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第十二章 結成後はまず
第4話 温泉地へ③
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温泉地には、食堂が常設されているらしく。
フランツ達は預けたままでいいとジェフさんに言われたので、身軽になって食堂に行くまでの通りを眺めながら歩いた。
外にいたお姉さんと同じような上着を着た人達がたくさんいて、あのオマンジュウとかが売っていた。ただ、甘いものだけじゃなく食事向きもあった。
『お肉まんじゅう』って言うんだって。
あんまり大きくないそれを一個買って、お行儀悪いけどジェフさんと食べながら歩くことにした。
「おいひいですぅ」
味付けは……塩とかかな??
僕とかジェフさんが気に入ってる、肉丼に使うオショーユに比べると味付けがシンプル。味わって食べると……とろっとした何かが入っているのもわかった。これは玉ねぎなのかな?? なんか食べ慣れた味がしたんだよね??
外側のパンみたいなこと部分はふかふかしていて、あんまりパンじゃないけど……中のお肉とかが味付け濃いめだから、ちょっと甘いだけのそれとよく合う。
甘いのもいいけど、こっちもすっごく美味しい!!
「お前さん、痩せ型だからなあ? しっかり食って、しっかり動く。いい体つきにしたいんなら、それを意識した方がいい」
「ジェフさんのようになれますかね??」
「俺か?? まあ、時間がかかるが……なれるかもしれないなあ?」
そこでなんで残念そうに見ているんですか!!?
お肉のマンジュウを食べ終えたところで食堂に着いたので、僕らは中に入ることにした。ただ……中に入ると不思議なものが目に飛び込んできた。
「……お湯??」
壁側にある席とか、床の一部に溝があって……そこにお湯が入っているようで、ほかほかと湯気が出ていた溝は、ちょうど座った人が足を入れやすい位置とかにあった。
「足湯だ。他の温泉地でも店によるが……ここだと、飲み食いしながら足湯が出来るんだ。ぽかぽかしていて気持ちいいぞ??」
「へー??」
温泉地ならではの特徴らしい。
僕らは壁側の席に座り、ジェフさんの言う通り靴を脱いでから溝の部分に足をつけてみた。お風呂よりはぬるいけど……とっても気持ちがよかった。
それが顔に出ていたのか、ジェフさんはにっと笑ってくれた。
「気持ちいいだろ?」
「……はい」
「飯、適当に頼むが。なんか希望あるか?? 好き嫌いとか」
「大丈夫です」
お残しはいけません、何でもしっかり食べること。
育ての親だった、シスター達に言われていたのもあるけど……基本的に僕は何でも食べる。
あのパーティーにいた頃は……初期はともかく、最近まで満足な食事……していなかったからなあ??
だから、一緒にコンビを組んでくれたジェフさんの心遣いが沁みていくようだった。
フランツ達は預けたままでいいとジェフさんに言われたので、身軽になって食堂に行くまでの通りを眺めながら歩いた。
外にいたお姉さんと同じような上着を着た人達がたくさんいて、あのオマンジュウとかが売っていた。ただ、甘いものだけじゃなく食事向きもあった。
『お肉まんじゅう』って言うんだって。
あんまり大きくないそれを一個買って、お行儀悪いけどジェフさんと食べながら歩くことにした。
「おいひいですぅ」
味付けは……塩とかかな??
僕とかジェフさんが気に入ってる、肉丼に使うオショーユに比べると味付けがシンプル。味わって食べると……とろっとした何かが入っているのもわかった。これは玉ねぎなのかな?? なんか食べ慣れた味がしたんだよね??
外側のパンみたいなこと部分はふかふかしていて、あんまりパンじゃないけど……中のお肉とかが味付け濃いめだから、ちょっと甘いだけのそれとよく合う。
甘いのもいいけど、こっちもすっごく美味しい!!
「お前さん、痩せ型だからなあ? しっかり食って、しっかり動く。いい体つきにしたいんなら、それを意識した方がいい」
「ジェフさんのようになれますかね??」
「俺か?? まあ、時間がかかるが……なれるかもしれないなあ?」
そこでなんで残念そうに見ているんですか!!?
お肉のマンジュウを食べ終えたところで食堂に着いたので、僕らは中に入ることにした。ただ……中に入ると不思議なものが目に飛び込んできた。
「……お湯??」
壁側にある席とか、床の一部に溝があって……そこにお湯が入っているようで、ほかほかと湯気が出ていた溝は、ちょうど座った人が足を入れやすい位置とかにあった。
「足湯だ。他の温泉地でも店によるが……ここだと、飲み食いしながら足湯が出来るんだ。ぽかぽかしていて気持ちいいぞ??」
「へー??」
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僕らは壁側の席に座り、ジェフさんの言う通り靴を脱いでから溝の部分に足をつけてみた。お風呂よりはぬるいけど……とっても気持ちがよかった。
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「気持ちいいだろ?」
「……はい」
「飯、適当に頼むが。なんか希望あるか?? 好き嫌いとか」
「大丈夫です」
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あのパーティーにいた頃は……初期はともかく、最近まで満足な食事……していなかったからなあ??
だから、一緒にコンビを組んでくれたジェフさんの心遣いが沁みていくようだった。
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