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第十一章 報告と提案
第2話 提案される①
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思いっきり笑った後……少し涙も出たのか、それでも男から見てもかっこいいジェフさんは、ヒーヒー言ってた。
よっぽど、フランツの本性であるフランスパンの魔剣がおかしく見えたんだと思う。
僕もまだフランツと出会って数日だけど、なんだかんだ見た目は慣れたしね?
初めての人には、笑いの対象になって無理ないかも。
「……いやぁ……笑った笑った!! フランツ? と言ったか?? そんなけったいな魔剣、初めて見たぜ??」
『……我が主。フランツ殿に対して大変失礼ですよ??』
「そーゆーお前さんだって、笑い堪えていただろ? アーク」
『…………否めませんが』
聖槍さんにも登録名があるらしく、アークさんと言うみたい。
フランツのように顔みたいな特徴部分はないけど、カタカタと左右に震えているのは笑いを堪えているせいかな??
「えっと……とりあえず、フランツに興味を持ったんですか??」
「ああ。だいたいは合ってるぜ? だが、お前さんにも興味はあんぜ、トラディス」
「??」
「声かけた時も感じた……戦闘経験は浅いが、潜在能力は高いと思ったんだ。俺はアークと契約したことで、魔眼に近い能力を所持してる。その眼越しに……視えた」
「僕に……潜在能力??」
自慢出来ると言えば、足の素早さとかその程度だ。
たしかに、フランツの所持者に認められたが……それ以外にあるとは思えない。
「自覚無し……か」
【マスターは、今は牢獄に居るアホンダラな元パーティーメンバーに酷い扱い受けてたんや。心身共に、まだ完全回復しとらん。ワイのマスターと言うとこも、自慢したがらんええ奴や】
「おう。最後のは俺にもよくわかった」
……なんか、このふたり気が合ったみたい??
とりあえず、僕は高名な冒険者さんに褒められているから、背中がむず痒く感じちゃってるけど。
『我が主、目的はこちらのトラディス殿を称賛されるだけではないはず。きちんと申し出された方がよろしいかと』
【「目的??」】
アークさんの言葉に首を傾げていると、ジェフさんが何故か僕に手を差し出してきた。
「今日のダンジョン攻略で……俺は決めたんだ。お前さんを、俺の冒険者としてのコンビにしたいってな?」
「…………え??」
ジェフさんが??
ソロを貫いていた、有名人の冒険者さんが??
駆け出しに近い僕と??
(……なんで??)
その疑問が浮かんだと同時に、僕の頭の中が真っ白になって目の前は真っ暗になったのだ……。
だけど、気を失わせてくれる余裕もなく、ジェフさんから強く手を握られた!!
「お前さんなら、俺の背中を預けられる!! フランツのこともだが、マシュの嬢ちゃんの護衛をしっかり務めたトラディスだから言うんだ!! 俺のコンビになってほしい!!」
「…………」
本気だ。
この人は、嘘偽りなく、僕をコンビの相手にしたいと……本気の瞳を向けて来ていた。
あのパーティーメンバー達とは全然違う。
本当に、僕を必要としてくれている目を向けているのだ。
【自分に素直になってええで、マスター? ワイはこの御人の事は認めとる】
フランツが僕の隣に来て、思念体の手で頭を撫でてくれた。その言葉がさらに心に沁みて……僕はもう決めていた言葉を口にした。
「……よろしくお願いします」
僕が手を握り返せば、ジェフさんはニカっと笑ってくれた。
よっぽど、フランツの本性であるフランスパンの魔剣がおかしく見えたんだと思う。
僕もまだフランツと出会って数日だけど、なんだかんだ見た目は慣れたしね?
初めての人には、笑いの対象になって無理ないかも。
「……いやぁ……笑った笑った!! フランツ? と言ったか?? そんなけったいな魔剣、初めて見たぜ??」
『……我が主。フランツ殿に対して大変失礼ですよ??』
「そーゆーお前さんだって、笑い堪えていただろ? アーク」
『…………否めませんが』
聖槍さんにも登録名があるらしく、アークさんと言うみたい。
フランツのように顔みたいな特徴部分はないけど、カタカタと左右に震えているのは笑いを堪えているせいかな??
「えっと……とりあえず、フランツに興味を持ったんですか??」
「ああ。だいたいは合ってるぜ? だが、お前さんにも興味はあんぜ、トラディス」
「??」
「声かけた時も感じた……戦闘経験は浅いが、潜在能力は高いと思ったんだ。俺はアークと契約したことで、魔眼に近い能力を所持してる。その眼越しに……視えた」
「僕に……潜在能力??」
自慢出来ると言えば、足の素早さとかその程度だ。
たしかに、フランツの所持者に認められたが……それ以外にあるとは思えない。
「自覚無し……か」
【マスターは、今は牢獄に居るアホンダラな元パーティーメンバーに酷い扱い受けてたんや。心身共に、まだ完全回復しとらん。ワイのマスターと言うとこも、自慢したがらんええ奴や】
「おう。最後のは俺にもよくわかった」
……なんか、このふたり気が合ったみたい??
とりあえず、僕は高名な冒険者さんに褒められているから、背中がむず痒く感じちゃってるけど。
『我が主、目的はこちらのトラディス殿を称賛されるだけではないはず。きちんと申し出された方がよろしいかと』
【「目的??」】
アークさんの言葉に首を傾げていると、ジェフさんが何故か僕に手を差し出してきた。
「今日のダンジョン攻略で……俺は決めたんだ。お前さんを、俺の冒険者としてのコンビにしたいってな?」
「…………え??」
ジェフさんが??
ソロを貫いていた、有名人の冒険者さんが??
駆け出しに近い僕と??
(……なんで??)
その疑問が浮かんだと同時に、僕の頭の中が真っ白になって目の前は真っ暗になったのだ……。
だけど、気を失わせてくれる余裕もなく、ジェフさんから強く手を握られた!!
「お前さんなら、俺の背中を預けられる!! フランツのこともだが、マシュの嬢ちゃんの護衛をしっかり務めたトラディスだから言うんだ!! 俺のコンビになってほしい!!」
「…………」
本気だ。
この人は、嘘偽りなく、僕をコンビの相手にしたいと……本気の瞳を向けて来ていた。
あのパーティーメンバー達とは全然違う。
本当に、僕を必要としてくれている目を向けているのだ。
【自分に素直になってええで、マスター? ワイはこの御人の事は認めとる】
フランツが僕の隣に来て、思念体の手で頭を撫でてくれた。その言葉がさらに心に沁みて……僕はもう決めていた言葉を口にした。
「……よろしくお願いします」
僕が手を握り返せば、ジェフさんはニカっと笑ってくれた。
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