させてもらう事まで要求し、権利を勝ち取った。そのお陰で異世界では楽々に生きる事ができた。
好色一代勇者 〜ナンパ師勇者は、ハッタリと機転で窮地を切り抜ける!〜(アルファポリス版)
朽縄咲良
ファンタジー
【HJ小説大賞2020後期1次選考通過作品(ノベルアッププラスにて)】
バルサ王国首都チュプリの夜の街を闊歩する、自称「天下無敵の色事師」ジャスミンが、自分の下半身の不始末から招いたピンチ。その危地を救ってくれたラバッテリア教の大教主に誘われ、神殿の下働きとして身を隠す。
それと同じ頃、バルサ王国東端のダリア山では、最近メキメキと発展し、王国の平和を脅かすダリア傭兵団と、王国最強のワイマーレ騎士団が激突する。
ワイマーレ騎士団の圧勝かと思われたその時、ダリア傭兵団団長シュダと、謎の老女が戦場に現れ――。
ジャスミンは、口先とハッタリと機転で、一筋縄ではいかない状況を飄々と渡り歩いていく――!
天下無敵の色事師ジャスミン。
新米神官パーム。
傭兵ヒース。
ダリア傭兵団団長シュダ。
銀の死神ゼラ。
復讐者アザレア。
…………
様々な人物が、徐々に絡まり、収束する……
壮大(?)なハイファンタジー!
*表紙イラストは、澄石アラン様から頂きました! ありがとうございます!
・小説家になろう、ノベルアッププラスにも掲載しております(一部加筆・補筆あり)。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
英雄の影 〜魔竜、勇者を育ててしまう〜
Last-BOSS
ファンタジー
その昔、影王ソドムがデスドラゴンを召喚し、言い伝えになぞらえるかのように全人類相手に戦いを挑んだ。それに呼応して、古き神々である魔神が各地で復活し災害を引き起こす。
実際の影王は・・・愛妻と隠遁したいと願う野心の欠片もない男であったが、勇者とか正義だとか 降りかかる火の粉を払っているうちに、いつのまにか世界の敵になってしまい、とても迷惑していた。
終いには世界の最北端・極寒のコキュー島に追いやられ、食料難・資金難で嫌気がさし、職務を丸投げして ふて寝する。
ーーー20年後の現在、大陸南部の自国を復興させた連邦王アレックスは、北部地域・荒れ果てた辺境の最大脅威、魔神による災害をなくすべく、勇者見習いの愛娘を彼の地へ送り出す。
運命のいたずらか・・・偶然にも同じ時期、長き眠りから目覚めたシャドーロード・ソドムが配下を引き連れてに大陸進出を目論み、光と闇は再び対峙することになった。
人類の未来をかけて、新時代の勇者と影王が激突する!かもしれない!
テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】
永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。
転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。
こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり
授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。
◇ ◇ ◇
本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。
序盤は1話あたりの文字数が少なめですが
全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる